空より高く

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 121
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120044236

作品紹介・あらすじ

廃校が決まった高校の、最後の生徒として入学した僕ら。平凡な毎日は、熱血中年オヤジ・ジン先生との出会いによって一変した……。今を生きる全ての人に贈る、まっすぐな青春賛歌。

感想・レビュー・書評

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  • このお話は3月で廃校してしまう学校の最後の生徒たちの物語。面白かったし、本のページが青いのが特徴的です。(見た目)

  • 本の装丁が綺麗♪側面も表紙と同じ青色で珍しい。
    廃校前のトンタマ(東玉川高校)に赴任してきた熱血ジン先生と主人公のネタロー、ヒコザ、ドカ、ムクちゃん達とのお話。
    ピエロさんとの出会いを通じて学園最後の思い出作りに何だか遠い昔を振り返りキュンとなった。
    冷めてる先生方の中でジン先生の一言が、時代を感じさせられ可笑しくそれでいて、青春とはこうあるべき!って何だかとっても共感できて良かった。
    「ガキの頃の思い出の数は、オトナになってからの何十年よりずっと多い。一日一日の密度も濃い」とネタローのお父さんの言葉も良いね。

  • 初出 讀賣新聞夕刊(2005年3月~11月)単行本化に際し大幅に加筆。


    久々に手にとった重松新刊作品。重松作品、以前は発売日に買って胸を高鳴らせながら読んでいたのが本当に懐かしく思いました。
    廃校が半年後に迫ったニュータウンにある東玉川高校、通称トンタマで学ぶ高校生四人組の半年間を綴った物語。
    例えば近年の重松作品の傑作と言われている『とんび』のように圧倒的な感動を求めて本作を手に取ると肩すかしを喰らうかもしれない。
    重松さんの他作のようにある問題提起(たとえばリストラやいじめ)を読者に投げかけるとか、そういうスタンスで書かれた作品じゃなく、いろんな問題(社会的な問題、家族の問題、恋愛)を重松さんなりに人生の通過点として青春小説として無難にまとめた作品のような気がする。
    上記以外の登場人物でもっとも個性的であると言えるジン先生のキャラもそんなに際立ったものだと思えないが敢えてそう書いているのでしょう。
    そのあたり新聞連載ということも影響しているのかなと思ったりもする。

    紅一点のムクちゃんはネタローにはもったいないような気がすることをつけ加えておきたい、男性読者の方是非確かめてください(笑)
    重松さんの作品の中では爽やかな作品だと言えるかもしれないが、多少主人公であるネタローがはっきりしない奴だなと思って読んだ読者も多いだろうと推測する。
    ただ、仲間の大切さを謳っている点では読者に伝わることは間違いのないところであり、涙頂戴なしでも筆力の高さを窺い知ることはできますがたとえば重松作品を20冊以上読まれているような方には物足りないと感じるかリラックスして読める作品なのでしょう。
    作中で何度も使われる“レッツ・ビギン!”という言葉に集約されるように、どちらかと言えば、中年読者が過去を懐かしく振り返るような作品と言うより、若くて夢のある読者の背中を押してくれる作品だと言えそうですね。
    私は少しビターで爽やかな青春小説としてまずまずの評価をしたいと思う。
    そして未読の重松作品も手にとりたいなと思っています。

  • なんだかんだと言いながら、舞い戻った故郷仙台の図書館活用システムにようやく慣れつつある。
    おかげで、最新作にもかかわらず、発売後1週間(予約後1週間!!)で借りられるという快挙。
    東京在住時でさえなかったことだ。
    手にした本も、心なしか新しい紙の匂いが感じられる。

    さて、久々の重松清作品。
    一昨年の秋、嵌りに嵌って立て続けに10冊以上彼の作品に没頭。
    「その日の前に」「君去りしのち」「疾走」「カシオペアの丘で」など心に響く名作ばかりだった。
    それ以来だから2年近いご無沙汰だが、今回も同様、読後感の良い作品だ。
    2005年、読売新聞夕刊に連載されたものらしいが、何故に単行本化されるのにこれほど時間がかかったのだろう、不思議だ。

    重松清。生と死、オトナと子供に真正面から向き合い、問題提起する。
    オトナなんて高校生から見ればみんなカッコ悪いんだ。
    カッコいいオトナを目指し、カッコ悪い大人にはなりたくないから、若者は未知の世界に向かって旅をする。

    一所懸命に生きてもカッコ悪いことはある。
    一所懸命になればなるほど、どんどんカッコ悪くなることだってある。
    それでもまっすぐに。ひたすら真っ直ぐに。
    そう生きていける時代。年頃。
    信じられるものがあって、誇りを持てるものがあって、それを支えにまっすぐに。
    青春なんて言葉はとても気恥ずかしくて口には出せなかったけれど、今思い返せば、あれはやはり青春と呼べる時期だったのだろう。
    未来を信じ、夢を描き、希望を抱いて、一生懸命生きていた。
    若いということはなんと素晴らしかったのだろう。
    あのまっすぐな気持ちをいつまでも抱き続けたいと思う。

    NHKの朝の連続ドラマ小説にベッドシーンが出てこないように、主人公ネタローとムクちゃんの付き合いにも今どきの高校生らしい恋愛シーンは登場してこない。
    でも、それでいいのだ、この小説は。
    新聞の連載小説だからというのではなく、僕とムクちゃんはそういう関係なのだ。
    純粋なのだ、真面目なのだ、まっすぐなのだ。

    『卒業』に向かって新しい世界への旅立ち。レッツビギン!! 過去との決別。
    もっと飛べ。もっと高く。もっと遠く。空より高く。

  • 本当にさわやかで清々しい気持ちになった。
    こんな重松清もあっていい。
    ストレートでよかった。

    「レッツ・ビギン!」

    30半ば過ぎの2児の父親だけど、この言葉心に響いたな。

    ネタローと親父の関係も良かった。

  • 重松さんの作品なので、期待して読んだけど
    アレって感じでした。泣けるのかと思いきや
    廃校が決まった高校生の青春ストーリーでした。
    もう一ひねり欲しいかな.

  • 重松清さんの作品は泣きながら読むことが多いけれど、
    今回はどころどころでウルウルしつつ、読み終わった直後に
    うわぁぁ~っ!と涙が出た。こういうのは初めてかも・・・

    で、内容とは関係ないけれどやっぱり指が青くなります~

  • 3月で無くなる高校に通う高校生の青春物語。
    青春っていいなぁ

  • おもしろかった!

    閉校してしまうトンタマの生徒たちの青春がつまってる!
    あったかくて懐かしくて羨ましい気持ちが蘇りました。

  • なんか久しぶりに重松さんの
    コテコテの青春小説を読んだ気がします。

    廃校が決まっている東玉川高校に卒業生である、
    熱血臨時教師が「レッツ・ビギン!」を合言葉に赴任してくる。
    最後の生徒達と熱血教師が織りなす青春物語。

    良い言葉がたくさん出てきて、
    自分の青春時代を思い出しながら読みました。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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