優しいおとな

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 177
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120041501

感想・レビュー・書評

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  • とてもうつくしくて愛おしい

  • 好き!この本、凄く好きだぁー!

    これ、日本?て思ってしまう。

    イオンが色んな状況の中に、一つ一つ感じて行く「感情」。 その感じ方が切なく悲しくなる。 「優しいおとな」「優しくないおとな」分からない愛情、知らない優しさ、目から落ちる涙の意味。

    辛く、辛すぎるストリートチルドレンの生活。

    暗闇しか知らない。普通が分からない。

    モガミの優しさを感じ

    守る強さを身に付け

    陽射しの眩しさを知る。

    これから・・・これから・・・だったイオン。

    余りに酷なイオンの短い時間。
    私好みの一冊でした。

    イオンが愛しくてたまらなかった。

  • 苦しい物語でした。
    Street Childrenのイオンが、拠り所を見つけては失い、彷徨う。
    ホームレスであふれかえった、 秩序の崩壊したトーキョーの描写が生々しい。
    地続きの、すぐそこにあるフィクション。

  • 表紙といい、中にもかっちょいいイラストがたくさんあって、桐野夏生っぽくない、と思ったら、読売新聞土曜朝刊の連載だったそうだ。新聞でこんなかっちょいい絵を使うなんて。素敵だわ。適当に借りた本だったから、読まずに1回返そうかと思ったけど、読んで良かった。少年ホームレスも多い、スラムのような格差社会。近未来をイメージしているのか。まさか、とは思うけど、ほんとにこうなったらどうしよう、と思う。自分的にはモガミに一番近い立場かと思うけど。参考文献に、我が愛読書・「カルトの子」が出てて、おぉーと思う。同じ人の「洗脳の楽園―ヤマギシ会という悲劇―」も出てた。そうだよな。イオンの育ったという照葉もヤマギシ会と同じような感じだもんな。つーか、ヤマギシ会だって、本来はこういう照葉のような志だったんだろう、と推察する。しかし、実親に虐待される子、とらわれる子も多いわけで。親が万能だとは思わないけど、やっぱり子どもは愛着を持てるように、大切に育てられてほしいと思う。つくづくTを思う。やはり私も自分の子を産むべきか。

  • 装丁と帯に惹かれてずっと買いたかったハードカバー。

    想像以上に良かった。

    桐野さんの最後の望みさえ叩き潰されてもうどうすんの…!!
    って感じからちょっとだけ浮上して、でもどうしようもなく終わるのね。

    ラストは泣きました。
    久々に本読んで泣いた。

    いい話だった…
    桐野さんの癖のある話のかんじが良い。他も読みたいな…。

    モガミ…錫…

    いい買い物した!!

  • 他人のレビューを見てみると、入り込めなかったなどの言葉がいくつかあったが、私はそんなことなく自然と話しに入っていくことができた。それは、私がイオンと同じ子供だからなのか、同じように優しいおとなを探しているからなのか。とにかく私にとって大切な本の一冊になった。
    スカイエマのイラストとてもいい感じ。

  • ストリートチルドレンのお話。
    タイトルと帯にひかれて読みました。
    主人公の堕落と成長、人との出会い。
    気持ちのいい話ではありませんが、感ずるものがある一冊でした。

  • ホームレス少年とおとなのはなし。読み終えてどうしようもない気持ちになった。何回も読みなおして泣いた。桐野夏生の本を読んだことはあまりないけれど、桐野夏生らしくないところが、この本のいいところだとおもう。

  • 家族愛⁇の悲しい話し。

  • 新聞で挿絵が気になってわざわざ問い寄せてもらって読んだかいがあった内容でした。主人公が次第に成長していくのが凄く読んでいて楽しかったです。

著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

桐野夏生の作品

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