- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120044618
作品紹介・あらすじ
気がつけば、しなくなっていた。心ならずもつのっていく妻と夫の鬱屈。微笑みより苛立ちが多くなり楽しみが義務になりかわって-切実ゆえに笑いを誘う大人の辛口コメディ。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
不倫を書かせたら江国香織と井上荒野の右に出るものはいないんじゃないかと思う。江国さんの不倫はふわふわしていてオブラートにくるまれているような感じだが、井上さんの不倫は常に不穏な空気が漂っている。
この作品もまたしても不倫。
結婚生活15年目のセックスレス夫婦はダブル不倫をしている。お互いの愛人の存在も知っている。
ある日、妻が愛人の存在を夫に問いただしたことから事態は大きく変化し、なぜが愛人を囲んでお酒を飲んだり、最後には四人でキャンプに行く羽目に!
今回の作品はいつものようにざらっとした感じが全くない。むしろあっけらかんとしている。帯にもコメディって書いてあるし。
うーん、ちょっと悪趣味かな。
一昔前のトレンディドラマみたいで、主人公の夫は石田純一かはたまた三上博が演じそうな頼りない男に見えてくる。
井上さんの描く不倫が突拍子もないのはいつもの事だけど、今回のように正々堂々とされちゃうと、ゾワゾワとした空気感が失われて軽くなりすぎちゃってる感がある。
「キャベツ炒めに捧ぐ」みたいに不倫をテーマにしてない作品ならコメディタッチも良いけれど、不倫にコメディはちと失敗だったか。残念な作品。 -
すごい!こんなストーリーが書けるなんて、井上さんやっぱり大好きだ!
結婚して15年が経ったセックスレス夫婦の伽耶と匠。お互いに恋人がいるダブル不倫の状態で、さらにその存在を認めてしまっている。
夫の恋人と連絡とったり、3人でご飯たべたり、しまいには4人でキャンプに行く事になったりと。
あり得ない、普通は不倫がバレた時点で修羅場と化すところでしょ。
ただ、違うんです。小説だからなんでも有りなんです〜って、そういう設定なのかといえばそうでもないんですこれが。
確かにちょっと笑えて、軽いコメディぽい雰囲気はあるんですけど、夫婦って、こういうものなのかもしれないなんて思えたんです。
あ、不倫する事じゃないですよ。
日常の空気感とか、気が付いたらお互いの気持ちが通わなくなってたり…気が付いたら相手の考えてることが分からなくなってたり…気が付いたらセックスレスになってたり。
もうこうなるとお互い探り合いで素直になれない、一番身近で大切な存在な筈なのに何故か冷めた関係になっちゃってて。
なんか切なかった〜、けど少し感動もしました。
こんなん言ってるの私だけかな?ブクログのレビューも低めだし。
ズレてるかもしれないけど、私は好きでした。
うん、すごく良かった。-
「あり得ない」
から、小説になるのかも知れませんが、、、きっと再生と言うか、繋がりを簡単に切らないコトの良さを、やんわり書いているような気...「あり得ない」
から、小説になるのかも知れませんが、、、きっと再生と言うか、繋がりを簡単に切らないコトの良さを、やんわり書いているような気がします。。。2014/11/07 -
>猫丸さん
こんにちわ。コメントありがとうございます。
繋がりを簡単に切らない事の良さ、ほんとそう思います。縁あって夫婦になったふたり、...>猫丸さん
こんにちわ。コメントありがとうございます。
繋がりを簡単に切らない事の良さ、ほんとそう思います。縁あって夫婦になったふたり、そう簡単に切れるものでもないですもんね。2014/11/10
-
-
図書館借り出し。
いいねーとてもリアルに伝わった。
体験しないとこの本は心地よくないかも。
図書館に返却してくるか。 -
夫婦とそれぞれの恋人で行くキャンプなんて地獄じゃん…となりながら読了です。4人それぞれの気持ちが手の上にあるように書いてある…
-
結婚して15年。子供はいない。
お互いに興味を失い、お互いに外に恋人をもっている。
ならば別れちゃったらいいだろうと思うのに。。
奇妙な4人キャンプを経て、夫婦の出した結論は。
結局そうなっちゃうんだねー
ちょっと興醒めというか(›´-`‹ )
なんとなく外側の女性の目線で読んでしまい、虚しい気持ちになりましたー。世の中そんなもんだよ、ってことかな。 -
ドラマを見ているようだった。
水曜、10時 TBSって感じかな。
軽い感じで読めた。
でも、軽くもないかも。
夫婦って、そこに”何もなくても”試される時が来ると夫婦の底力が発揮されるのかな。
何もなくてもずっと同じ空間にいるってことは、
すごいことなのかもしれない。
夫婦としてスタートした最初の時点での変な熱い気持ちは今はどこへ?
話したいことが次から次へと湧いてきていた気がするけど、今は話を聞いている時は、「まだ終わらないかな?」と思っているし、話さなければならないことがあると、「あー、おっくう…」と必ず思っている。
帰りが遅くてもさびしい気持ちはもうどこにもないし、
一人にされているなんて感覚は全くないし、
責めるような気持ちもなければ、期待することもない。
抱き合うなんて、もう信じられない(笑)。
愛と間違えられたそれはどれだったかな?
正しい愛はそれだったのかな?
読む人それぞれで違うのかもしれないね。
「それを愛とまちがえるから」って題名からはもっと重いものを想像していたけど、結果、軽くてよかった。読書が楽しめたから。
夫婦とそれぞれの恋人といくキャンプって面白いのかもしれないな・・・とくすくす笑いながら、時折深く考えつつも、軽い読書時間を楽しめた本でした。
次は、井上荒野さんの作品では、つやの夜を読もうと思う。 -
妻、伽耶(かや)41歳、夫、匡42歳。
結婚15年で子供ナシ。
15年ともなるとドキドキというよりは家族として安心感のほうが強く感じられて普通じゃないか。
子供がいないのでいつまでも恋人気分を味わいたいという気持ちもわかるけど…。
が、ふたりともそれぞれに愛人がいるとは!?
友人としてなら別に文句も言わないけれど、肉体関係アリというのはいたとしても知りたくないやね〜。
ドキドキも時には必要なのか。そうか、安心ばかりしてられないんだな。 -
ナンセンス!!!とんだ茶番だ。妻「あなた、恋人がいるでしょう」夫「君こそ、恋人がいるだろう」妻「そうね、ウフフ」夫「そうだね、ハハハ」妻「4人で仲良くやっていきましょう♡」...脱力。超~超超超~面倒くさい妻と何もかもがダサい夫。それに付き合う愛人たちも大概だが、一番妻の存在がキツかった。ありえないぶっとんだ話ながら要所要所で妙なリアリティがあり、この妻と自分の境遇が微妙に被るため「この妻を反面教師にしよう」と固く心に誓った。かなりイラついたが何となく面白いような気もするし、不思議な読後感だ。装丁も好き。