大人の見識 (新潮新書 237)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106102370

感想・レビュー・書評

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  • 逆のものさし講で、清水克衛さんから教えて戴いた本です。3年前に亡くなられた阿川弘之さん、陸軍が嫌いで海軍に入隊しています。確かに海軍は自由度が高いと言うか卑屈なイメージはありません。そんな海軍やイギリス、昭和天皇などをベースに、大人の見識を説いています。理屈っぽいお爺さんのイメージがありますが、見識を語れる大先輩の言葉はちゃんと聴いた方がよいですね。生きるヒントが隠されています。
     
    特にユーモアや中道の必要性や、儒教、騎士道、武士道など、阿川さんが人生を通して、迷いなく重要と感じたものと、自分の価値観を照らし合わせる事で、自分の実とする事ができました。阿川さんは日本李登輝友の会名誉会長もされていたようで、色々と共感する部分が多かった気がします。陽の当らない名著で、オススメの一冊です。

  • 編集が決めた書名と著者のコンセプトが多少違うが、それでも英国のジェントルマンシップと武士道、そしてその流れを汲むネイビイズムの話は十分に楽しめたし納得のいくものだった。昭和天皇の見識を知り驚くとともに、天皇崇拝を唱えながらも、天皇の意思に反し、戦争へ突き進んだ軍部の姿に憤りを感じた。儒教については是非があるかも知れない。しかし、論語を聖典扱いせず、伝記的言行録として読むなら、別の解釈ができるかもと思わせる筆致がここにはあった。本書を読むきっかけは宮脇俊三氏のエッセイであることを付記する。

  • ユーモアは大事。

  • 昔のことをよく知ってる知識人のおじいちゃんの話として楽しく読んだ。Study to be Quiet.

  • 何回もよみたい本

  • 軽躁なる日本人へ
    急ぎの用はゆっくりと<br>
    理詰めで人を責めるな<br>
    静かに過ごすことを習え‥<br>
    <br>
    帯紙より。

著者プロフィール

阿川弘之
一九二〇年(大正九)広島市に生まれる。四二年(昭和一七)九月、東京帝国大学文学部国文科を繰り上げ卒業。兵科予備学生として海軍に入隊し、海軍大尉として中国の漢口にて終戦を迎えた。四六年復員。小説家、評論家。主な作品に『春の城』(読売文学賞)、『雲の墓標』、『山本五十六』(新潮社文学賞)、『米内光政』、『井上成美』(日本文学大賞)、『志賀直哉』(毎日出版文化賞、野間文芸賞)、『食味風々録』(読売文学賞)、『南蛮阿房列車』など。九五年(平成七)『高松宮日記』(全八巻)の編纂校訂に携わる。七八年、第三五回日本芸術院賞恩賜賞受賞。九三年、文化功労者に顕彰される。九九年、文化勲章受章。二〇〇七年、菊池寛賞受賞。日本芸術院会員。二〇一五年(平成二七)没。

「2023年 『海軍こぼれ話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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