「ポスト宮崎駿」論 日本アニメの天才たち (新潮新書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107450

作品紹介・あらすじ

新海誠に庵野秀明、押井守、細田守、米林宏昌……市場規模は2兆円超、映画公開は引きも切らず、"第四次ブーム”に沸く日本アニメ。だが内情は――。最初期の"おたく”でもあった著者が時代を俯瞰した最良のテキスト。

感想・レビュー・書評

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  • ‪ポスト宮崎駿という軸で現代日本のアニメ監督を考察した一冊。やはり筆頭は新海誠になるわけだが『君の名は。』を和歌や神話など古典の引用として解釈する視点は新鮮で面白かった。また、各監督の作家性だけでなく制作会社や興行成績などビジネス面にも言及した分析って実は少なかったように思う。‬

  • ● 2017年はアニメーション公開100周年。2016年に君の名はが250億円の大ヒット。
    ●宮崎駿が2013年を最後に、長編アニメ制作から引退を宣言すると、日本アニメの世界展開は下降線をたどってきた。
    ●新海誠。押井守。今敏。細田守。庵野秀明。
    ●もう1人の巨匠・高畑勲。火垂るの墓墓、思い出ぽろぽろ、平成たぬき合戦ぽんぽこ、かぐや姫の物語など。
    ●宮崎吾朗。後継者の苦悩。
    ●世界のアニメの主流は3Dになりつつある。日本で作られたSTAND BY ME ドラえもんは中国などでも大人気。

  • アニメは好きだが今までアニメ史、関係者のエピソードについては無知だったため、自分が知っている、また好きな作品に関する話を知ることができてよかった。
    クールジャパンの一環としてアニメなどコンテンツ産業が注目されているが、確かに萌えの管理やそもそも宮崎駿と並ぶような監督がでてくるかは不安だ。

  • 2020年10月8日読了。「ポスト宮崎駿は誰か」という観点で新海誠・細田守らイケてるアニメ監督の特徴と作品を概括し、「そもそも『宮崎駿』とはどういう存在なのか」「日本のアニメ業界はどうなっているのか」などのトピックについても後から拾っていく本。日本人なら誰でも名前を知っていて、老若男女楽しめる安心感・高品質・大人も論じがいのあるテーマ性に、メカと美少女への執着などのねじれた異常性まで併せ持つ、つくづく宮崎駿とは有無を言わせない圧倒的な天才で、ジブリが後進を育てられなかったのももうしょうがないよなあ…と思ってしまう。「情熱と能力のあるレジェンドが後進監督にダメ出しをし、実際にもっと優れた絵コンテを切ってくる」という環境で仕事をしたい監督は誰もいないだろう。(自分だっていやだ)こだわり・高品質・安心感を備える監督はいても、「この人は『ポスト宮崎駿』だ」なあんて監督は現れない、ということだろうな。

  • 宮崎駿、ジブリ作品を中心に、現代の主に劇場アニメを語る。興味深い解釈多数。購入して何度も読み返したい本。

  • 宮崎駿以降の新たな新監督の流れについて俯瞰。

    私はアニメに詳しくないので、色々濃い情報が次々に展開され、へぇーそういうもんなんだ、と感心しながら読んだ。

    手塚治虫の黎明期から最新までの情報もあり。
    中々幅広い。

    ジブリの宮崎駿の後継者が育たない問題、やはり巨匠がいて、口出ししていると、後輩は萎縮するしかないんですね。
    企業でも気を付けないといけないところ。
    また、高畑さんの予算足らなくなる問題も、思ったよりも深刻であることが良く理解できた。

  • 熱は、時に邪魔

  • 読了。宮崎駿も大変だったんだとわかった。面白かった。

  • ポスト宮崎駿論あれこれ。アニメの歴史から宮崎駿よりわかい世代の監督たちについて。『君の名は。』は先日テレビでやって初めて見たけど確かに面白かった。本書の中でもっと違うタイプの作品を作れるかどうかみたいな話あったけど、そういう作品ができるか楽しみ。
    官民あげてアニメを輸出しようとしていることについての、いわゆる「萌え」の取り扱いを整理すべきというのは正しいと思う。文化の違うところにそのまま持っていけないことは多いと思う。
    宮崎駿のような監督がこれから出てくるのかはわからないけど、自分は宮崎駿が作品を作っているときに子供時代を過ごせて運が良かったと思える。

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著者プロフィール

長山靖生(ながやま・やすお):1962年生まれ。評論家。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。開業医のかたわら、世相や風俗、サブカルチャーから歴史、思想に至るまで、幅広い著述活動を展開する。著書『日本SF精神史』(河出書房新社、日本SF大賞・星雲賞・日本推理作家協会賞)、『偽史冒険世界』(筑摩書房、大衆文学研究賞)、『帝国化する日本』(ちくま新書)、『日本回帰と文化人』(筑摩選書)、『萩尾望都がいる』(光文社新書)など多数。

「2024年 『SF少女マンガ全史 昭和黄金期を中心に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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