「自分」の壁 (新潮新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106105760

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めました。
    (2014年6月27日)

    そういう人たちに、うっかり「そういう問題に興味ないんだよね」などと言ったら、きっと怒られるでしょう。
    「こんなに重要なことに興味を持たないのか! 我々はこの問題に向き合うべきた」(養老孟司『「自分」の壁』新潮新書、189ページ)
    http://www.shinchosha.co.jp/book/610576/

  • 2015

  • バカの壁を読んだ後、自分の理解力、読解力不足に凹んだ。こちらの本は自己嫌悪に陥いることなく?読み、納得する部分が多かった。個人的に社会性の中で生きていくことに充足感を感じていた理由が自身の中で腑に落ち、自己理解に繋がった。

  • この著者は、「医学」・「昆虫」・「独自の推論」が受けているのがわかるが、「経済」に関してだけは、あまり語らない方がよいと思います。

  • 「「自分探し」なんてムダなこと。「本当の自分」を探すよりも、「本物の自信」を育てたほうがいい。脳、人生、医療、死、情報、仕事など、あらゆるテーマについて、頭の中にある「壁」を超えたときに、新たな思考の次元が見えてくる。「自分とは地図の中の矢印である」「自分以外の存在を意識せよ」「仕事とは厄介な状況ごと背負うこと」―『バカの壁』から十一年、最初から最後まで目からウロコの指摘が詰まった一冊。」

    目次
    第1章 「自分」は矢印に過ごない
    第2章 本当の自分は最後に残る
    第3章 私の体は私だけのものではない
    第4章 エネルギー問題は自分自身の問題
    第5章 日本のシステムは生きている
    第6章 絆には良し悪しがある
    第7章 政治は現実を動かさない
    第8章 「自分」以外の存在を意識する
    第9章 あふれる情報に左右されないために
    第10章 自信は「自分」で育てるもの

    著者等紹介
    養老孟司[ヨウロウタケシ]
    1937(昭和12)年神奈川県鎌倉市生まれ。62年東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。95年東京大学医学部教授を退官し、現在東京大学名誉教授

  • 確固たる「自分」というものはいるのか。


    そんなのはいないのではないか。


    というのが筆者の主張です。(養老氏は他の書籍でも同様のことを述べています)


    「自分」なんてない。自分は他者と社会と他の生物と地球と繋がっているし、変化しているんだ。


    大事なのは「人といかに違うか」ではなく、人と同じところを探すこと。世間と折り合いをつけて生きること。


    しかし、戦後、「私」「個性」「独創性」ということを求められてきてからおかしくなってきた。


    そのことを、世間との関わり、生物学としての面、江戸時代の日本などから説明しています。


    その他、


    政治に関わらない、世の中を変えようとしない話


    意識は信用できない、言葉と現実は別ものの話


    あふれる情報、情報過多に左右されないための話


    人生は、ゴツゴツしたものである話


    など、全体を通して、筆者の「人間はあくまでも自然の中の1つ」という考えが書かれています。


    養老氏の切り口は「ゆったり」とした考え方、姿勢を与えてくれます。


    よろしければ。


  • 彼によれば、個性や、自己の確立というものは、西洋世界から来たものであって、根本的に日本人の性質になじむものではないと、彼は、主張している。さらに、もともと日本人は、「自己」とか「個性」をさほど大切なものだとは考えていなかったと推測もしている。
    自己、自分という境界線は実に曖昧で、明確にとらえられないものでる。人間の意識は自分をえこひいきしていて、例えば、自分の口の中にある唾液を汚いとは思わないのに、それが自分の外に出たとたんに汚いものとみなされる。つまり、人間はの脳は、ここまでが自分でここまでは、自分のものではないと境界をつけていて、人間の脳、意識は「ここからここまでが自分だ」と自己の範囲を決めている。

    彼曰く、生物学的な「自分」とは、地図の中の矢印に過ぎない。そして、社会的に見ても、日本において「自分」を立てることが、そう重要だとも思わない。それよりも世間と折り合うことの大切さを教えたほうがはるかにましだと言っている。

    また、彼は、本当の自分というものは、最後に残ったものだと言っている。人間はだれしも世間と折り合いをつけられない部分が出てくる。そして、世間と自分は争うことになってくるが、その結果残った自分というものが「本当の自分」のはずだと言っている。「本当の自分」というのは徹底的に争ったあとに残り、またそれはそういう過程を踏まないと見えてこないという面がある、と彼は主張している。

    本当の自分というのは、せいぜい現在位置の矢印だと考えてみる。べつにふらふらと動いても構わない、なぜなら現在位置は動くものだからだそう。

    また、自然環境や人間が生きている地球の生態系を見れば、個性というものは、あまり現実味がないことともいえる。人間を含めすべての生き物は地球上で相互作用的に生きていて、また、人間の身体も様々な生物、生命の集合体でもある。生物は、体内に菌などの別の生物を持っていることは珍しくない。なので、すべての生き物は運命共同体であり、共生している。そういう在り方が自然的である。よって、確固とした個性をもって、確固とした自分をもって独立して生きるということは、不自然なことであり、生物としての本質から離れてしまっている。

    田んぼは私とたとえられるように、私は環境の一部である。

    *アイヌの熊送り

  • 自己を大切にすることは周りとの境界がはっきりすること メタメッセージ
    行きすぎると疲れてしまう
    自分を縛らず自然に触れること

  • 思っていたような内容ではなかったが、とても読みやすい文章だったので最後まで読んでしまった。

  • GDPが高い方が自殺率高くなるのは初知り。
    格差が広がることが原因になるって見栄やお金を稼いだら幸せと疑わない人が一定数いるってことだよな。
    エジプトは日本より豊かではないけどみんな似たような状況だから自殺者がいないとか。
    今は簡単になんでも調べられるから調べすぎることでアイデアが出にくくなるというのは同意できた。
    やっぱり自分自身で問題を定義することが重要だな。
    自然の中で15分過ごすと認知能力や活力、熟考力が増すらしいから試そうと思った。

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著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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