- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106106217
感想・レビュー・書評
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加藤一二三九段に次ぐ史上2人目の中学生棋士(その後、羽生善治、渡辺明が)、谷川浩司の「常識外の一手」、2015.6発行です。常識をわきまえぬ者は「プロ」になれない。しかし、常識に囚われている者(本筋しか指せない人)は「一流」になれない と。谷川さんは、棋士には三つの顔、勝負師・研究者・芸術家の顔があるとのこと。すべて高いレベルの羽生さん、勝負師・研究者が森内さん、芸術家が佐藤康光さん、そして羽生世代を追う渡辺明さんが勝負師・研究者、糸谷哲郎さんが勝負師だとか・・・!羽生さんはやはりすごいんですね(^-^)
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若くして将棋界のトップに立ち、50代になっても現役棋士を続けながら、将棋連盟の会長に就任した谷川浩司が語る将棋界の現在。
将棋の戦術は常に進化を続けるものであり、昨日の常識が今日の常識外になるらしい。とはいえ、それは常識を無視するのではなく、常識を十分に理解したうえで、わざと常識から外れて試行錯誤してみる。その結果、常識外の一手は、常識になる。そんな考えで常識外の一手を研究し続けた著者が、今度は将棋連盟のトップとして将棋界に新たな一手を考える。
と、この話の流れなら将棋連盟にさぞ革新的な風を吹かせているのだろうと期待するが、連盟の経営について、特に目新しい物はなし。棋士対コンピュータの電王戦プロデュースも、前会長の置き土産だし。
棋士のピークの時代なら、常識外の一手を連発していた著者だが、管理職や経営者となると、勝手が違うということか。
しかし、自らを含めた個性的な棋士たちを、自身がまとめるという二役を両立させるのは本書だけではうかがい知れない葛藤や困難があると思う。プロ野球で例えるなら、選手とコミッショナーを兼ねるようなものだから。 -
基本の軸があってこそ常識外の一手が打てる。当たり前だけど心に残った。
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存外普通谷川先生の経験談というか。将棋の上での常識外の一手を解説したわけでもなんでもなく、だけど、常識がないとプロにはなれないが、常識にとらわれると一流にはなれないというのは真理だな。実例はほとんどな x
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永世名人がこれまでの将棋人生をふり返って、常識を十分にわきまえた上で、あえて常識から外れることが、さらに高みに行く上で必要だと主張している。将棋棋士とコンピュータが対決した電王戦の舞台裏や将棋連盟を運営する会長としての思いなどが紹介されている。