パリの秘密

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120037733

感想・レビュー・書評

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  • パリの街のあれこれが、キュッとまとめられギュッと詰め込まれていて楽しい一冊。これを読むとパリを散策したくなること請け合い。
    本の中にパリの地図を挿入して欲しかったなと思ったり、フランスの歴史や文学、芸能に詳しければより一層楽しめるのかもとも思いました。でも知らない世界を知る喜びを味わえるのです。

    そして、この本にも秘密が…

  • 2003年から3年間、東京新聞に連載された記事をまとめたもの。

    鹿島さんのパリのあれこれエッセイ集なので、フランス文学好き!&パリ好き!にはたまらない一冊です。

    右岸左岸を行ったり来たり、季節の風物詩や、歴史、通り、広場、塔、バルザックやラシーヌなどの作家やその他の芸術家たち、
    スタイリッシュで知的な話がいっぱい。

    パリで一番道幅が狭い「魚捕りをする猫の通り」のことや、日本製のフランス人形のこと、モンマルトルの穴場・・・
    やはり、パリを楽しんだことがある読者の方が楽しめるのかもと思うが、
    パリを知らない人にもパリへの好奇心を覚えさせることだろう。

    パリといえば、
    セーヌ、エッフェル塔、オペラ座、バスチーユ広場、ルーブル美術館、サクレクール寺院、ノートルダム寺院、
    訪れたことのない人でもこれくらいは、パパッと浮かぶ。

    パリに何日か滞在すると、
    パリといえば、
    の思い浮かぶことがたくさん増える。
    そんな恋しいパリを、鹿島さんの本はぐぃっと近くに引き寄せてくれる。
    それは、鹿島先生がこよなくパリを愛しているからであり、私もパリを愛する読者であるからだと思う。

    鹿島さんは、パリといえば、を エッフェル塔とマロニエと敷石だという。

    本書の題名は、あとがきに書かれている
    パリはどんな無名のちっぽけな建物でも、かならず秘密がある。この秘密が、遊歩者を惹きつけてやまないのである。
    という発想から命名されたらしい。

    連載中は、パリに年に3.4回足を運んでいたという。
    鹿島さんがセーヌの風をふんわり閉じ込めた一冊となっている。

  • パリのあちこちに潜む小さな歴史を、名所から、あまりガイドブックにものらないような場所まで紹介した本です。一つの項目が短いので気軽に読めますがなかなかどうして面白いです。

    歴史の上に今の都市を重ね着しているようなパリですから、この調子で探せばもっとたくさんの逸話が出てくることでしょうが、あまり目に留められない部分が紹介されていて、もう少し詳しく自分でも調べてみたくなりました。

    私事ですが、パサージュ・ジュフロワの項は、自分が訪れた場所なので懐かしく、靴音まで耳に甦るようでした。

    歴史散歩を目的にしてパリに行くのもいいかもしれません。

    「明日は舞踏会」も良かったけれど、この本も親しみやすくてとても面白かったです。講義を受けている学生さんが羨ましいな。

  • パリにある建物などについて。古本屋の話が面白かった

  • 表紙の写真の女性が鹿島氏に見えてしかたない。

著者プロフィール

1949(昭和24)年、横浜に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。2008年より明治大学国際日本学部教授。20年、退任。専門は、19世紀フランスの社会生活と文学。1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞、04年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。書評アーカイブWEBサイト「All REVIEWS」を主宰。22年、神保町に共同書店「PASSAGE」を開店した。

「2022年 『神田神保町書肆街考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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