狙われた楽園 (単行本)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120054631

作品紹介・あらすじ

カミーノ・アイランドに夏がやってきた。


直筆原稿盗難事件から数年が経ち、独立系書店の名物店主ブルース・ケーブルは相も変わらず精力的に書店を切り盛りしている。


そんななか、超大型ハリケーンの接近中に殺人事件が起こり、不審を抱いたブルースは犯人捜しに乗り出す。

その行く手に待ちうけるのは……?

感想・レビュー・書評

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  • フロリダのリゾートアイランド カミノ島でスリラー作家ネルソンがハリケーンの中で殺害される。友人の書店主ブルースと仲間たちは、殺人事件を解決するため捜査を開始する。ネルソンの未発表原稿には老人ホームの不正行為、医療費不正受給に関する内容が含まれ、事件との関連性を疑う素人探偵たちの試行錯誤の展開の遅さに痺れを切らした頃、調査会社とFBIの登場で一挙に大団円となる。

  • カミーノ・アイランドに夏がやってきた。
    直筆原稿盗難事件から数年が経ち、独立系書店の名物店主ブルース・ケーブルは相も変わらず精力的に書店を切り盛りしている。
    そんななか、超大型ハリケーンの接近中に殺人事件が起こり、不審を抱いたブルースは犯人捜しに乗り出す。 その行く手に待ちうけるのは……?

    前作「グレート・ギャツビー」を追えに続いて、カミーノ・アイランドを舞台にしたミステリが登場。
    本や書店、出版事情が前面に出てくる作品ではないものの、これはこれで楽しめます。でも、やっぱりリーガル・ミステリが読みたいのです。

  • 「狙われた楽園」(ジョン・グリシャム : 星野真理 訳)を読んだ。
「グレート・ギャツビーを追え」(ジョン・グリシャム : 村上春樹 訳)の続編。
翻訳者が変わりましたが違和感全くなし。
    
面白さが前作よりさらにグレードアップしてる。
読み終わった時の爽快感も素晴らしいな。
    
お勧めです。
    
法廷物とは違う軽快さがこの物語の魅力ではあるだろうけれど、扱うテーマは決して軽い物では無く、現代の深刻な社会問題のひとつに焦点を当てている。
    
登場人物たちも相変わらず魅力的なので、まだまだ続編いけそうだけどな。

  • 「グレートギャツビーを追え」のシリーズ第2巻。前作と違って人は死ぬし、詐欺だし、結構シリアスよ。オープンマリッジの行方はいかに。

  •  最近は文庫化された邦訳本がほとんどだが、その中身は、相変わらず充実したリーガル・スリラー。一方で時々、毛色の変わった作品を書くこともあるジョン・グリシャムは、らしくない(?)ジャンル外エンターテインメントで楽しませてくれることも多い。本書はその手の最新シリーズの一つ、本好きミステリー『「グレート・ギャッツビー」を追え』の続編である。

     前作と同じキャラクターたちの上に、さらに興味深い登場人物を増強。前作でおなじみの架空の高級リゾート地であるフロリダ州楽園カミーノ・アイランドは、本作では予想を超える規模の巨大ハリケーンの上陸と、全米スケールで展開する大掛かりな陰謀に巻き込まれる。

     そもそもが第一作で、早くも魅力的な主人公、はたまた個性的な脇役の面々たちがストーリーに重要な彩りを与えてくれていた。本作でもオールスターキャストの登場篇からスタートすると思いきや、大型ハリケーン<レオ>の稀有な上陸によって、このユートピアのようなリゾート地は大変な被害を被ることになる。のっけから<レオ>がある意味主人公のようで、人間たちはその小ささや弱さを思い知らされると言わんばかりだ。

     台風一過。島に残された爪痕は尋常ならざるものだが、本シリーズの舞台となるブルース・ケーブル経営の書店ベイ・ブックスは大きな難を免れる。島民や常連作家たちもほとんどが島から事前に避難。しかし残った数人の作家うちのある人物が遺体となって発見される。ブルースと新登場でミステリー好きのアルバイト学生ニック、さらに前科のあるサスペンス作家ボブというトリオが、素人探偵チームを組み、友人作家の殺人疑惑に挑むストーリーがスタートする。

     物語はあらよという間に、疾風怒涛のように展開、さらに大掛かりな陰謀に突入する。島の日常と災害復興のディテールを描きながら、一方で冷酷な殺人鬼や、その雇い主と疑われる巨大介護ビジネスグループの存在が明らかになる。介護ビジネスの世界に斬新な方法を持ち込んで金脈を構築する超悪というアイディアも凄いが、その真相を手繰り寄せるブルースたちのチームワークや情報ネットワークもアマチュアながら凄い。

     役に立たぬ島の警察。信頼しきれないFBI。災害復興でてんやわんやの島環境。様々な妨害要素に囲まれたブルースたちの仕事振り分けと、前作のヒロイン含めてキャラクターたちのほとんどが事件の解決に向けて参加してゆくあたりは、シリーズ第二作として読みごたえがあり、楽しく、かつスリル満点である。殺し屋たちのクールさや、暗闘シーンもスリリングで冷酷で皮肉でたまらない。

