- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120038167
作品紹介・あらすじ
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるのだろうか。理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。角田光代が全力で挑む長篇サスペンス。
感想・レビュー・書評
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図書館で見かけてどうしてもまた読みたくなって借りてきた。
基本的に一度読めば満足するのに。
八日目の蝉は他の蝉が見られなかった景色が見られる。
見られたかな。希和子も。薫も。
どうしても希和子と薫がまた再会できる未来を祈ってしまうけど、絶対にそれは叶わない。
だからせめて幸せでいますようにと願いながら本を閉じた。 -
う〜ん難しい(*_*)
一つの作品として読ませるものはあった…
母性って何でしょね?
母性本能とか女にあるって誰が決めたのかな?
わたし子供2人産んで育てましたけど、母性ってだけで育てたと思ってないですよ。
そもそも不倫相手の男がクソですね。
不倫はわたくし全面的に否定はしませんけど。
誘拐と母性を一緒にしたらいかんでしょ!
円満な夫婦が2人が悲劇をお互い支え合って
一年後に子供をつくるならまだわかる。
この夫婦違うでしょ(*´-`)
って考えたら小説になりませんね笑
人生を狂わされた子供が可哀想です。
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2022/10/14
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2022/10/14
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2022/10/14
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社用で警察署に行って来ました(悪いことしたわけでもされたわけでもありません)
指名手配犯や行方不明者の写真が所狭しと貼ってあり、探しても見つからない人見つけられない人がこんなにいるんだなぁと妙に感心してしまいました
タイムリー(なのか?)に『八日目の蝉』です
角田光代さん初読なんですよね
初読でこれは失敗したな〜って思いました
これ、感動とかしないですよね
角田光代さんも感動させようと思ってないでしょうけど
特に1章はどこを切り取ってもプラスの感情は感じませんでした
希和子が薫に向ける無償の愛も嫌悪感の対象でしかなかったです
なにそれ?なにも共感できないしなにも肯定できない
2章を読んでも自分勝手な大人たちに人生を壊された二人の物語としか思いません
はたして『八日目の蝉』は幸せだったのか?
もし二人が『八日目の蝉』なのだとしたら「幸せ」としてはいけないような気がするのです
もちろんこれからは幸せになってほしいと思います
幸せな九日目十日目を生きてほしいと思います
思いますが八日目をわずかでも良しとすることは自分には受け入れられないのです -
なんとなく想像していたのとは全く印象の違う物語だった。
角田さんはやっぱりすごいなと思う。
何も言えなくなってしまうのだ。登場人物がしでかしたことに。
あらすじを聞いただけの時は、ひどいとか、こわいとか、言うことが出来た。
この物語の中の人達は本当にひどいことをしている。今だってそう思う。
でも、角田さんの文章を読むと、私には何も言うことが出来ないなと思ってしまう。
その人の不安、恐怖、葛藤、優しさ、弱さ、そういった自分ではどうにもコントロール出来ないものの波にのまれてしまう。
私も一緒に流されて、もがいてしまう。
どうにか逃げ出そうとするけど、呼吸をするので精一杯なんだ。
どうしたらいいのか分からないんだ。
そういうことが分かってしまうから。
「どうしてふつうにできないの」と責められるシーンがある。
その言葉は泣きながら発せられる。
「ふつう」なんてないことをきっとその人だって知っている。
自分が「ふつう」なんだと、きっとその人は思っていない。
でも「ふつう」になりたい。あなたには「ふつう」でいてほしい。そう願っていたのに…。
そんな想いが込められた言葉だと思った。
角田さんの小説は「ふつう」という概念をいつもひっくり返してくれる。
『八日目の蝉』を読み終えた今、「ふつう」じゃない人なんていないような気がしている。
人間て弱くてもろくて、流されちゃうのが「ふつう」なんじゃないだろうか。 -
『遠ざかれば遠ざかるほど、色鮮やかになる。人の記憶とは、なんと残酷なんだろう。』
希和子と薫を見ていると、何が「真の親子」なのだろうか?と考えさせられました。
希和子といると、住民票も戸籍もない状態なので、社会的身分が存在しないため、学校に通えないのは明らか、家族の元へ返されるのは合理的だと思います(そもそも誘拐ですし笑)。
ただ、その後の薫の苦悩から、本当にそれで良かったのかな?という思いもあります。
誘拐されなければ普通の家族で幸せになれたのでは?と思いたいですが、不実の父親とヒステリックな母親を見るに本当にそうなれたのか?という疑問も浮かび、(タラレバを言えばキリがありませんが)いろんな世界線の薫を想像してしまいます。
タイトルにもなっている「八日目の蝉」の解釈が、登場人物の前を向いていく姿を示していて印象的でした。
「…七日で死ぬって決まってるのに死ななかった蝉がいたとしたら、仲間はみんな死んじゃったのに自分だけ生き残っちゃったとしたら…そのほうがかなしいよね」
↓
「…八日目の蝉は、ほかの蝉には見られなかったものを見られるんだから。見たくないって思うかもしれないけど、でも、ぎゅっと目を閉じてなくちゃいけないほどにひどいものばかりでもないと、私は思うよ」
最後に、物語の舞台となった小豆島の描写が気に入ったので記録しておきます。
『(あの島で生まれる)子どもはきっと、凪いだ海を、浮かぶような島々を、風にはためくオリーブの葉を、高く澄んだ空を、目を開いてすぐに見るだろう、島に漂っていたお醤油のにおいを思いきり吸い込むだろう、そして安心するのだ、暗い場所から出てきた先が、自分を祝福するように美しいことを知って。』
一見して終始暗い話の中に、一筋の光をもたらす自然の力は素晴らしいなと感じました。
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泣けました。愛憎の定義とは何なんだろうか?
