川の光

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120038501

感想・レビュー・書評

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  • *平和な川辺の暮らしは失われた。晩夏、安住の地を求めてネズミ一家の冒険が始まる。足元で脈動する世界に優しいまなざしを向け、柔らかい魂の手触りを伝える物語*

    ずいぶん前に読売新聞の連載で読みましたが、当時は毎日続きが気になって気になって。ネズミ一家の話ですが、犬や猫、もぐらや雀など個性豊かな動物たちも魅力的です。タータにチッチ、頑張れ!と何度も手に汗を握る展開、あたたかい読後感、全てが素晴らしいお話です。

  • ★2008年3月15日 20冊目読了『川の光』松浦寿輝著 評価B+

  • 読売新聞の夕刊に連載された小説。今、朝刊に「川の光2」が連載されている。続編らしい。それを妻に読み聞かせてもらっている子供たちが、前の話も知りたいと言うので、自分で読めるのかしらと思いながらも買った。さすがに下の子は無理だが、上の子は最後まで読んでしまった。お気に入りの犬と猫(ゴールデン・レトリーバーとロシアンブルー)が登場するので、頑張ったらしい。妻も上の子もおもしろいと勧めるので、読んでみた。確かにおもしろかった。毎日、通勤電車の中でわくわくしながら読み、時折ほろりとさせられて困った。子どもの頃、「グリックの冒険」や「冒険者たち」を、やはりわくわくしながら読んだことを思いだした。そちらの内容は、すっかり忘れてしまったが。

  • もし私が十歳くらいで、初めて小さな活字の、ちょっと大人っぽい雰囲気の分厚い物語を読む子どもだったら、きっと夢中になってこの本を読んだに違いない。

    生まれ育った川原を、暗渠化する工事が始まり、離れなければならなくなった、クマネズミのタータとチッチ、そしてそのお父さんの、新しい住処を探す冒険譚だ。
    途中、ドブネズミ帝国や一匹「狼」のイタチなどの攻撃におびえながら。
    また、ゴールデン・レトリーバーのタミーや、雀の夫婦、モグラのお母さん、猫のブルーに助けられながら。

    ただー。
    もう十歳くらいの子どもがいてもおかしくない年齢になってしまった私にとって、悲しいことに、どこか既視感を覚えてしまう。

    それでも、この小さなねずみたちの中にある強さには心を打たれる。
    そして、明るさや音やにおいが、この小さな生き物たちにどう感じられているかという想像力の冒険もできる。
    大人になってから読んだから感じられることもある、と信じたい。

    今年の実質的な「読み初め」となった一冊。

  • あの老クマネズミは一体どうやって先にあの新天地にたどり着いたんだろう?しかも一匹で・・・

  • 平和な川辺の暮らしは失われた。
    晩夏、安住の地を求めてネズミ一家の冒険が始まる。
    足元で脈動する世界に優しいまなざしを向け、柔らかい魂の手触りを伝える物語。

  • [ 内容 ]
    <1>
    平和な川辺の暮らしは失われた。
    晩夏、安住の地を求めてネズミ一家の冒険が始まる。
    足元で脈動する世界に優しいまなざしを向け、柔らかい魂の手触りを伝える物語。

    <2>
    進め!
    小さく弱く、勇敢な者たちよ。
    囚われの身となったゴールデン・レトリーバーを奪還するべく、大小7匹の動物チームが、東京大横断の旅に出た―イラスト多数・折込地図付き。

    [ 目次 ]
    <1>


    <2>


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • "緑が森ってどこだろな♪"って歌いたくなる、、ロッキーチャックは山ネズミかぁ。この物語は"川の光を求めて!"、お父さん・タータ・チッチのクマネズミ親子の旅なる大冒険…純粋にワクワクさせられ童心に還るヨ♪登場キャラもスゴく可愛いし、頑張れ!頑張れ!!って応援してしまう。

  • ネズミのタータとチッチ、そしてお父さんが新しい住処を求めて大冒険
    新聞に載ってたを思い出して。ネズミはもちろんモグラやスズメなども出てきて可愛らしいかんじです。子どもが喜びそう。

  • 川原に住むねずみ一家が、川の暗渠化工事のために、新しい住処を求めて旅する話。

    ねずみの目線に立ってよくぞ書いて下さったと感心します。
    人間が100年に一度起こるかどうかの洪水の被害をなくすために、堤防をつくったり川を暗渠にすると、動物の動線が寸断されて、大変な目に合うんですよ~って警鈴を鳴らしている作品でもあります。

    人間は自然の一部なのか否か、考えされられますな~

著者プロフィール

1954年生れ。詩人、作家、評論家。
1988年に詩集『冬の本』で高見順賞、95年に評論『エッフェル塔試論』で吉田秀和賞、2000年に小説『花腐し』で芥川賞、05年に小説『半島』で読売文学賞を受賞するなど、縦横の活躍を続けている。
2012年3月まで、東京大学大学院総合文化研究科教授を務めた。

「2013年 『波打ち際に生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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