- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106102875
作品紹介・あらすじ
そろそろ覚悟をきめなければならない。「覚悟」とはあきらめることであり、「明らかに究める」こと。希望でも、絶望でもなく、事実を真正面から受けとめることである。これから数十年は続くであろう下山の時代のなかで、国家にも、人の絆にも頼ることなく、人はどのように自分の人生と向き合えばいいのか。たとえこの先が地獄であっても、だれもが生き生きした人生を歩めるように、人間存在の根底から語られる全七章。
感想・レビュー・書評
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生きていることに価値があり、大変さと儚さを胸に、一日一日を感謝して生きていく覚悟が必要だとあった。読みごたえがある一冊だった。私も向上心ばかりでなく、毎日の無事に感謝する心を持って、寿命まで元気に健康で仲良く暮らしたいと思った。
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ちょっと前の本だけどコロナの混乱を予見したような記述もあり興味深く読んだ。
戦前戦後も含めた圧倒的な経験値は貴重だよな。
このような人達が亡くなると戦争抑止力が無くなってまた戦いが始まるような気がする。 -
四年前に読んだ。
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戦後50年間、ひたすら元気に坂を登り続けたこの国は、その後に続いた「失われた20年」によって停滞しているかのように見えるが、それはちょうど、頂上までゆっくりと登り続けていたジェットコースターが、これから始まる急降下に向けて一瞬止まるのに似ていると表現するのは作家の五木氏。折しも2008年、リーマンショックによる100年に1度の経済恐慌が起こった直後に書かれたこの本は、資本主義という巨大な恐竜が断末魔の叫びを上げ、格差社会や年金崩壊などの災いが人々に襲いかかってくる近未来を予見する。「国を愛することと、国家を信用することは別である」と主張する著者が、現在のような混沌の時代における「諦める覚悟」の重要性を説く。しかしその「諦め」とは「投げ出す・ギブアップする」ことではなく、「明らかに究める」という意味。目の前に起こっている真実を真正面から受け止め、人間としての「覚悟」を決めた生き方について提言する。
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P.2020/3/22
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『世間は「あきらめない」ことを賞賛しますが、「あきらめる」は決して弱々しい受け身の姿勢ではなく、正しい覚悟をきめる上では不可欠なのだと思います。』
あきらめる覚悟かぁ
なんか重石をとってくれる本でした。
#人間の覚悟 -
人生の岐路に立っている自分にとって、この本の如くどかにいても這いつくばって地獄に縋るように生きると覚悟すれば、なんとでもなるのかもしれないと思った。今も昔もあまりこの世は変わらない。
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「あきらめる」→「明かに究める」
に全て集約されているような気がする。
今の日本人にとって大事なのはいかに「あきらめる」かが問題なんだろう。 -
人生を登山と下山になぞらえて語る五木寛之さんです。頂上目指して希望に燃えて歩を進める登山、歩いて来た道の景色を眺めながら達成した満足感と心のゆとりを持ってゆっくり歩を進める下山。戦後50年、特に平成の世になってからは日本の社会全体が下山の空気に。自殺者年3万人超、生活保護世帯100万超、病気の氾濫と鬱の医学・・・。そんな時代を生きるには「覚悟」が必要と。健康、安全、安心はあり得ない。死を見つめながら一日一日を充実させていくよりほかはないと。著者は悲観的に考えているわけではなく、覚悟の必要を説いてます!
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ただ生きている、そのことに価値がある、と。
「如何に生きる」かはともかくとして。
確かに「如何に」生きるか、については深く考えることがある。
まず地位や名誉といった虚構を追い求めて努力をする「人生は仕事だ」という馬鹿馬鹿しさ。
また一方で善意や優しさといった疑いようのない尊さ。
要するに人生は、そう簡単じゃないんでしょう(超強引)。
また、一人で生きていくことについて、素晴らしい見解が述べられておりました。
読了後に心が軽くなる、という副作用が、私にとってはありました。