絶対に挫折しない日本史 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106108761

作品紹介・あらすじ

大きな流れがスッキリわかる、画期的日本史入門。固有名詞を減らし、流れを俯瞰で捉えれば、日本史はここまでわかりやすく面白くなる! 歴史学者ではない著者だからこそ書けた、全く新しい「ニッポン全史」。

感想・レビュー・書評

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  • 古市さんの本を読んだのは初めてだけど、いやぁ感心した。
    確かにこれは挫折しない。
    軽い気持ちでサクッと読める。

    社会学者らしい相対的な視点で書かれていて、信頼のおける日本史の本だと思う。

    ・日本の歴史は、まとまる(古代・平安時代まで)→崩壊する(中世・鎌倉〜江戸時代)→ふたたびまとまる(近代・明治以降)と言う流れ。

    ・「日本」は実は中国目線の国号。


  • 当方アラフォー。
    TBSラジオリスナーとして聞いたことのある名前。
    ワイドショー関連はノータッチ。
    著作は初読。
    という状態で読んで、かなりよかった。
    中年になって社会の酸いも甘いも嚙み分けた段階で、歴史に興味が再度湧いてきた段階で、この本は、出会うのに最適な時期であったろう。
    最近主にポッドキャストで歴史や言語やを復習するのが面白い(リベラルアーツ)が、その一環。
    中高生の受験本としてはどうか。
    ある程度日本史や人類学を齧ったことのある人にこそ嬉しい本かもしれない。
    断片的な事前情報が、本書を読むと、書籍内では省略されているにもかかわらず、読者の頭の中で再構築されていく。
    この気持ちよさを味わうためにこそ、中高生当時いまひとつ面白くない授業に耐えてきたのではないかしらん。

  • 歴史の教科書がつまらない理由は、覚える人名や用語があまりにも多すぎること(大学受験のために必要と思われる用語は1万700もある)、古代史や中世史では、権力者の歴史がかりが延々と説明され、大したヤマもオチもない。だが、思い切って固有名詞を減らし、流れを超俯瞰で捉えれば面白くなるのではという発想から生まれでた、全く新しい日本史の入門書。 ・・・外圧から強国に ~〝国がまとまるのは、外敵ができた時だ。北朝鮮がミサイルで危機を煽ると、タカ派の政治家が国力の強化を謳う〟・・・

  • 細かい注釈とそのちょっとひねくれた書き方が心地良かったりする。わたしは、授業の日本史も好きでした。

  • テレビでよくみかける古市憲寿さんが「サピエンス全史」に影響を受けて書いた、日本史全体を俯瞰的に捉えた本。日本史は好きな方ですが、全体像を分かりやすく簡潔に書いた本は珍しいなと思って読んでみました。

    古墳時代をフランチャイズ経営に例えたり、のび太の日本誕生を例に土地開発と所有の流れを解説するなど、読者を飽きさせない工夫が随所にみられるとても読みやすい本でした。

    受験勉強のために子供が読んで日本史を理解する本というよりは、日本史嫌いの大人が面白さを再発見するための本としておすすめだと思いました。

  • 面白く読めた。
    所々ユーモラスでテンポがいい。
    全体を古代中世、近代と分け、テーマ別の記述もある。具体的な数字がリアルである。
    江戸時代、農家の次男以下は都会に奉公に出る事が普通だったが、成人するまでに亡くなることが多く4割しか生き残れなかったとか、時代のシビアさが感じられる。
    色々と目からウロコだった。
    この本が書かれたのは、コロナは流行していたが、ウクライナの戦争はまだなかった時期。
    フェイクニュース等の情報戦争があるかもと書いてあったがリアルでも起こってしまった。

  • 挫折しそうになったけど、なんとか第一部を読破。
    初めて日本史を最初から最後まで通しで学べました。
    固有名詞は飛ばしていいと言いつつも、ちょこちょこ出てきた歴史的事件や戦争の名前は知ってるべきなんだろうなと思ったので、メモしました。

    いつか、しらべます。(白目)


