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- Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105191177
感想・レビュー・書評
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今年の「美しい装丁No1」だと思う。上下巻を並べて完成する絵柄、ターコイズブルーに金箔使い、物語中に出てくる動物たちのモチーフ。
アーヴィングはいつも読む楽しみを与えてくれる。流行りの奇想やミニマリズムではなく、「ユニークな登場人物、奇想天外なエピソード豊富、ドラマチックな運命を辿るおもしろい長編小説」というクラシックな枠組みで小説を書いてくれる。私の大好きなスタイル。
本書もそんなアーヴィング節が炸裂する。主人公は大きな&小さな災難にあい、彼が愛する人々は不運な目にあって次々に死んでしまい、謎めいた女性たちに愛され…読者に与えてくれる、切なくて愛おしい人生と死への思い。アーヴィングは老境にあるからか、いつも以上に死の色が濃いが、「驚きですらない」近しい死を描く。
メルヴィルの白鯨、ホーソーンの非文字、ディケンズのデイヴィッド・コパーフィールド、ハーディのキャスタブリッジの町長、「小説を書くことについて、この4作品から学んだ以上の何を私は知る必要があっただろう?」フワン・ディエゴのこの言葉はアーヴィング自身のスタンスだろうと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
過去と未来を行ったり来たり。
ジャネット・ウィンターソン『ヴェネツィア幻視行』読みたい。