不適切な日本語 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 144
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106682

作品紹介・あらすじ

知らないと恥をかく。無自覚だと損をする。「私たち入籍しました」のどこが間違い? 「元気をもらう」のどこが陳腐か? 喋りのプロが持ち前の粘着質を存分に発揮、笑いと共感と納得に満ちた「日本語偏執帳」。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館でふと目に入ったから読んでみた。
    何気なく使われている言語でも、問題を改めて定義されてみると確かにと思うことが多くあった。

  • AM6~9 今朝
    9~12 昼前
    12~15 昼過ぎ
    15~18 夕方
    18~21 夜の初め頃
    21~24 夜遅く
    24~3 未明
    3~6 明け方

  • 自分もまさに「言葉にいちいち引っかかる」性質なので、とても面白くスラスラと読めた。知らなければそやもそも引っ掛かりもしない事例もあり、勉強になる。言葉は生き物のようなもので、時代や社会背景、文化によっていくらでも変化する。言葉というものは多勢に無勢で、誤用が誤用でなくなる可能性があるという文章が印象的だった。人の間違いを目くじら立てて指摘するよりも自分の見識を深めることにエネルギーを使いたい。

  • 語感は移り変わって行くもの。でも、感度は維持したいものだ。

  • 読み終わった今、自分の中に残っているものは、言葉の力というものの大きさだ。言葉はとても大きな力を持っていることを知っていなければならないと思った。
    この本の中では、なんというか自分自身もしっくりきていなかったことが指摘されていたりして、個人的には非常にスッキリした気持ちになった。もちろん全くわかっていなかったことを沢山紹介されていてとても勉強になった。そして、何より言葉の力を知ることができたので、今後は言葉を大切にして生きていこうと思った。

  • 力を抜いて読むコラムとしては面白かったですね。
    何気なく使っている日本語を改めて考えるヒントになる本だと思います。

  • 梶原茂『不適切な日本語』(新潮新書、2016年5月)読了。

    梶原茂といえば、どの番組とすぐにはいえないが、よくテレビやラジオに出ていたアナウンサー。最近は、日本語に関する著書を数冊書いているらしいということで、そのうちの一冊を手にした。

    全部で25の、日本語の使われ方について私見を展開しているが、これが実に面白かった。
    書籍のデータベースから扱われている内容をコピーすると次のようになる。
    1 「私たち入籍しました」のどこが間違いか
    2 「元気」は他人にもらうものなのか
    3  震災に「記念日」は適切か
    4 「大丈夫です」を安易に使っていないか
    5 「一時雨」は「時々雨」どこが違うのか
    6 「印鑑をご持参ください」のどこが問題か
    7 「鏡開き」は何を割るものか
    8 震災報道でNHKが使わなかった言葉とは
    9 「○○ちゃんママ」は幼い表現だろうか
    10 「ありがとう」がデフレ化していないか
    11 「奥が深いですねえ」のどこが怪しいのか
    12 「サプライズ」ってそんなにいいものか
    13 アクセントはなぜ平板化したのか
    14 「なごり雪」は誰が作った言葉か
    15 これも「偽装」と言うべきか
    16 国谷キャスターが絶対に口にしない言葉とは
    17 「白髪染め」か「カラーリング」か
    18 辞書の読み比べは何が楽しいか
    19 客の図々しい言い分をどう考えるか
    20 敬語教育はパワハラなのか
    21 北関東風尻上がり音調はもはや全国区か
    22 「こだわりの料理」はどこが陳腐か
    23 「そうなんですね」に感情はこもっているのか
    24 「歩きスマホ」か「スマホ歩き」か
    25 紋切型はいかにして生まれるか

    大きく分けると、知らずに使っていて語源をたどるとおかしいもの、そして言葉へのこだわりに関するものに分かれる。

    ネット上の書評では「印鑑」や「入籍」に関する記述に関するものが多いようだ(どちらも知らずに使っていて語源をたどるとおかしいもの)。もちろん、小生自身もどちらも驚いたのだが、「国谷キャスターが絶対に口にしない言葉」(言葉へのこだわりに関するもの)は、少し前に『キャスターという仕事』(岩波新書)を読んだばかりだったこともあり、「うーん、なるほど」と唸らされた。

    言葉の使い方は絶えず変化しているので、本来的な意味とは違っていても、日常的に使われることでそれが現代的な使われ方となる。たとえば、大学は学校、学生は生徒、講義は授業など、小生が学生の頃には、絶対に使わなかった言い換えが一般化している。これも時代の流れなので仕方ない。

    梶原氏自身もそのことを十分に理解した上で、言葉の源流に迫ろうとこだわり、そのこだわりを文章化したのが本書であると特徴付けることができる。

  • 面白かったし、すぐに読み終えてしまった。
    一つ一つに大いに同意しながら読み進めました。
    引っかかる、気にかかる、気に障る、そんな言葉づかいが多くて、「これはどうなんだろう?」と思っていたことが、
    あぁ、同じことを「どうなんだろう」で終わらせずに突き詰めている人がいるんだ、と、安心感に包まれ、ほっとしたところです。
    日ごろ、テレビを見ていて、今のことばは変じゃないか、と周囲に語ると、そういう風にテレビを見たり時間を過ごしたりして疲れませんか、とやんわりと責められているのですが、でも、気にかかってしょうがないのです。そのままにしている方が疲れるのです。
    この本でそんな疲れが取れました。
    よかった~。

  • 作者にはアナウンサーであると言う知識しかなかったのだけれど、そうなのか~
    ただ、こういう風に言葉に躓きながら日々生きていると
    腹の立つことが多いのではないかしら。
    私は逆にこの本を読んで、もっとおおらかになろうとおもったけども。

  • ■「印鑑」とは神に押された「印影」のこと。印鑑と呼ばれている道具は印鑑ではなく「印章」。
    ■NHKの取材者たちは「被災者」「がれき」「壊滅的」という言葉を使用しないようにした。
    ・「被災者」は外から目線になり,ひとくくりにまとめてしまうため「被災した人」に置き換え
    ・「がれき」は本来「値打ちのないもの」について表現する言葉
    ・「壊滅的」は第三者的からの表現であり,その地域に寄り添っている感じに欠ける
    ■流行歌の影響
    ・「白夜」は「はくや」。「知床旅情」の「びゃくやは明ける~」の影響から。
    ・「花街」は「かがい」。「円山・花町・母の町」の影響から「花町=花街」が刷り込まれる。
    ■「精霊流し」は「ショーリョーナガシ」であるが「ショーローナガシ」と呼んでしまう。これは,「灯篭流し」の「類音牽引」ではないか。
    ■語尾の「ね」「さ」「よ」の使用を控える鎌倉腰越の「ネサヨ運動」

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著者プロフィール

1950年神奈川県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、文化放送にアナウンサーとして入社。
1992年からフリー。テレビ、ラジオの司会を中心に活躍する。その一方、49歳で東京成徳大学大学院心理学研究科に入学、51歳で心理学修士号を取得。シニア産業カウンセラー、認定カウンセラー、健康心理士の資格を持ち、カウンセラーとしても活動している。
東京成徳大学客員教授、日本語検定審議委員も務める。主な著書に『口のきき方』『すべらない敬語』 (以上、新潮新書)、『心を動かす「伝え方」また会いたくなる「話し方」』(講談社+α文庫)、『敬語力の基本』(日本実業出版社)、『おとなの雑談力』(PHP文庫)など多数。

「2020年 『イラッとさせない話し方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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