高等教育の時代 上 - 戦間期日本の大学 (中公叢書)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120044885

作品紹介・あらすじ

2つの大戦に挟まれた20年足らずの間に、急速な「大衆化」へ向けて歩み始めた日本の高等教育。大学・高等学校・専門学校など、強い個性を持った多様な高等教育機関の生成・発展の過程の全貌を、膨大なデータを駆使して活写する。

感想・レビュー・書評

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  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB12122695

  • 天野さんの仕事の量と質には、舌を巻くばかりだ。
    大正時代にすでに、官セクターの出し渋りに対して、私学セクターが勃興し、戦後のマス教育への道を開いたという話。
    制度とシステムの比較。国際的な視点。

  • 歴史
    教育

  • 前作『大学の誕生』では旧制大学誕生までの物語を重厚に描いていた。本書『高等教育の時代』では、旧制から新制直前、すなわち第一次~二次世界大戦期を挟んだ「戦間期」を扱っている。この時期における日本の高等教育の体系的整理はこれまでなかったという。実際、旧制の高等学校・大学(予科含む)・専門学校という高等教育機関に関する情報は断片的な理解にとどまっていた。

    この本を読む目的の一つは、現代のユニバーサル化された大学の源流を理解することだろう。この旧制の高等学校・大学(予科含む)・専門学校といった、3系統の主題を串刺しして奏でられる壮大なカノンは、関係者必読のものといえる。

    上巻の高等教育システム構造の説明は、これまであやふやだった各・大学・学校種の系譜がクリアになった。個人的には、修論で歴史にふれるパートを執筆する上で、留意すべき点が明らかになった。特に女子専門学校の流れは、新制大学の学芸学部や家政学部になっている点や、とりわけ「裁縫」の扱いの理解は収穫だった。

  • 1.天野郁夫『高等教育の時代(上) 戦間期日本の大学』中公叢書、読了。日本高等教育史の三大転換は、帝国大学令、大学令、戦後の大学改革。本書は、大学令以降、戦後改革までの高等教育の推移を概観する一冊。

    2.天野郁夫『高等教育の時代(上) 戦間期日本の大学』中公叢書。高等教育とは大学教育と同一視されるが、戦前日本ではそうでない。大学以外の様々な高等教育機関が専門的な役割を担ってきた。対して戦後日本はそれを「大学」が丸抱えしてしまう。

    3.天野郁夫『高等教育の時代(上) 戦間期日本の大学』中公叢書。戦間期高等教育は棲み分けの「多様性」がその特色。大学の今を理解し、その未来を考える上で、本書は考えるヒントとなる。

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著者プロフィール

1936年神奈川県生まれ。一橋大学経済学部・東京大学教育学部卒業。東京大学
大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。名古屋大学教育学部助教授、東京
大学教育学部教授、国立大学財務・経営センター研究部教授などを歴任。
東京大学名誉教授、教育学博士。
著 書 『試験の社会史』(東京大学出版会、1983年、サントリー学芸賞受賞;
     増補版、平凡社ライブラリー、2007年)
    『高等教育の日本的構造』(玉川大学出版部、1986年)
    『学歴の社会史』(新潮選書、1992年、平凡社ライブラリー、2005年)
    『日本の教育システム』(東京大学出版会、1996年)
    『日本の高等教育システム』(東京大学出版会、2003年)
    『教育と選抜の社会史』(ちくま学芸文庫、2006年)
    『大学の誕生』(上下、中公新書、2009年)
    『高等教育の時代』(上下、中公叢書、2013年)
    『新制大学の誕生』(上下、名古屋大学出版会、2016年)
    『帝国大学』(中公新書、2017年)他多数

「2019年 『新制大学の時代 日本的高等教育像の模索』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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