オルセーはやまわり - さっと深読み名画40~印象派の起源からポスト印象派まで~

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120046261

感想・レビュー・書評

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  • オルセー美術館を鑑賞する際に、2時間ほどで回れる傑作をセレクトした一冊。
    その厳選された作品、それぞれの絵のポイントや画家のドラマ、名画の背景などが丁寧に説明されており、オルセー内のおすすめレストラン情報も載っていてお得なオルセーガイドと言える。

    オルセーは印象派のイメージが強いが、著者が「19世紀後半の激動の絵画史の迷路」と言うように、意外にもアングルなどの歴史画も多くあり、また、バルビゾン派のミレーやコロー、写実主義のクールベ、象徴主義のモロー、シャバンヌ、ルドンなどの作品も多くあるという。
    つまり、私の好きな時代の絵が凝縮されているということだ。

    いつか行った時に絶対見たい絵をメモしてみた。

    ミレー「落穂拾い」
    マネ「笛を吹く少年」「草上の昼食」
    クールべ「オルナンの埋葬」
    (クールべは、著者の有地さんが最も好きな画家とのこと)
    ラトゥール「バティニョールのアトリエ」
    (今回この本を読んで気になった画家は、ラトゥール。印象派たちと同世代で仲良くしながらもバロック時代の作風を得意とし、伝統的技法を貫いた人物で、こちらの絵は、私の好きなベラスケスのラスメニーナスから影響を受けたと言う)
    モネ「ひなげし」「日傘の女」「青い睡蓮」
    シスレー「ポールマルリーの洪水」
    モリゾ「ゆりかご」
    カイユボット「床に鉋をかける人々」
    ルノワール「ムーランドラギャレットの舞踏会」「都会のダンス」「田舎のダンス」
    セザンヌ「林檎とオレンジ」
    ゴッホ「星降る夜、アルル」「アルルのゴッホの寝室」「オーヴェールの教会」
    スーラ「サーカス」
    ドガ「エトワール」
    ルソー「蛇使いの女」
    アングル「泉」
    モロー「オルフェウス」

    これらの作品を見終わった後は、有地さんオススメの、オルセーのすぐ前のセーヌ河の岸辺にある木の階段に腰掛けて休憩したい。ここからは、ルーブルも見えるとのこと。
    パリでの夢がまた増えました。

    そして、オルセーは、私が一番行ってみたい美術館と確信。

著者プロフィール

■有地 京子(アリチ キョウコ)
早稲田大学を卒業後、フランスに語学留学。本職は画商。
フランスパリの伝統あるオークションハウスで、長年実践で磨いた目による斬新な角度からのわかりやすい名画解説が特徴。
モットーは「名画を理解するには背景が一番大切」。名画の背景の面白い歴史や画家のドラマに焦点を当てるように心がけている。
現在JR東日本大人の休日趣味の回、三越カルチャーサロン、リビングカルチャー倶楽部、日経カルチャー、三越バス旅倶楽部などの講師を務める。

「2020年 『マンガでわかるロンドン・ナショナル・ギャラリーの見かた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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