ひなのころ

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 65
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120037191

作品紹介・あらすじ

大きな樫の木、瓦屋根、レンゲ草に、おひめさま…そして、春の日に出会う不思議。季節のおとないとともに成長する少女の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 嫌いではない、というか全体的には良いなぁと思うんだけど、いちいちなんでこんなキツイ言い方?と思ってしまい気持ちよくは読み進められなかった。まぁリアルなのかもしれないし、だからこそ心に刻まれるのかもしれないのだけど。

    ともあれ文章の相性が悪いわけではなく、表現は好きだし一気に読みきっちゃいました。

    日本ファンタシジーノベル大賞受賞者ということで興味を持った作家さん。今回初読みでしたが、作品の毛色も違いそうなのでやはり受賞作を読んでみたいです。

  • 豪華な雛人形の三人の男衆、「三人仕丁」というって初めて知りました。
    子どものころに大切にされた記憶があるかどうかは、自己評価に直接ひびく。子どもへの愛情はまっすぐに表現するべきだと思う。子どもはまっすぐに受け止めるのだろうから。

  • おひなさまの思い出は男女問わずに何かしらあると思います。この物語は少女の成長が季節をとおして書かれています。おひなさまと遊んだ幼児期。夢と希望、家族とのつながりがあたたかいちょっと懐かしい物語です。

  • 四歳のときの雛人形との会話が可愛かった。女の子の成長していく折々の心情をリアルに描いていて、たびたび共感できた。この世のものでないものと話ができるのが少し羨ましくなった。ノスタルジックで、哀愁の漂う素敵な小説でした。

  • ノスタルジックな、なにか音楽が流れるような物語。
    多感な時期にいろんなことを想い、時間を一つ一つ積み重ねていく。
    そうして、少女から大人へと少しずつ変わっていく。

  • 感受性豊かな風美の4歳から17歳までの心の軌跡を書いた物語。

    おひなさまとの幻想的なやり取りのある4歳の物語が圧倒的に面白いです。
    逆に、17歳で描かれる両親との和解はとんとん拍子という感じで、あまり印象に残りませんでした。

    日本ファンタジーノベル大賞を受賞された作家さんですが、これまで発表された作品を読むと、現代の日本を描いた小説の方が面白いと思います。

  • ものすごく面白くて一気に読んでよく覚えてても二度と読みたくない(しんどいとか苦しいとか)本がたまーにあってこの人の「クロニカ」ってインカ帝国滅亡の話がそれだった。
    ので雰囲気違うなあと思って読み始めたら凄かった。

    切ないどころじゃない。寂しいし暗いし地味に苦々しいし身に覚えがあるし優しいとこ優しいし、しかし自分はこんなに頭のいい感受性の豊かな子ではなかったなあとか。
    そういう昔のファンタジーっけのごく少ない児童文学をちょっと違う目線で見てるような、なんだ、きもち「ペンギンハイウェイ」と同じカテゴリ。

    ちょっと泣きかけた。子供のころの方が生きるの死ぬのって真剣に考えてた気がする。風美ほどまじめじゃなかったけど。

  • 薄味だけど、やわらかな読後感。

  • 短編4作品。
    主人公、4歳、11歳、15歳、17歳の春、夏、秋、冬が描かれています。

    ちょっと不思議なほのぼのワールド、好きですね。

  • 入院中の弟につきっきりの両親に代わって、昼間は厳格な祖母に育てられている女の子が、だんだんと心を閉ざしていく。
    きっかけは、どこの家庭にでもある些細なことで、ただタイミングが悪かっただけのこと。

    女の子は思春期になって、身の回りのものはすべて両親から買い与えられたものだから自分の物ではないと気がつく。
    じゃあ、自分の物って何だろうと考えて、体は両親から食べさせてもらったわけだから自分のものではないし、心だって親から影響を受けているから自分の物じゃないって考えたりする。

    うーん、むずがゆいし、こっぱずかしい。
    私にもこんなときがあったのかなあ。


    暗くて重めな話のトーンに拒否反応が出たので、星3つ。
    570

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