コミュニケーション技術: 実用的文章の書き方 (中公新書 807)
- 中央公論新社 (1986年6月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121008077
感想・レビュー・書評
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アメリカのテクニカル・コミュニケーションをベースにして記された1986年発行の本書。日本語と英語は語順などの相違はあるものの、伝わる文章、伝えるためのパラグラフ構成は共通であり、普遍的と言うことか。著者が指摘しているが、日本でこのような「技術」について学ぶ機会は、どれだけあるのだろうか。
「ワンワード/ワンミーニング」曖昧な名詞と動詞に注意。例えば「メーターを見る」。
「行う」は極力使わない。例えば「分析を行った」は「分析した」で十分。
「ワンセンテンス/ワンアイディア」短い文で区切ればよい。
「修飾する言葉と修飾される言葉が離れすぎない」
「語句の重複を避ける」、「当店のコーヒーは炭火焼きコーヒーを使用しております。」、「お互いに相互作用を」など。
「ワンパラグラフ/ワントピック」この本の後半部分は、パラグラフの展開方法の説明に終始している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
たまたま、全社研修の講師として名前が有り、講師の中で一際高い研修料金が目についた。それが、この本の著者だ。
講師のプロフィール欄に代表著書としてあったので購入してみた。
内容としては、わかりやすい文章の書き方のハウツー本。
結論として、普通の理系大学を卒業できるなら読む必要はない。
当たり前の事が、当たり前に書いてある上に読みづらい。
一点、なるほどと思ったのは日本の英語教育で文法を偏重するあまりに文章の固まりを論理的に読み書きする訓練が足りないという点。
ミシガン大学主催の英文試験(文法点と、文章構成点で評価。一人一人にコメント付きで採点される)
によると、欧米の大学生は文法点の点数は低いが文章構成の点数が高く、日本の大学生は文法の点数が高いが文章構成の点数が低いそうだ。
その結果、ここの文章はわかるが全体を通してみると良くわからない文章だという総評が多いとの事。
この点はメールを打つときに、文法にこだわるより内容にこだわるように注意すべきだと実感した。意味が伝わらなければ読み手にとって文章情報はゼロに等しいってこと。