家裁調査官は見た ―家族のしがらみ― (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106767

作品紹介・あらすじ

重い、厄介、でも逃げられない。妄想に囚われた夫、願望に取り憑かれた母、家族神話に溺れた兄弟――人生最凶の人は肉親だった。家族問題のプロが「しがらみ」の正体を明かし、個人の回復法を示す実例集。

感想・レビュー・書評

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  • 副題が「家族のしがらみ」ですが、これを全否定はしてないところがみそ。本来しがらみとは、水を堰き止めずに水流を弱める杭のことで、「家族は本来の意味でのしがらみでなければならないのだ、しがらみの守り、すなわち柔構造こそが家族の守りだ。(143頁)」と。

  • ドラマのパロディのようたタイトルだが、非常にまじめな本だった。家裁調査官のお仕事、より、ダブタイトルの「家族のしがらみ」が中心のテーマだった。アメリカの事例で糞便をいじる男の子への対処法の話が、毒親サバイバーの解決プロセスで「いったん全部親のせいにする」というのと相通じるものを感じた。

  • yk

  • 確かに肩書きが家裁調査官なのだが、家裁調査官の仕事についてがっつり語ると言うよりは、家族という舞台に起きる、様々な課題を、ユング派の心理学の視点を種に語る。

    久しくこういう本を読んでなかったな。
    制度について興味のある人には合わないかもしれない。

  • 東2法経図・6F開架:327.12A/Mu54k//K

  • 親族、家族間の問題を扱う家庭裁判所の調査官を経て大学教授となった著者が、扱ってきた実例と共に家族間問題の本質を探る手法について解説。家庭を客観視する視点を持ち続けるのは大切。

  • 家庭裁判所で行われる調停等のプロセスが知りたくて読みましたが、心理学的な話題が軸のようでそういった意味では期待と違いました。
    ただ、箱庭療法から見えてくること、薬物の与える具体的な影響など普段伺い知ることができないのでとても興味深かったです。
    箱庭療法で時間差で置かれた汽車とトンネルの意味はドキッとしました。

  • 著者が家裁調査官として直面してきた数々の家族の事例を紹介しながら、臨床心理学の観点から、「家族のしがらみ」の正体を解き明かし、それを乗り越えるためにはどうすればよいかを考察している。
    「しがらみ」を抱えたいろいろな家族の事例自体が、自分と家族との関係を考える上で、興味深いものだったが、著者の臨床心理学的観点からの観察もとても示唆に富んだものだった。特に、「感情転移」や「家族神話」という考え方や、「解決志向アプローチ(ソリューション・フォーカスト・アプローチ」、「ナラティヴ・セラピー」という家族の問題解決療法が参考になった。

  • 似たような記述が結構繰り返されて、ななめ読みしてしまいました。

  • 2時間ドラマのような題名だが、内容は、いたって真面目。家裁調査官である著者が取り扱った事案を、心理学のアプローチで解説する。
    柵(しがらみ)という漢字は、川に竿を挿し流れを緩やかにする意味という。家族は、世間の風当たりなどを緩やかにし、人を元気にする場所であると筆者は訴える。子供、夫婦の距離感など、参考になる記述は多い。

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著者プロフィール

1956年生まれ。横浜国立大学大学院教育学研究科修士課程修了。家庭裁判所調査官として非行や離婚など多くの家庭問題にかかわった後、現在、立正大学社会福祉学部教授。認定NPO法人「神奈川被害者支援センター」理事長。元日本司法福祉学会会長。専門領域は臨床心理学、家族心理学、司法福祉。臨床心理士・公認心理師としても活動。主な著書は、『家裁調査官は見た――家族のしがらみ』(新潮新書、2016)、『非行臨床の理論と実践――被害者意識のパラドックス』(金子書房、2012)、『新版 Q&A 少年非行を知るための基礎知識』(明石書店、2020)など多数。

「2022年 『Q&A離婚・再婚家族と子どもを知るための基礎知識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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