企業ドメインの戦略論: 構想の大きな会社とは (中公新書 1074)
- 中央公論新社 (1992年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121010742
作品紹介・あらすじ
これまで一貫して高成長を持続してきた日本企業をとりまく経営環境は、いま大きく変わりつつある。まず、どのような領域を自社の存在領域として構想するか、という戦略決定が改めて問われており、成長の方向性について主体的展望をもち、意識的に全社的な事業構成の定義と組み替えとを行なうことが不可欠となってきた。本書は「ドメイン」というキー・コンセプトによって、それが如何になされるかを、具体例を通して考察する。
感想・レビュー・書評
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完全に理解したとも思わないが、企業ドメインとは『ウチは何の会社なの?』との自問に対する回答のようだ。これは現状の事業領域と一致している場合もあるし、将来の発展を示唆するケースもある。当然後者の方がスケールの大きな会社に成長する蓋然性が高いと言える。
1992年初版の古い記述なのに、現代でも依然有効な議論である。自分の会社も自然膨張的な多角化と祖業切り捨ての結果何の会社かわからなくなっていて、経営陣もドメインの定義を模索しているようだが、少なくとも社員のコンセンサスを得る気の利いたものを打ち出せていない。ソリューション提案型企業だの顧客志向だの言われても固有のアイデンティティーは生まれないだろう。構想力のない人間はトップに立つべきではない。
あとがきに楠木先生の名前があったのに驚いた。栴檀は双葉より芳し、か。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本電気は電電公社のファミリーで、日電公社と言われていた。いかにNTTに依拠しないようにするかが重要だった。それでC&Cというコンピューター&コミュニケーションを出すようになった。
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寝転がっても読める経営戦略論の入門書です。しかしそのわかりやすさの根底には、深くて広い研究の蓄積と、緻密な論理的思考が隠れています。わたくしの願いは、この本と肩を並べられる経営学の入門書を書くことです。(柳川高行先生)
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企業の活動領域の構想としてのドメインの重要性がよくわかる点は非常に良い。納得できる。ただ事例の読み方が偏っている印象が否めない。ドメインという言葉で何でも説明しようとしすぎ、とも言える。他の用語を用いる方が妥当性がある部分では、他の知識で翻訳する必要がある。
企業も製品・サービスもコンセプトを大切にしろ、そしてそのコンセプトが機能するためにはそれらに対する合意が鍵となる、という話。