シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120040283

感想・レビュー・書評

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  • 羽生や佐藤、渡辺たちのトップ棋士の考えていることが、もちろんその一端ではあるだろうが、伺えて大変興味深い。当たり前だけど、将棋は二人で指すものだから、一人の天才だけで素晴らしい作品は生まれないんですね!

  • 将棋関係の本は良質のものが多いが、この本は棋士が書いていないと言う点は異質だが、逆にだからこそ、将棋の面白さや奥深さを、一般に知ってもらいたいという意図が出ていると思う。

    普段見ることや共有することがない、タイトル戦の対局場に出向き、対局をライブで見て、雰囲気を共有しているだけに、迫力がある。

    高速道路論は初めて知ったが、確かに色々な業界で通用することだと感じた。

  • やっと読み終わった。将棋、確かに観戦する楽しみぐらい出来るようになりたいかも。

  • 梅田さんによる将棋話。

    もちろん将棋を知っている方が内容がわかりますが、
    将棋のルールを知らない人でも読めるかと思います。

    佐藤康光好きとしては話に取り上げられていて嬉しい。

    もっと将棋ファンが増えて欲しいです。
    自分では将棋を指さないけど、見るのは好きというファン大歓迎。

  • 「Web進化論」などでおなじみの梅田望夫氏が観戦者の立場から将棋の対局や棋士(主に羽生善治氏)を取材したものを中心に書かれた本である。

    この本を読んで一番印象に残ったのは、やってる者の感覚や緊迫感、集中度などは観戦者から見えるものとは違ったものであるという事だ。
    実際に対局した棋士が振り返って見た視点には観戦するだけには分からないものがいろいろとある。そういうのを知ると将棋の楽しみ方が更に広がるのではないかと思う。それは将棋だけではないんだけどね。

    将棋を通じて、観る事の奥深さを知る事のできる一冊ではないだろうか。

  • はてなのプレゼントで頂きました。 http://d.hatena.ne.jp/masakanou/20090911/p1

  • 梅田氏の本。2009年。将棋好きの著者が、将棋全般や戦局について、また、棋士とのインタビュー内容についてまとめたもの。この本からわかるのは、著者が本当に将棋好きであること。棋譜の説明やそのときの考えなどを棋士にインタビューしているところが興味深い。また、戦局をウェブ上でリアルタイムで公開する、リアルタイム観戦記というチャレンジが特に面白い。これによって、ウェブを活用した新しい将棋の形が創られた。
    概ね面白いのだが、素人には棋譜がイメージしづらいところがあるので、星3つ。

  • モッチーの本で一番面白いよ。
    将棋というゲームの賞味期限について、シリコンバレーから見るがゆえに冷静に解析してる。

  • やっぱ将棋すげえ。
    羽生さん、かっこいい。

  • 梅田望夫の新刊
    『シリコンバレーから将棋を観る 羽生善治と現代』を読む。
    梅田の書くことについてのサバティカル宣言があったから、
    このタイミングで新刊を読めるのは僕には僥倖だった。

    この本は梅田がこれまで書いてきたどの本とも違う。
    そもそもが梅田の趣味であった「将棋鑑賞」と、
    現代将棋界をリードする棋士たちとの
    梅田の私的交流から生まれた本なのだ。

    僕は自分の仕事をする際、
    棋士たちの考え方、行動の仕方をおおいに参考にしてきた。
    大山康晴、中原誠、米長邦雄に始まり、
    谷川浩司、羽生善治、渡辺明。

    広告の企画制作の仕事と、将棋の仕事は、
    頭脳スポーツのパフォーマンスという点で共通点があるのか、
    迷ったとき、考えあぐねたとき、
    彼らの一言一言は実に重みがあり、僕の羅針盤となってくれた。

    梅田望夫が棋士たちの発想を
    自分の仕事や生き方に取り入れていたことは
    彼のブログなどを読んで知っていた。
    しかし、この著書を読んで、
    将棋の進化とウェブの進化をつなぐ道が地下水脈のように、
    これほど確かに結ばれていることを証明されると
    僕の感慨もひとしおだった。

    僕も将棋を指さない将棋ファンであった。
    棋譜を観ても、それによって想像力を刺激されるほど
    将棋に詳しい訳でもない。
    けれど、梅田の著作を読み、将棋の駒を一揃い購入して
    現代将棋の最前線にいる棋士たちの指す将棋を並べて
    彼らの思考過程を追ってみたい意欲が湧いてきた。
    そうか、「将棋鑑賞」という道があったのか。

    この本をまずは通読して一番印象に残ったのは、
    「第七章 対談ー羽生善治x梅田望夫」のこんなやりとりだった。

      梅田 この十年では特に、本当に未知の局面で、最善手、
         またはそれに近い手を思いつける能力のある人が
         有利になったということなんでしょうか?
      羽生 いや……やっぱりその、
         いかに曖昧さに耐えられるか、
         ということだと思っているんですよ。
         曖昧模糊さ、いい加減さを前に、
         どれだけ普通でいられるか、
         ということだと思うんです。

                         (pp.244-245)

      羽生 (前略)全体に流れが起きたのは、
         本当にここ最近のことです。
         あの……何と言えばいいのか、
         今の私たちがやっていることって、
         ある種、学術的な感じもするときがあるんです。
         棋士の人たち、ゲノムかなんかの解析を
         やってるんじゃないか、
         と思うときもあります。
      梅田 そう、そう! 研究者集団のような側面は
         ありますよね。

                         (pp.270-271)

    梅田はこの本でまたしても前代未聞のことに挑戦した。
    すなわち、この本を外国語に訳して発表するとき、
    どの言語に訳す際もいっさい著作者の了承を得ずにやって構わない
    と自身のブログで宣言したのだ。

    おそらく将棋のグローバル化のために自分ができる、
    もっとも有効である戦略、方法を選択したのだろう。
    この決断は素晴らしい。
    こうした試みが点から線、線から面につながっていくことで
    世界による将棋の再発見が起こることだろう。

    と、ここまで書き終えたところで
    梅田のブログに行ったところ、事態は急展開していた。
    梅田がブログで宣言した4月20日からわずか15日。
    英訳、仏訳プロジェクトがすでにスタートして
    その進捗が確認できるのだ。
    英訳に至っては、この連休中に第一稿の下訳を
    自主グループで完成してしまった!

    このプロジェクトによって
    Web2.0におけるオープンソースの力の凄まじさを
    またも僕は知ることになった。
    群衆の叡智による、このスピード感ときたらどうだろう。
    情熱を原動力に僕たちはまだまだ未知の領域を開拓できるのだ。

    (文中敬称略)

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