- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106103711
感想・レビュー・書評
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電子書籍という、本の内容だけのデータをダウンロードして読書を楽しむような時代になりつつあります。しかし、そういう合理化や効率化でそぎ落とされてしまう部分、それは装丁で選ぶ本自体のサイズや紙質やデザインだったり、フォントのサイズや種類、配置などもそうですが、本という物体まるごとをつくりだすこと、つまり、受け手のことを考えて表現し楽しませるための工夫について、本書は「編集者の仕事」として紹介・説明しています。そうそう、そうなんですねえ。文庫や新書ばかりに触れていると、それほど本の体裁というものを気にしなくなりますし、それこそ電子書籍のほうが検索とか楽でいいじゃん、なんて思うようになるかもしれないですが、本そのものの物体としての魅力について、その豊かさを軽視するのはちょっと違うかな、と思いました。単行本なんかは、表紙から材質や紙質、行数と文字数など細かいところまでいろいろ考えて決定して、内容だけじゃなく、トータルでの本としてひとつの作品になります。
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2010年6月20日初版。
本の本。編集者がどのような視点を持って本を作っているかの解説本である。普段本を読んでいる人でもあまり意識しない細部へのこだわりや専門用語を知ることができる。
編集者の方は「常識」なのだろうが、本好きや著者の方は案外おもしろく読めるかも知れない。
電子書籍の時代だからこそ、本が持つ良さについて振り返ってみるのも重要だと思う。 -
本の物理的な作りについて本でした。
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読みやすい本でした。
電子書籍で読んだので文字などをについては少しとまどいましたが、わかりやすく解説されています。
ですが、何故か記憶にあまり残っていない…
集中力と覚えなきゃという危機感がないからでしょうか。
読みながら、ここ最近読んだ本は、読んだなという気にはさせられましたが、何も自分の中に残らなかったり、自分で何も考えなかったりすることが多く、最後のページまで目を通したなというすこしの達成感が得られるだけだったなと思いました。
もう少し真剣に読まなければと考えさせられました。 -
ある冊子を作る機会があり、基本的なことを知ろうと思って読みました。
新書・文庫・単行本など、決まった型があるものだと思い込んでいましたが、そのもの全体として、「本」なのだということがよくわかりました。
電子ブックが増えていますが、紙媒体がなくならないのは、編集者の魂が宿っているからなのかもしれません。 -
「金閣寺が地味に見えなければその本当のよさはわからない」らしい。
こういう本の存在意義がわからんのだがなー。 -
176ページ
書誌とは、大雑把に言って著作の考証で、改題、すなわち初出を含む作品の来歴の解明、さらには著作一覧や年譜の作成などの作業を含む総称です。
◆改題→解題 -
[ 内容 ]
本の良し悪しは、読まなくても分かる。
なぜなら「いい本」には、オビから奥付まで随所に工夫が凝らされているから―。
「1頁が存在しないのはなぜか」「目次と索引こそ技量が問われる」「余白の意味」「明朝体の美しさ」「本文紙は白ではない」など、数々の名著を手がけた編集歴四十余年のベテランが、本づくりについて縦横に語る。
“電子書籍元年”と言われる今こそ伝えたい、昔ながらの「紙の本」の知られざる魅力。
[ 目次 ]
1 本とはモノである(作りの良し悪しを見分けよう;一次元の原稿を三次元に)
2 編集の魂は細部に宿る(すべては判型から出発する;頁はどこから始まるの?;目次と索引は技量が問われる;校正、畏るべし)
3 活字は今も生きている(グーテンベルクに感謝;明朝体は美しい;欧文書体はファミリーに分かれる;約物と罫線を使いこなせ)
4 見える装幀・見えない装幀(紙には寸法も色も重さもある;函入りかジャケットか;表紙は最後まで残るもの)
5 思い出の本から(昭和は文学全集の時代であった;十二冊プラス幻の一冊)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
本のタイトルのみならず、目次や索引が大事だといわれれば、
素人ながらも、「そういうものなんだろうな」と思う。
ところが、フォントの書体や大きさなんかも、
それぞれにこだわりを持つともなれば、感嘆せざるをえない。
なるほど、「本はモノである」ということなのか。
ただし、興味がある人でなければ、
かなり細かい話なので、ためにはならないかもしれない。 -
「本とはモノである」
この言葉が印象的だった。
内容はもちろん重要であるが、内容が良ければ本の形などといった3次元的なものはどうだっていいというわけではない。
この本はこれからやってくる(既に来ている?)であろう電子書籍時代の中で、本というモノの存在価値を改めて実感させる。