野垂れ死に (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 115
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101144

作品紹介・あらすじ

天才棋士と騒がれる一方、ギャンブルで作った借金は億単位、正妻と子供のいる自宅には三年間も帰らず愛人の所に入り浸り、酒での乱行も数知れず。そんな秀行さんも齢八〇を超えた。とっくに博打場でくたばっているはずが、死神にも見放されたらしい。三度のガンを患うも、みな克服してしまう。「こんなに長く生かしやがって」憎まれ口をききながら、今日も競輪場に通う-。無頼派勝負師が語る痛快なるその半生。

感想・レビュー・書評

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  • 無頼というのは藤沢秀行みたいな人のことだと思っていた。
    が、具体的にどういう人なのか知らなかったので、今更ながら著作を読んでみる。

    想像どおり、面白い。過去の時代の人物として、とても面白い人だ。「昔は良かった」というのは、こういうことだろう。否定はしない。全体的には今のほうがいい時代であることは譲らないけれども。

    勝負の世界に生きた昭和の無頼派とは、こうなのだ。満足。

  • 藤沢先生の自叙伝。
    全ての章に渡って酒。酒。酒。
    酒あっての著者で、自分中心さがあっても許せるような印象を受けてしまうくらいに魅力があるんだなと想像する。
    誰よりもすごいのが奥さんとこども。
    奥さんとこども視点で著者について語った本がもしあるのであればそれを読んでから、改めて読んでみたい。

  • 娘の研究室の教授の推薦で読む。
    ハチャメチャだが芯の通った生き方。周りは大変だったろうが当人は楽しい人生だったろうなと思わせる。
    今はできないだろう。しかし、こんな豪快な生き方がほんの数十年前までできていたニッポンって良い国だったんだなと思える。
    推薦してくれた教授は私に何を伝えたかったのだろう?

  • 無頼とはまさにこんな生き方を言うのだと思った。もはや二度とこんな生き方をする人は出てこないし、時代が許さないであろう。筆舌に尽くしがたい苦悩があっても、当事者たちはどこかあっけらかんとしてとても鷹揚で懐が深い。極端を絵に描いたような生き方だからこそ人間が大きくて魅力的。とても自分には真似できないし身内に居たら迷惑極まりないが、ちょっとだけほんのちょっとだけ憧れる。映像化されたものを見てみたいと思った。

  • はちゃめちゃな秀行先生。
    こういう生き方に憧れてしまう自分がいる。

  • 著者はプロの碁打ち。
    病気、女、金など、これまでの波乱の人生について語る。

    全体的に「やんちゃ自慢」的な感はある。
    一方で、「囲碁があってこその自分、囲碁に命を懸ける」という様子も見える。

    根本的には真面目なひと(真面目すぎるひと)なのかもしれない。

  • 藤沢秀行名誉棋聖の書かれた「野垂れ死に」、2005.4発行です。藤沢秀行名誉棋聖は1925年(T14)6月14日にお生まれで、2009年(H21)5月8日にお亡くなりになりました。(享年83)この方の囲碁は大好きでした。理路整然とした打ちまわしにいつも惚れていました。アルコール中毒で指が震えながらの対局姿、今も瞼の奥に残っています。書の個展も銀座で開かれてますが、その素晴らしさに感服です。この本は秀行さんの規格外ぶりが存分に描かれています。ギャンブルで億単位の借金、自宅をあけて愛人の所に3年・・・etc

  • 2015年11月22日読了。

  • 私の親父もおんなじです!

  • 痛快な人生。

    囲碁に対する真摯な取り組みに相反して、人生は飲む買う打つで身内や周囲の人間たちに迷惑をかけつつも慕われる人柄。

    棋聖六連覇、最高齢記録となる王座防衛、定石に拘らない碁、来る者拒まずの秀行塾での人材育成や、浮気をして三年間家に帰らない、競輪でした借財を返せず家を取られる、酒癖が悪くトラブルを起こすなど、とても真似できないような数々の行動に驚いた。

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