- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121006509
感想・レビュー・書評
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文化人、教養人が積極的な価値を見出だす、あらゆる風景。そこに秘められた魅力と、論理に迫る一冊。
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風景学とか風景論とか、著者の造語かと思いきや、戦前から提唱されている学問とのことだ。
人間を取り巻く風景や景観がどうあるべきかの追求。自然(外)からのアプローチと人間(内)からのアプローチ双方が絡み合い、時代や洋の東西を超えて汎化された論説である。
地理・地勢、認識論や認知論、生理学、土木・工学、建築、林業、美術・芸術、哲学、文学、歴史....その学際っぷりが半端無くて、漢詩を引いた次の章では、あとにサイクロイド曲線が登場したりする。ちょっと古いが、奥深い文章が論理的に構成された、読み応えのある本だ。 -
地理学や心理学、文化史などの領域を横断して、幅広い観点から風景についての考察をおこなっている本です。
一方で、方法論上のまとまりの悪さを感じてしまうのも事実ですが、多様なアプローチで風景について考えるためのヒントが散りばめられているように思いました。 -
自然景とは異なる、電車の車窓からの眺めや、町はずれの生活景の眺め。道、橋、港、川、建築、公園、住宅地、盛り場といった人々の常住景をどう整えるか。これは施設建築から街づくりにも関係する。
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土木・景観を学ぶ者として、知的興奮の多い本。
自然景と生活景、専門官と市民、神の視点と人の視点、ゲシュタルト心理学のことや視野なんかのこと、等。
数式とか小難しい話はほとんど出てこないのに、成程なぁ、だよなぁ、と自ずと説得されていく、不思議な深さのある本。
「縁(際、辺)」の大切さの話は印象的。
他にも「風景のうそとまこと」「見る/籠る」などなど、面白い論点も多く、まさに「入門」書として適切。やや(必要以上に)難しく書いてあるところもあるけれど。 -
☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BN00344821
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日常、取り囲まれている風景に無頓着で居られなくなる、そんな内容です。我々の生活の質の高さが風景に現れるとすると、良い風景を見分ける力を持つことが大切だということを教えてくれます。
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これからの学問である「風景学」の入門書。