神々の体系 続: 記紀神話の政治的背景 (中公新書 394)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121003942

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  • 記紀神話にあらわれるタケミカヅチの神について、その活躍は氏神として奉斎する藤原氏の意向が反映されたとする有力な説がある。
    この本が、その説を一般に広める役割を果たしたようだ。
    内容的には1975年に出版されたものということで、今となっては古い。

  • (1978.07.14読了)(1975.09.24購入)
    副題「記紀神話の政治的背景」
    *本の帯より*
    新しい「記紀」成立論を展開し従来の古代史像に転換を迫る
    記紀の制作主体を藤原不比等とみる大胆な仮説を出発点に、前著で考察の対象となった記紀神統譜の基本構造と不比等の政治的役割について、その照応関係を多面的に解明し、記紀神話の背後にひそむ不比等の一大政治構想を検証する。律令国家成立の社会史、ならびに思想史を背景に、定説化した記紀の体系性とイデオロギー的性格を捉え直し、そこに律令国家のデザインとその独自性を読み取ろうとした、注目すべき古代史論。

    【目次】
    はしがき
    第一章 記紀の神々と藤原氏
     一、春日神社の創立
     二、アメノコヤネとタケミカヅチ
     三、中臣氏と藤原氏
    第二章 記紀のデザインとその成立
     一、記紀のイデオロギー
     二、タカマノハラ系とネノクニ系
     三、記紀の成立をめぐる六世紀説と八世紀説
    第三章 記紀と律令
     一、律令と正史と不比等
     二、「天皇」の起原
     三、「万世一系」の哲学
    第四章 記紀と不比等
     一、記紀編纂の背景
     二、記紀神代巻と不比等
    第五章 伊勢神宮の神事と歴史
     一、神宮の神事
     二、神宮の歴史
    あとがき

    ☆上山春平の本(既読)
    「日本のナショナリズム」上山春平著、至誠堂新書、1965..
    「日本の土着思想」上山春平著、弘文堂、1965.09.15
    「明治維新の分析視点」上山春平著、講談社、1968.06.28
    「照葉樹林文化」上山春平著、中公新書、1969.10.25
    「神々の体系」上山春平著、中公新書、1972.07.25

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著者プロフィール

1921年、和歌山県生まれ。京都帝国大学文学部哲学科卒業。太平洋戦争では人間魚雷回天に搭乗した特攻要員。戦後、京都大学教授、京都国立博物館館長、京都市立芸術大学学長などを務める。1988年紫綬褒章受章、1994年文化功労者。その研究は、哲学から仏教、国家論、天皇論、文化論など広汎な分野に及ぶ。2012年没。著書は、『大東亜戦争の意味』中央公論社1964、『明治維新の分析視点』講談社1968、『大東亜戦争の遺産』中央公論社1969、『神々の体系 正・続』中公新書1972・1975、『埋もれた巨像 国家論の試み』岩波書店1977、『空海』朝日新聞社1981、『天皇制の深層』朝日新聞社1985、『受容と創造の軌跡 日本文明史の構想』角川書店1990など多数。また『上山春平著作集』全10巻(1994-1996)が法藏館より刊行されている。

「2019年 『天皇制の深層』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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