- Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105339012
感想・レビュー・書評
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これが小説だというのであれば、現代で生まれている小説のほとんどが小説とさえ言えないような代物になってしまうんじゃないだろうか。恐怖すら覚えるおそろしい作品だった。
上澄み液をスプーンですくって舐めているような感覚なのである。ノーテボームさんが伝えようとしたことの3%も理解できなかったのではないだろうか。それぐらい、彼のこの作品は知識を必要としているんだと思う。
だけれども、それでいて、僕の読むスピードは落ない。全然意味が通じていないところが連続してあったりしたんだが、なぜか僕は読むのをやめることができなかった。この先にどんなものが待ち受けているのか、物語はどのように締めくくられるのか、主人公はどうなってしまうのか、いろんな疑問が頭にへばりついていて・・・けれどもうまく読み進められない自分がいて・・・もどかしい読書であったのは言うまでもない。
結末のラスト、どういうことだったのかを理解するまで時間がかかった。ここで説明しろと言われても説明できる自信がない。
"不思議な作品"で逃げるのはよそうじゃないか。
これは今の僕には解し難い崇高な小説だ。いつかもう一度読むその日には、理解できる水準の人間になっておきたい。
ありがとうございました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最後の最後にぐるっと眺めが変化して、そういうことだったのか、と腑に落ちるようになっている。ぱっとしない元古典教師の独り語りが延々続くので、そこまで読み続けるのが大変なのだけれど。短編でやってくれたらもっと良かった。
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複数回読むことによって味わいが増す作品だと思う。幻想的で、変奏的で、笑えたりもする。円環構造になっていて、いつまでも終わらない。主題のひとつである永遠とはこの物語のことなのかもしれない。