ゾウの時間ネズミの時間: サイズの生物学 (中公新書 1087)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121010872

感想・レビュー・書評

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  • 前半は数式が多く読みづらかったが、後半は数式が減り、読みやすかった。ただ、後半はサイズの話とは離れていった。

  • 2020年4月28日BunDokuブックフェアで紹介されました!

  • 面白かった。実家の自分の部屋の本棚にあったのをふと手に取る。最近、植物の話を聞くことが増えて、生きもの全般に興味がわいていたところだったので、とても楽しく読めた。

    タイトルにあるように、動物は「サイズ」によって同じ時間の長さでも、過ごす時間の意味がちがうという。また、大きさという制約によって、見えている世界の厳しさもちがう。つまり、世界の何を厳しいと思うかというところがちがう。

    序盤では、そのような全体的な生き物のサイズによる違いについて、彼らの懸命なる枝分かれの様子を見ていく。おおよそ、体の外に接している面積と、体の中に抱え込んでいる体積との釣り合いをどうとりながら生命活動を維持していくか、という解説が主だっている。

    これまで、動物園で漠然と眺めていた動物たちの行動原理がつぎつぎと明らかになっていく展開は、まるで新しい目を手に入れたようでとてもおもしろい。

    ヒトに関わる生きものや、ヒトについての生物学的な数値とかがおもしろかった。そこから、さらに器官や身体の部分的な機能について言及。中高時代の生物の時間を思い出した。少し視点がマクロになり、「疑問に答える
    」形で進んでいくにせよ、専門的な興味が先行しているように見えて若干眠くなった。

    後半、昆虫や植物の合理性というか、進化の論理についてはまたおもしろく感じて、読み進めやすかった。最後の、著者の専門?であるヒトデとか、ウニとか、そういう生きものの話は、ちょっと難しかったが、彼の熱量と最後だからという気持ちで乗り切る。

    これから海にいったときに、彼らを見る目は違ってくるだろうなあと思う。知ってる、知ってないでこれだけ楽しめるものが広がるのか、と思う。とくに、子どもたち相手に説明したりして、尊敬のまなざしを集めたい気持ちにかられた。

    全体的なユーモアが好きだった。生きもの達への「こいつら、なんでこんな変な形なんだ?」「動いているのが、動物って感じがするよねー」という、目線というか素朴な姿勢がいい。知識のない自分にも共感できた。(計算式とかグラフとか、入り組んだところは理解を放棄した。)

    筆者の身のまわりのことも出てくるので、息抜きしながら読みやすかった。やっぱり研究者の書いたエッセイって楽しいなあと思う。生物は理系科目のなかでは好きだったのと、今興味がとてもあるので、読みやすかったこともあっただろうと思う。

    これ以上先に進もうとは思わなくてこれで十分だったが、もっと好きな人は生物の世界に踏み入っていくのだろう。生物への入り口として、雑学として、ぴったり。生きものが大好きなお子さんのいるお父さんお母さんにもおすすめ。

  • 数式を使って根拠を示しながら、一般人にも分かりやすく説明してある一冊。
    おもしろかった!

  • 02.03.26

  • 生物サイズから時間・エネルギーの違いが良く書いてある
    大陸の生物進化と島国生物の進化は違うという興味深い話

  • 面白かった。自然の無駄のなさや、美しさというものが書かれている。今まで知らなかったものの見方で動物が書かれている。
    なぜ、動物はこういう形なのか、サイズなのか、また肉食、草食なのか、、など、子供の頃に帰ったようにワクワクできる一冊。

  •  哺乳類の心臓は一生のあいだに約20億回打つ。
    それはゾウでもネズミでも同じ。
    ・・・ということは、心臓の拍動を時計として考えたら、ゾウもネズミも同じ長さだけ生きて死ぬことになる。
     この冒頭の話から、興味がそそられました。目からうろこの事実ばかり!
    生物のサイズに着目し、エネルギー消費量や体内器官、移動方法などを考察しています。
     実際に計測されたデータから導き出された数式を元に説明が進むのですが、それぞれの生物にとって今ある形が理にかなっているものだということがわかりました。

  • ヒトを含め、動物のサイズは生物学的に説明できるものなのだという視点を得る。
    生命体を作る一つ一つの細胞の大きさは動物ごとに変わらないけれど、一つの生物としてとらえたときに、心臓の鼓動や、脈打ち、動きの速さとか、それ以外にもいろいろサイズと相関している。

    寿命も小さい生きものは短いし、大きい生きものは長いし、でもそれは、主体としては平均的には同じで、ひとつの動物である以上、私たちの時間の流れ方を基軸に長いとか短いと言っていて、自分がゾウとして生きたらそれはヒトとして生きているときの人生の長さと変わらない…
    とかいうことは、漠然とは知っていたけれど、

    この本はそれを詳しく専門的に説明していて、全部は理解できなかったけれど、このような研究がなされているんだなということが分かった。だいぶ前に書かれた本だから、今はもっと研究が進んでいると思うけれど。

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著者プロフィール

生物学者、東京工業大学名誉教授。

「2019年 『生きものとは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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