- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105901219
感想・レビュー・書評
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会話や心象表現に、理解しにくい部分がある。訳者あとがきにある様に、各地で少しずつ枝分かれしたスペイン語ならではの言葉遊びがあって、翻訳が難しいのかも。
南米文学らしい生命力の強さと超リアリズムがある。2作収録されているが、前と後でトーンやスピード感のギャップがあり、(作品を書いた時の)作者の年齢を感じた。後半の「試練」のキャラクターの強烈さが印象的。行動する反権力はいつだって魅力的。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文学会議に出席する文学者のクローンを作成するという表題作のほか、パンクな少女がスーパーマーケットを襲撃する作品「試練」の中編2作を併せた本。
文学会議は、話の導入部分はおとなしく始まるものの、すぐにギアはトップに入り、わけのわからない方向に。
そういえば、試練も同じように、静かに始まったはずが、いきなりトップギアに。
こういう作品は、考えながら読むよりも、その展開の場面を楽しんで波に乗っていくタイプの作品だと思います。
深く考えるというより、場面場面の絵が浮かび上がってくる。その場面展開はとてもシュールです。
が、そういうところは面白いけど、私はすこし苦手。 -
「作家のクローンを作る」って「青い脂」みたいなの想像してたんやけど、ちょっと思てたんと違った。いつ文学噺が始まるのかと思ってる内に終わってもうた。
「試練」こっちの血みどろ感は嫌いじゃない。 -
流れるような思考を持っていくと、あっという間に文学者ハンアッドサイエンティストになって、クローンを作り、愛を語り、蚕が!!
筋は複雑ではないのに独特の流れで一体いまどこにいるのか分からなくなってしまう。必然の滑稽さがくせになった。 -
表題作が好きだな。どたばたしてて。表向きは小説家。実はマッドサイエンテストで世界征服狙ってんの。クローン作成まではうまくいったの。行き詰まったから「文学会議」出て、いい細胞ゲットするお。はい、失敗。ギリシャ神話の父ちゃんの日輪を扱えず、世の中を破壊したパエトーンみたいだな。「ぷにぷに」という表現はまる。なんだ最後はうまく治まってんじゃん。2つ目のは目新しさを感じなかった。少女達のスーパー襲撃。やはりユーモアがないと読むのがしんどい。やたら「今まで埋もれてた意味がわからない」と表記されてるが、俺にはわかる。
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筒井康隆をドライにして純粋な暴力表現を添えて見ました、みたいな感じ。
同時収録の「試練」、愛の証明する手段がエッジが利きすぎて怖くて美しかったたです。愛の試練を突き詰め過ぎて大量殺戮が行われる百合…。 -
表題作の方だけ。とりあえずカルロス・フエンテスのネクタイは笑った。
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表題作も面白かったけど、もう一つの『試練』の方が好み。パンクでバイオレンスで痛快。
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ラテンアメリカのノリについていくには、私の修行がたりなすぎた。