バルトーク: 民謡を発見した辺境の作曲家 (中公新書 1370)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121013705

感想・レビュー・書評

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  • 作曲家の「人と作品」のようなものでなく、民俗音楽の研究者としてのバルトークに焦点をあてた本。
    一種のコレクターとして、口承の民謡を採譜して歩いたバルトークの奇妙な情熱が伝わってきて、興味深い。
    学者としては、大時代的な博物学的分類に没頭したというだけで、そこから何らかの学説へと跳躍しなかったわけだから、大学者とは言えないが、フィールドワークを重ね蒐集に明け暮れる姿は、ナボコフの蝶やケージのキノコを連想させる。
    ただしこのような性癖と、バルトーク自身の作曲の内容とがどのようにリンクしてくるのか、この本では追い切れない。
    都会で通俗的にデフォルメされた「ジプシー音楽」をハンガリーの民族音楽の代表と捉えたリストに対するバルトークの批判(ジプシーは辺縁的なものだし、そのジプシーの民俗音楽にしても、本来はもっと素朴な民謡であるという)、バルトークのスタンスをさかなでるようなラヴェル「ツィガーヌ」の微妙なポジションなど、おもしろいエピソードも書かれていた。

  • いささか学術的で素人にはよくわからないが、リストの「ハンガリアン狂詩曲」がどこがどう「ハンガリー的」でないかという分析はおもしろかった。

  • 大好きな作曲家バルトークの新書。
    バルトークにとっての民謡がよくわかります。
    世の中のハンガリー風がいかに違うか、ラヴェルとの対比もよくわかりますね。

  • コダーイの研究をしていた時期があって、じゃあついでに同時代を生きたハンガリーの出身バルトークも、と思って購入しました。しかし、読解には結構時間がかかりました。

  • 民族音楽学者としてのバルトークをクローズアップした本です。

著者プロフィール

音楽学。大阪大学中之島芸術センター長

「2023年 『配信芸術論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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