- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106038099
感想・レビュー・書評
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渋滞学で有名な西成氏の本だけあって、意外な視点、意外な切り込み方で、日常に潜む「そんなことしたら逆にダメにならないの⁈」と思うような逆説の事例が次々に語られます。
ややもすると逆説の事例集的なところもあるのですが、とにかく意外性の塊のような本で、知的にも楽しめます。また、実用的なケースもかなり多く、知識として知っておくと、日常でも人と違う行動を選択出来るようになったりしてオトクでもあります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
長期的視野の有用性について述べられている。
短期的にはマイナスの行動も、長期的に見れば結果的に大きなプラスをもたらすことが多々ある。実際の現在社会での具体的な例を数多く紹介している。
短期的視野を捨てて急がば回れを心がけることで、将来的な成功に近づくことができる。 -
数理物理学者の著者が長期的思考の価値について自身の見解と研究による結果を書いた一冊。
短期的な傾向にある現代の日本において、「空けるが勝ち」「分けるが勝ち」「かけるが勝ち」「負けるが勝ち」の4つにわけて長期的思考の重要性が解説されており勉強になりました。
著者が実証した研究結果や事例をもとに著者が専門とする研究の分野や企業のあり方や教育や国家など多岐にわたり見解が述べられており、著者の見識の深さも味わうことができました。
また、知らないことも多くあり、そのなかでも日本企業には200年続く企業が世界の半数以上も占めていることや改善においてはフォアキャスト型よりバックキャスト型の方が優れている点などは勉強になりました。
また、企業会計におけるトリプルボトムラインの考えは大変面白いと感じました。
また見解の部分でも刺激を受けたところも多くあり、人工知能に対する著者の見解が刺激を受けました。
著者が以前に出版した書籍のテーマとした渋滞については本書でも詳しく述べられており、速度調節によって渋滞形成を防ぐことができることは勉強になり、信号の切り替えや電車のダイヤなどバランスが大事であるということを感じました。
また、公演の際の静かに話すテクニックは使えると感じました。
本書を読んでゆとりを持って行うことがいい結果につながるということを感じるとともに、長期的思考は現在の日本において強く意識しなくてはいけない問題であるとも感じました。
一時はマイナスであっても結果はプラスになることを信じ、利己的な行動を心掛けていきたいと感じました。 -
長期的な得を取るために、短期的な損を上手く取ると良いよ、というのが書いてある本。知り合いからのお薦めで読んで見たけど、いろんな発想の転換のきっかけになるフレーズが多くて為になる。
車間距離を適切にあけると渋滞が起きにくくなるとか、混んでいる電車があると、1本外した方が空いたのに乗れる、とか利他的な行動を取った方が全体最適になる(フリーライダーがいない場合)とか。全般的にたとえ話や実例が多くて、読みやすい内容でした。 -
分けるが勝ち、負けるが勝ち
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物事には長期的な視野が必要だ。
ちょうどこの本を読んでいる今は2017年の解散総選挙中。
北朝鮮がミサイル打ち放題、少子高齢化の深刻化による国難を問う、というものなのだが。
正直、危機を煽るのは好きじゃない。大嫌いだ。
さらには消費増税はしないけれど、社会保障費は上げるというばら撒きマニュフェストを全ての政党が掲げている。
世の中は超短期的な政策が好まれる。
しかし、政治でそれをやることは国難を先送りにしているだけなのでは。
まともな政党がないこと自体が国難であるとも考えられる。
本書では「空けるが勝ち」「分けるが勝ち」「かけるが勝ち」「負けるが勝ち」を提唱している。
長期的視野に立ったときに、果たしてどちらの選択が利するのか。
短期的視野よりも長期的視野の重要性を説く。
でも、あんまし面白くなかったなぁ...。 -
多少理解できた。