をちこちさんとわたし

著者 :
  • 中央公論新社
3.22
  • (2)
  • (5)
  • (12)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 68
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120046957

作品紹介・あらすじ

気難しがり屋の男と記憶を持たない女の、ちぐはぐで、へんてこで、それでいて穏やかな日々。しかし、やがて明らかになる「ほんとうのこと」は、かげろうのように見え隠れする平凡な幸せを、容赦なく遠ざける。やさしい嘘つきたちの、淋しさをめぐる物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 記憶を忘れてしまったわたしと、わたしの生活を提供してくれる一緒に住む遠近さん。

    わたしは菊と呼ばれ、しばらくの間は遠近さんの一軒家から出ることを禁じられていたけれど
    徐々に、彼の友人で夕食を食べにくる初瀬や、電車で会いに行った標常葉【しるべときわ】さん。

    誰もが菊を見ると薄気味悪いものを見たかのような反応をし、菊を誰かに似ていると言った。

    初めは自分は幽霊だと思っていた菊だったが
    カナブンのブイブイさんとの交流、時折記憶によみがえる自然の風景と、遠近さんの思惑。

    菊はオオカミだった。

    遠近は、標常葉と恋人関係だったが、絵の才能がある妹のもちと関係を替え、
    もちに恋愛感情を抱いていた友人の初瀬の気持ちを踏みにじった。
    もちは遠近を残したまま亡くなり、彼女の面影だけを追いかけた遠近がしたことは、オオカミを使ってもちを甦らせること。

    誰の気持ちも、誰にも変えられない。
    その人はその人しか、いない。
    誰もが失ったものの空洞を抱えながらも、寄り道をしても、それでも生きていく感じ。悲して切ないけれど。

  • 不思議な気持ちになりながら読んだ。結局なんなんだろうとは思ったが、とても綺麗だとも思った。

  • 初めての作家さん
    後半の展開が急すぎて 結果よくわからないという印象

  • 記憶をなくした菊と気難しい遠近さん。ゆっくり流れる時間のなかで、菊の過去や占い師の遠近さんとの関係が少しずつ解き明かされていく。
    小説のジャンルでいえば、「幻想小説」になるのかな?特に惹きつけられるというわけではないけれど、読まされてしまう作品。

  • こんな人知らなかった、初めて読んだ。そしたらかなりファンタジーだった。途中まではわけがわからないなりにゆっくりいてくれたのに、最後はもう勝手においてきぼりだった。

  • うん、よくわからん。

    気付くと知らない家で知らない人と暮らしていて、いろいろ禁止されていたけど、徐々にいろいろ許されて、自分が何者かわからないけれど、人は自分に誰かを見て。

    題名を見た時は、「をちこちさん」の方が幽霊だと思っていたのですが、読んでみれば「わたし」の方が幽霊でした。
    芸術とは幻想でもあり真実でもあり現実でもあり空想でもあり。
    自画像、とは自分を映すものであるので必ずしも人の形をしていなくてもいい。

  • 不思議で幻想的。初めのうちは監禁、お許し、幽霊…という単語が出てきたので主人公(遠近)に警戒しながら読んでいたが、ふたを開けてみれば切ない純愛物語だった。心に染みて今夜は眠れそうにない。これだから小説読むのはイヤなんだ。

  • よく分かりませんでした。

全14件中 1 - 14件を表示

著者プロフィール

作家。1970年、埼玉県生まれ。作品に、『をちこちさんとわたし』(中央公論新社)、「恐怖通信 鳥肌ゾーン」シリーズ(東雅夫編・監修、ポプラ社)など。

「2017年 『脇役ロマンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小島水青の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×