    さらに1/3くらいに圧縮して、マンガ本出してほしい。日本史で挫折した全「国民」に配ってください。

  • 流れをつかむ、暗記でない日本史……待ってました! 
    古代(まとまる)⇒中世(崩壊する)→近代(再度まとまる)

    おお~。なんと大雑把な。大雑把だからこそ、秀逸。素晴らしき鳥の目。

    少し前に、経済や家計の側面から歴史を見ていく専門書が流行りました。社会学者が語る歴史も、また違う面からのアプローチで面白かったです。

    「太平洋戦争の敗戦で植民地を取り上げられた日本は、負担なく経済成長を遂げられた」と書かれていました。なるほど、別の見方をするとその通りで、とても重要な視点だと思いました。

    また違う複数のジャンルの専門家による、それぞれの立場からの日本史を論じたものを、いくつか読み重ねてみたいです。

    • midographさん
      私も、植民地を取り上げられたからこそ日本は経済成長を遂げたという部分になるほどねーー!と思いました!

      家計の側面から歴史を見ていく専門書、...
      私も、植民地を取り上げられたからこそ日本は経済成長を遂げたという部分になるほどねーー!と思いました!

      家計の側面から歴史を見ていく専門書、読んでみたいです。本のタイトルお分かりですか?
      2021/12/25
    • koke0824さん
      midographさん

      コメントありがとうございました。

      『武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書) 』(磯田...
      midographさん

      コメントありがとうございました。

      『武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書) 』(磯田 道史 著)です。
      その後、同じ著者が第2段、第3段を出されていたかと思います。
      お気に召されると良いですが。調べてみて下さい!
      2021/12/25
    • midographさん
      読んでみます!ありがとうございます。

      「江戸の家計簿」もかなり面白かったので、よかったらぜひ~
      読んでみます!ありがとうございます。

      「江戸の家計簿」もかなり面白かったので、よかったらぜひ~
      2021/12/25
  • 学生時代、あまり得意ではなかった日本史。

    当時の私には、歴史を学ぶというより
    無機質に暗記する教科だった。

    大人になった今、実家に帰省した際に、
    当時の日本史や世界史の教科書を読むと、
    意外と面白くて学生時代が悔やまれる。

    本書は、神様のような俯瞰した目線で、
    巨視的に日本の歴史を描いている。

    まるで、ドラえもんの道具で、
    空から日本の成り立ちを
    高速で眺めている感じだ。

    テンポの良いスピード感が心地よい。

    「ニッポン全史」だけでなく、
    「コメ」「家族」「戦争」
    などのテーマも設定されている。

    歴史となると対象が膨大な上に、
    イデオロギーも関わってくるし、
    どの立場を採用するかで
    歴史叙述の方法はまるで変わってしまう。

    歴史の解釈、歴史をどう語るかは
    とても難しいことだ。

    作者が述べている、
    「歴史とはつまるところ、
    証拠と推論の組み合わせによって
    織りなされる叙述である。」

    この言葉は、すごく腑に落ちた。

    誰かが何かを残し、
    それを守る人がいたから、
    歴史は続いてきた。

    歴史を読み書きするのは、
    この営みに参加することに他ならない。

    コロナ禍で移動も憚れる日々なので、
    本書で日本史の旅へ出かけるのも悪くない。

  • なるほど固有名詞の出てこない日本史通史とはこういうものか。歴史といえば、源義経だったり、伊達政宗だったり、感情移入しながら小説で読むことが多いのだが、この本のような視点で読むこともありだなと思う。
    もちろん、400以上もある脚注を全て読んでも、歴史に詳しくなれるわけではない。しかし一年のどの時期にそれが起きたのか、という見方を示されると、なるほどそんなものなのかという思いを抱くことは多かった。
    もう一度、近いタイミングで読んでみたいな。

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著者プロフィール

1985年東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。2011年に若者の生態を的確に描いた『絶望の国の幸福な若者たち』で注目され、メディアでも活躍。18年に小説『平成くん、さようなら』で芥川賞候補となる。19年『百の夜は跳ねて』で再び芥川賞候補に。著書に『奈落』『アスク・ミー・ホワイ』『ヒノマル』など。

「2023年 『僕たちの月曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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