彗星の住人

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106006678

作品紹介・あらすじ

一八九四年長崎、蝶々さんと呼ばれた芸者の悲恋から全てが始まった。息子JBは母の幻を追い、米国、満州、焼跡の日本を彷徨う。三代目蔵人はマッカーサーの愛人に魂を奪われる。四代目カヲルは禁断の恋に呪われ、歴史の闇に葬られる。恋の遺伝子に導かれ、血族四代の欲望は世紀を越える。日本現代文学の全字塔たる画期的力篇。

感想・レビュー・書評

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  • カヲルの父 野田蔵人と祖父JB。また、その母 蝶々夫人とJピーカートンのそれぞれの恋について
    三部作
    第一部:彗星の住人
    第二部:美しい魂
    第三部:エトロフの恋

  • 4代にわたる恋愛の大河ドラマ。どんどんのめり込んでいって、全く飽きさせない。古典として将来も残る名作だと思う。

  • カヲルの父 野田蔵人と祖父JB。また、その母 蝶々夫人とJピーカートンのそれぞれの恋について
    三部作
    第一部:彗星の住人
    第二部:美しい魂
    第三部:エトロフの恋

  • 最初の二人称の語りにはなじみが無く、読みづらかったものの、しばらく耐えさえすれば甘美な世界が待っていました。

    かつて東急沿線、特に大井町線の沿線に住んでいた私には、カヲル編で語られる常盤家の暮らしぶりは懐かしく感じられる世界観でした。

    三部作の他の作品はこれから読むので楽しみです。

  • 「無限カノン」三部作の1作目。

    2作目『美しい魂』まで読んだ後にこのレビューを書いているので、どうしても両者を比較してしまうが、この作品は読むのに結構疲れる。
    特に、蝶々夫人の話が始まるあたりまでは、どうも目がスムーズに流れていかなかった。

    どちらかというと、1作目は2作目のためにどうしても書かれなければいけなかった長い長い背景という感じ。
    読後にいい意味で消化不良を感じてしまうのも、そのためだ。
    逆に言うと、是が非でも続きを読まなければならないように設定されている。
    だからこそ、僕もすぐに続きを読んだ。

    意外にも?(という書き方は著者に失礼かもしれないが)大真面目な恋愛物語だが、最後のほうで巨乳娘が登場してくるあたりが島田氏らしい。

    世代を超えて血脈として流れる悲恋の無限カノン。
    しかも、大胆に個人の恋と歴史を重ねて物語が作られているので、読みごたえは十分にある。
    「歴史は恋の墓場なのだろうか? それとも、恋をなかったことにするために、歴史はしるされるのだろうか?」「戦争も政治も陰謀もすべて、恋と結びついているのです。でも、歴史は恋を嫌う。本当は恋と無縁の歴史なんてありはしないのに」(pp. 307-8)という引用に、この三部作を貫くテーマが凝縮されていると思う。

  • 三部作なので、最後まで読まないとわからないけれど、日本の近現代史を下敷きに笑いも含めながら物語は進んでいって、今後が気になるところです。

  • この本すきすぎる。

  • 05.05.18 図書館で借りて来た。とっても楽しみ!
    【読み終えて】
    何しろ、私のふるさとの近所の描写があるのがうれしいわ。「君は〜」という呼びかけのような文体に最初はなれなかったけれども、だんだんとのめり込むようになった。100年前の恋、戦後の恋、30年くらい前の恋、それぞれのカラーと時代背景の描写が微妙に違っていて、そこが良かった。

  • 恋の歴史は人の歴史

  • 純文学です。3部作の第一部なんだけど、まずは主人公(?)の娘がお父さんの姉に会いに行って、父親のことを尋ねるところから始まるの。それが、結局は曾おじいさんの話まで遡ることになるんだけど、すべての世代の恋愛が細かく書かれているのね。悲劇がほとんどなんだけど、繊細に描かれているから、美しいなって思った。父親(カオル)のお墓は落書きだらけで、どうしてこんなに落書きがされるのか、カオルは一体何をやらかしたのか?って叔母さんに尋ねるんだけど、アンジュ叔母さんは一言、「カオルは恋をしたのよ」って答えるの。一言その一言にこの物語の全てが集約されてるように思えた。ステキだな、ってただこの本をそういうふうに思いました。

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著者プロフィール

作家

「2018年 『現代作家アーカイヴ3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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