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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120033414

感想・レビュー・書評

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  • ”誕生日”をテーマに描かれた海外の短編小説をアンソロジー編集した一冊。あとがきにもあるが、誕生日を題材にした小説は、全体的に明るいものが少なかった。それでも、大概は何かしらを思わせるには十分な粒揃い。短いものは10ページほどの、長くても60ページ程度の11の物語。
    好みとしては、何とも言えない苦味が残る「バースデイ・ケーキ」、プロットの上手さ、ガツンと来る言葉が多かった「ダイス・ゲーム」、富裕層の妻が旦那に特殊なプレゼントを企てる新感覚の「バースデイ・プレゼント」が格別だった。

  • もう、かなり前に、主人から誕生日プレゼントとしてもらった本だ。
    当時、いまいちだなぁ、という思いを抱いた記憶がある。
    (主人には申し訳ないが)
    そして、今回読み返しても、やっぱりいまいちなのも多いな、と、私は感じた。
    面白いものもあったけれど。

    ティモシーの誕生日は、切なくて悲しくて痛々しいけれど、その感覚の生々しさが心に残る。

    バースデイ・ケーキも、しかり。

    慈悲の天使、怒りの天使は、人間臭くって偏屈で困ったおばあちゃんだけれど、変な人だとは思えない。その寂しさが、にじみ出ている。

    そして、バースデイ・ガール。
    やっぱり、願い事って、ひょいひょいとかなえられると、価値がないのだろう。
    平凡な人生を、必死で作り、守る。
    その努力が、幸せを生むのだろう。
    近寄ってはいけない場所、本当に、そうだと思う。

    その他のお話には、いまいち共感ができなかった。
    それなりにおもしろかったけれど、好きではない。今は。

    主人にもらった本だから、やっぱり、本棚に眠らせておこう、と思う。

  • 誕生日の見方が変わる本。産まれたことを、そして家族に愛されていることを感謝したい。

    村上先生の解説読んでたらよく「救済」という言葉が出てくるんだけど、現代英米文学のトレンドなのかな。そういうことも考えながら読んでいると好き嫌いは別にして「ダンダン」「風呂」「バースデー・ケーキ」の3つが印象に残りました。


    軌道から外れた一瞬の出来事が、破滅へ繋がっているのだろう。だれも幸せになれない。物事は悪い方にしか進まない。見捨てられた、残された家族の末路に、救済が見えなくてつらい。

  • レイモンド・カーバーもよかったけど、アンドレア・リーの話が印象深かった。他の本も探してみたい。

  • 読み終わったのはずい分前だけれど、今だにいくつかの物語は覚えていて、じんわりと心を温めていてくれます

  • 誕生日について書かれた短編小説を、
    村上春樹氏が集めて翻訳した。

    ラッセル・バンクスの「ムーア人」が好きです。
    男が21才で女が50才だったときに関係を持った男女が、
    30年後のに偶然再開するという話。
    中途半端に年をとると、なんのことでも、
    「初めて」と相手に伝えることに覚悟が要り、
    「初めて?」と聞くことにも覚悟が要るというのは、
    わかる気がしました。
    覚悟というか、
    繊細な神経、抵抗感、期待。を、含むから、
    副詞というより、大きい形容詞になっちゃう。

    そして、しっかり年をとってしまうと、
    必要な覚悟の大きさより、
    知りたいという我侭のほうが勝つらしいということ。

    きれいで、寂しくて、しかも良い話でした。
    なんやったら、真似してもいいと思うくらいに。


    レイモンド・カーヴァーファンには、
    「ささやかだけど役に立つこと」の短いバージョンの「風呂」が収録されていますので是非。
    ぜんぜん、印象が違ってくる。

  • いいんだけどな!村上春樹の作家紹介が良すぎて、期待しすぎて読んでしまう惜しさがある。

  • あんまり覚えてないっていう

  • ム−ア人が綺麗でせつなくて泣けた。

  • ジャケ買いしたけど、読書にストレートな感動を求めてる自分にはこういう世界はやっぱりしっくりこないかも。

    読書に文学的ななにかを求める人にはいいのかも。

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