希和子の言葉に涙が止まらなかった。
「愚かな私が与えてしまった苦しみからどうか抜け出していますように。どうかあなたの日々がいつも光で満ちあふれてますように。薫。」
薫の朝ご飯を心配する希和子の姿。もう母親でしかない。
八日目の蝉の意味は薫と希和子の小豆島で愛に溢れた二人の生活と捉えました。
0章の茶化すみたいに、認めるみたいに、なぐさめるみたいに、許すみたいに。出会い。
そして、2章で二人の愛は正にそれと意味し祝福するかの様に瀬戸内海の海面が光かる。
小豆島の写真館で撮った同行二人の姿を思い浮かび涙が机に光かった。
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「ねえ恵理菜。あんたは母親になれるよ。ナントカさんて人と、いっときでも恋愛したんでしょ。自分が好かれてる、必要とされているってわかったんでしょ。だったら母親になれる」(P.319)
遠ざかれば遠ざかるほど、色鮮やかになる。人の記憶とは、なんと残酷なんだろう。(P.344) -
面白くて一晩で読んでしまいました
まだ頭の中をいろんなことがぐるぐる回っています。
と言っても、やっぱりこれは現実にはないと思います。
『日野OL不倫放火殺人事件』を元にしていますよね。
この加害者の気持ちはわかります。
でも不倫相手の子供を誘拐して、自分の子どもとして
愛して育てるっていうのは、ありえないと思います。
憎くて、嫌がらせで誘拐するっていうならわかります。
実際この被害者家族の心を酷く傷つけました。
「子供は3歳(5歳)までに親孝行の大部分をする」っていう説があるくらい、その頃の子供は可愛くて、その大事な時期をとりあげてしまったというのは大きいと思います。
でも希和子はそういうことを狙ったわけではありません。
赤ちゃんを自分のおなかで育て、胎動を感じ
その時期の大量なホルモンの影響で
母親らしい、子供を愛する気持ちが湧き出てくるのだと思います。
ですから、なかなか子供のできない女性とか
母親になる準備が充分できたのに死産になってしまったとか
そういう女性がどうしても赤ちゃんがほしいという気持ちはわかります。
中絶の延長線上に「この子の母になりたい」というのは
やっぱり不自然だと思います。感情移入できません。
でも、私にはそもそも不倫だって考えられないし
上の件を否定してしまったら物語は進まないわけだから
単に一意見として書きました。
小豆島に行ってみたいです。 -
どうしても誘拐犯を贔屓目に見てしまうのは何故だろう。被害者やその家族も一生辛い思いをしなければいけないのだろうが。
ブクログアワード受賞おめでとうございます( ^-^)∠※。.:*:・'°☆
読書量がすごくてびっくりです。
八日目の蝉...
ブクログアワード受賞おめでとうございます( ^-^)∠※。.:*:・'°☆
読書量がすごくてびっくりです。
八日目の蝉、再読したい作品ですね。希和子のしたことはいけないのに、逃避行を応援してしまいました。映画版もよかったです。
ありがとうございます(๑>◡<๑)
みなさんのおかげです♡
私芸能関係?疎くて映画化していたことも知りませ...
ありがとうございます(๑>◡<๑)
みなさんのおかげです♡
私芸能関係?疎くて映画化していたことも知りませんでした。。
そうなんです、ついつい希和子を応援してしまって。
ラストはお互い気付け!と思わず念じてしまいました。
映画版も今度観てみたいなぁ♪