光ってみえるもの、あれは

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 498
感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120034428

感想・レビュー・書評

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  • 青春小説・・・?
    でも、ないのか。

    家族に愛されているのか・・・
    不安になる年頃って高校生くらいなのかしら。

    長かったけれど、スイスイ読めた。

    この人独特の表現が結構好きかも。

  • 主人公も家族も友人も教師も、みんなそうそう有り得ない人格なのだけど、読んでるとどうも無性に10代に戻りたくなる。

  • 2008.4
    祖母、母と暮らす翠くんの物語。
    高校生ってこんな子どもっぽかったっけ?
    なんとなく幼すぎるように思えた。
    川上作品には、居酒屋がでてきてくれないと調子狂う。

  • まずはタイトルにぐっときた。
    なんだ、この倒置法を使ったタイトルは…

    母と祖母と暮らす高校生、江戸翠。
    一見普通の高校生だけれど、なんだか今の自分に不自由さを感じていて、早く大人になりたいなと思っている。
    一方、翠の恋人平山水絵、友だちの花田も同じように成長過程ならではの悩みや葛藤を抱えている。
    そして、翠の母・愛子、遺伝子上の父・大鳥さんもなんだか頼りない大人で…

    『センセイの鞄』と同様、特に大きな事件はおきない。
    日々が進行していく中で、周りとの関係性や自分の内面がゆっくりと変わっていくのを静かに見ている感じ。
    時代は違いこそすれ、『赤頭巾ちゃん気をつけて』の薫くんと主人公がちらりと重なったのは私だけでしょうか。
    じたばたしていない。
    じたばたしているように見えても、実はじたばたしていない。
    自分からぐっと離れて、自分を客観視できる状態でいれば、大方はうまくいくような気がするな。

    しかし、会話も心理描写もうまいな、この人。
    つながりそうでつながらない感じ、わかりそうでわからない感じ、わかりたいと思っているけれどそれを伝えられない感じ、
    そのたどたどしい感じがね。
    翠くんは早く大人になりたい、大人になったらすっかり自由になって、今のもやもやした感じから抜け出せると思っているのだけれど、いや、いや、そんなことはない。
    大人だって、万能じゃないからね。
    子どもとは別の不自由さがね。

  • 校生の江戸翠が夏の体験をもとに成長していく姿を追った青春家族小説。
    風変わりな母、小粋な祖母、遺伝子上の父だけど友達のような大鳥さん、突然女装しだす友人花田に恋人の平山さん。それぞれに悲しみや疑問をもち、日々を送ってるひとびとが、翠を中心に変化していく。
    恋愛や家族、現代のかかえる問題がテーマになっているものの、ウィットに富んだ笑える会話や、浮世離れした登場人物たちが問題性をたくみに軽くしつつ、最後に向けて、シミシミとした現実が、きらきらした未来の展望へと開けていく。
    なんだろう、この川上作品を読み終わったあとのほんのりと温かな感動は。

  • 相変わらずしみじみさせてくれるんですが、主人公が16歳なんで
    ちょっとドキドキもしたりします。

  • うーん って感じ
    悪くはないけど良くもない感じ。

  • 江戸くんの家族が好き。
    「ぼくは勉強ができない」みたい。

  • 世界って何だろう。人を好きになるってどういうこと?自分が生きているのは何故だろう...コドモからオトナへ。変化していく少年の心を切り取った小説。「詩」がたくさん使われていて、ちょっと難解な部分も有り。でも、それもこの作家さんの味。

  • 単調だったし、物語が複雑だった気がする。恋愛関係のぎくしゃくなところが印象的。特に北の海ってところ。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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