     前作以上に娯楽要素抜群でありながら本好きミステリーというツボをよく押さえて、グリシャムのリーガルミステリーならぬ大らかなエンタメ要素をこれでもかとばかりに注ぎ込んだ、ページターナーな娯楽力作である。従来のグリシャム・ファンの他、作家や出版界の舞台裏も楽しめるなど、幅広い読者に読んで頂きたいシリーズである。できれば第一作からどうぞ。

  • いかにもアメリカというか、いかにもグリシャムな展開。

  • 海辺のリゾート地カミーノアイランドを巨大ハリケーンが直撃する。島から脱出する人、高台に避難する人など様々な中、島の書店主ブルースは、店の本を二階に避難させ、自宅の戸締まりを確かめハリケーンを待った。ハリケーンが去った朝、島の知り合いの安否を確かめていたブルースは友人の作家ネルソンが嵐の中、庭に出て亡くなっていることを知る。事故か、殺人か?

    米国らしいエンターテイメント作品だ。ハリケーンの後の島の混乱は、日本の台風被害を思い起こさせ暗くなる。有り余るお金を持っているブルースや友人たち特権階級が鼻につく、なんて思ったらこの本は読んでいられない。娯楽作品だと思って読むに限る。

  • ハリケーン・レオがカミーノ・アイランドを襲った日、ネルソン・カーが殺された。嵐のなかでの事故死と見せかけて、何者かによって撲殺されたようだ。
    警察はあてにならないから、イケてる本屋店主のブルース・ケーブルは前作で自身を追い込もうとした調査会社に調査を依頼する。

    老人介護施設が、脳機能が失われた患者に対して心臓を動かし続ける秘薬を飲ませて金を不正に儲けているという内容の小説をネルソンは書いていた。
    調査会社により、それがフィクションではなく事実だったことがわかり、老人介護施設を運営して荒稼ぎしている連中がネルソン殺しの首謀者だとわかった。

    実際にネルソンを殺した暗殺者二人も足がつき、すべてが明らかになって伏線回収ハッピーエンド。

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    前作『「グレート・ギャツビー」を追え』のレビュー
    https://booklog.jp/users/skmt1988/archives/1/4120053415

    主要人物は前作とほぼ同じで、マイラとリーのおばさまコンビが今回も愛らしかった。悪気はないけど、配慮ないこというマイラ。そして「よしなさない、マイラ」とたしなめるリー。

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    ネルソン殺害の犯人を調べる過程で、スパイ役にした老人介護施設で働く女性が死んでしまったのは後味がわるかったな。
    そもそも、ネルソンを殺した暗殺者の女はもう少し丁寧に仕事をするべきだったのでは、とも思った。学生のニックに犯行の一部始終を早々に見破られてしまうなんて、プロとしてどうなんだろう。
    ニックの考察力が高すぎて、「わかったぞ。このニックってやつが本当は殺害犯なんだ。推理役が犯人パターンだ!」なんて推理をしながら読んだが、実際のところはニックは本当に考察力が高いひとだった。まんまと騙されてしまった。前作に続いて今作も楽しませてもらえた。

    どうでもいいけど、日本語訳のタイトルは『ねらわれた学園』みたいだな。

  • 「『グレートギャツビー』を追え」の続編。

    前作のコンゲーム的なサスペンスとは主人公も雰囲気も変わり、殺人事件のミステリーサスペンスという感じでした。
    前回は敵役で今回は主人公の書店店主のブルースが魅力的なので、カミーノ・アイランドとしてのシリーズが続くとしたら、彼がメインになるかなと思いますが、続編情報はなかったのでシリーズ化は不明でした。

  • 可もなく不可もない。
    ミステリーと思って読まないほうがいい。
    確かに殺人事件は起きる。
    「え?あの人が犯人?うっそーん!」
    という裏切り体験はない。

    割と海外の小説はまとまりがないと思う。
    全部がそうというわけではないけど
    インスピレーションのままに書いとります!
    という感じを受ける。
    この本もそんな感じ。


    前作の「グレートギャッツビーを追え」?
    は読んだ事ないけど
    あの村上春樹氏が翻訳されたとか。
    確かに春樹氏が好きそうな本ではある。
    (この狙われた〜の内容がね)
    今回翻訳家が代わっているので
    そこでも好みが分かれるみたいだ。

    私は特に翻訳に関してはどうも思わない。
    上手い方だと思う。
    最後まで読めたから良かった。

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著者プロフィール

ジョン・グリシャム
一九五五年アーカンソー州生まれ。野球選手になることを夢見て育つ。ロースクール卒業後、八一年から十年にわたり刑事事件と人身傷害訴訟を専門に弁護士として活躍し、その間にミシシッピ州下院議員も務めた。八九年『評決のとき』を出版。以後、『法律事務所』『ペリカン文書』『依頼人』『危険な弁護士』など話題作を執筆。その作品は四十ヶ国語で翻訳出版されている。

「2022年 『「グレート・ギャツビー」を追え』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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