毒の話 (中公新書 781)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121007810

感想・レビュー・書評

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  •  内容的には古くなっている部分もあったが、毒に関する文学、歴史的事件等を扱っていて、興味深かった。

     じゃがいもが毒としての汚名を着せられたため、長らく広まらなかったこと。
     さらに受精で成して広まるのではなく、塊根から発芽で増殖するため「不純」として裁判、さらに火刑を受けた経緯があるらしいw

  • 105円購入2013-08-13

  • 毒の話を読みながら、毒は深く医学に結びついていることを理解した。
    植物学と医学は切っても切れない状況だった。
    植物に対する理解が、薬師となり、医者の役割を果たしていた古代、
    医者に必要なのは、薬だった。
    自分で薬草園をつくり調合していた。
    それが薬学として、発展し、ケミカルの時代を迎えた。

    毒は、死とも結びついていた。
    王様および権力者は、つねに毒殺の危険にさらされていた。

    この本を読みながら、
    マルコポーロの「東方見聞録」をきちんと読みたいと思った。
    ここで何が伝わったのか?
    また、コロンブスが、新世界から、何を植物として伝えたのか?
    コロンブスの伝えたものは、
    タバコ、トウモロコシ、サツマイモ、ジャガイモであった。

    神秘に包まれたマンドラゴラは、
    古代人の催眠飲料、または吐剤として、
    一番古くから重要な役割を演じている。

    おそらく、ペルシアからギリシアへ、
    ギリシアから地中海諸国へと伝わったナス科の植物で、
    不気味な細長い根をもち、
    何となく人間の形を思わせるものがあって、
    殊に、黄色味がかって、赤い、

    よい匂いのする果実と結びつき、
    よけい神秘的人気を博したものらしい。
    現在はこの植物から、ヒヨスチンおよびスコポラミンという
    二つの猛毒性アルカロイドが発見されたが、
    化学者がこれを発見する数千年前から、
    人類はその液汁を催眠飲料に供していたわけである。

    その毒性を転用して、外科手術にクロロホルムなどと
    同じように使われてもいた。

    有名な『君主論』の著者マキアヴェルリが
    晩年に『マンドラゴラ』なる戯曲を書いているが、
    これは、その毒薬を種にして、
    ありとあらゆる悪玉が手練手管の限りをつくすという芝居である。

  • 著者のあとがきにもあるように、この本の趣旨は「勉強」ではない。
    「まじめに毒のことを勉強しようと思われる読者にとって、この本がお役に立つとは思えない」そうだ。

    けれどその分、毒に関するエピソードが色々紹介されているので、興味を持ちやすい。「きっかけ」として、とても良い読み物だと思う。もちろん科学的な内容もあるが、とても簡潔にまとめられている。

    大麻/フグ毒/アトロピン/コレラトキシン/タリウム/エフェドリン/ニコチン/砒素/コカイン/キノコ毒/青酸カリ/アコニチン/ニトロソアミン/カビ毒/テリアカ

    *2011.8 *2013.1

  • 面白いです。
    著者が楽しんでいるのが(話は毒についてですが)、わかります。知的エッセーとして、実に面白い。こういうの、最近なくなってしまった気がするな。

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  • 1999・5・20 23版 216p 4-12-100781-6

  • 天然の毒物について、わかりやすくエピソードを交えながら紹介する、という主旨の本。
    構造式などもでてくるのですが、そういう科学的な説明とエピソードの部分が混在していて、しかも章ごとに統一されていないのでなかなか読みにくいです。
    作用機構が細かく知りたい人はイライラし、物語に興味を惹かれる人には物足りない一冊。

  • 興味深い毒の話。ラスプーチンが青酸カリを飲んでも死ななかった話とかが興味深かったですね。

  • 取り立てて面白い本ではないが、普通に読める本。

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著者プロフィール

千葉大学名誉教授/元新潟薬科大学学長

「2021年 『医薬品情報学 第5版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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