- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120049859
感想・レビュー・書評
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明治、大正、昭和初期、女性はただの小間使いとしてしか見られなかった時代に繰り広げられた、谷崎潤一郎を軸とした女たちの戦い。
今の時代とは、違うと分かっていても、文豪と言われ愛され尊敬されてきた人間から受けた精神的苦痛には、胸が書きめぐらされた。時代が時代、今私がいる時代が女性が女性としていられる時代でよかった。まだまだ日本は、女性に対しての家庭や社会での偏見は他国(開発途上国も含め)より断然に後れを取っているが、少なくとも、声にだして言える時代にいれて幸せである。それとともに、やはり女でも男でもこれからの人生において挑戦し学んでいく姿勢は必要であると気づかされた。なぜなら、それが私たちの人生の局面に対したときに1つの盾になると感じたからである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
谷崎潤一郎、国文学の大御所というイメージしかなかったが、こんな人間臭い魅力に溢れていたのか、と感じました。
多くの女性が、彼の魅力に惹かれ、惑わされ、人生を変えて行った。老いも若きも、立場も超えて。
今まで読んだ本も、読んでなかった本も読みたくなりました。 -
<blockquote>君臨する男。寵愛される女たち。
文豪が築き上げた理想の<家族帝国>と、
そこで繰り広げられる妖しい四角関係</blockquote>
チラシより
2017.06.09 「新資料から見る谷崎潤一郎」でお知らせがあった。 -
谷崎潤一郎を巡る四角関係。三人目の妻、その妻の妹、二人目の妻の息子であり妻の妹の養子の妻。文豪谷崎潤一郎とその周囲の人の遺した書により有名な話だとか。ほぼ記録のない妻の妹、細雪の雪子のモデルとなった重子を中心に描かれる女同士のせめぎ合い。ラストはフィクションか事実か…。谷崎潤一郎を知らなくとも愉しめる桐野ワールド。
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谷崎潤一郎をモチーフにした作品で、谷崎の妻 松子の妹 重子視点のストーリー。
谷崎潤一郎の作品も読んだことないし、どんな人間だったのか自伝的なものも知らないけれども、最後の渡辺千萬子さんに取材協力してもらったという一文を読むと、物語とは別のところで、重子は本当にこういう人だったのか?千萬子を可哀想に描いてないだろうか?と考えてしまった。
最初は退屈だった・・・最後は結構面白く読めたかな。 -
谷崎潤一郎の3番目の妻の、すぐ下の妹からみた谷崎潤一郎の壮年〜晩年を取り巻く物語。
思ったより読みやすかったし、事実をもとにして小説を書く小説家のそばにいるのってキツそうと思わせるストーリー。
谷崎潤一郎の小説を一冊も読んだことがないのだが、読んでみたくなった。 -
谷崎が色ボケ爺だったとは。。。まるで手記のようです。ラストの足の場面、ぞくっときます。