哲学談義とその逸脱 (新潮選書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106002991

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  • ・恐らくこのような政教一致は、国政が家族から村落へ、村落から国家公共体へと拡大発展するにつれて、宗教もまた家族の祭りから国家公共の祭りへと拡大されていくのと相互随伴の形でごく自然に形成されたと想像することもできるだろう。
    ・食卓の話題として政治と宗教は避ける方がいいとされている。
    ・かわききったのどをうるおすための冷たい水をいっぱい容れたコップが目の前におかれたときにはっきり認めることができるだろう。つまり私たちは渇の生理的な苦しみのうちにあるのだけれども、これが癒されようとするのを知って、その期待で喜悦するという心理情態にあるのを見ることができるからである。そしてなおこの種の混合と矛盾は、例えば悲劇の観客が泣きながら同時に会館を味わっているという事実、あるいは喜劇の見物に、われわれは抱腹絶倒の笑いで喜んでいるけれども、この笑いの根底にあるものは、むしろ劣等感に悩まされる日ごろの心理であることが指摘されたりしている。
    ・アリストテレスの著作集のうちに「夢占いについて」と題する小片が含まれている。~この小論文のうちに、人が夢に見るものは実際に起こってくる事柄の原因なのか、それとも合図なのか、それとも両者はたまたまいっしょに落ち合っただけのモノなのかというようなことの問われているのを見つける。

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著者プロフィール

1902年新潟市生まれ.
1926年,京都帝国大学文学部選科修了.
法政大学講師,東京文理科大学講師などを経て,1950年,京都大学文学部教授.
京都大学名誉教授.文学博士.古代ギリシア哲学専攻.
哲学のみならず,広くギリシアへの深い造詣により,わが国の古典ギリシア研究の水準を高めることに寄与.


「1977年 『国際学術講演集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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