江戸のナポレオン伝説: 西洋英雄伝はどう読まれたか (中公新書 1495)

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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121014955

感想・レビュー・書評

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  • 考えたことのない視点だった。そういえば、幕末ものでときどき「奈翁」が出てくるとは思っていたので、江戸時代の人にも、同時代の英雄譚として知られているのだろうとは思ってはいたけど。

    しかし、フランス革命抜きでナポレオンを知っても、「今の時代にも三国志みたいなことがあるのか」ということにしかならないだろうし、フランス革命のあたりの近代的社会を江戸時代人がどう認識したのかということに考えが及ぶけど、そこまではこの本では追えなかった。

    もっというと、「維新の元勲」は、けっこうあっさりと台湾出兵とか征韓論に走るわけだが、それとの連続性も見たかったな。

    個人的な趣味なのだけど、私は幕末を英雄サーガにするのが好きではないので(「日本の夜明けぜよ!」ってノリは好きじゃない)、幕末の相対化として、文化文政頃のことをもっとちゃんと知るというのは、したほうがいいんかなと思う。

著者プロフィール

1962年、信州『たのめの里』(長野県塩尻市・辰野町)生まれ。1985年青山学院大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程満期退学。2001年博士(歴史学)。明海大学教授等を経て現在東洋大学文学部教授。
著書『予告されていたペリー来航と幕末情報戦争』(洋泉社新書y、2006年)、『江戸無血開城―本当の功労者は誰か?』(歴史文化ライブラリー、吉川弘文館、2018年)、『ロシア海軍少尉《ゴローウニン事件》ムールの苦悩』(右文書院、2021年、共著)、『見る・知る・考える 明治日本の産業革命遺産』(勉誠社、2022年)、『「文明開化」と江戸の残像』(ミネルヴァ書房、2022年、編著)、『江戸無血開城の史料学』(吉川弘文館、2022年、編著)など。

「2023年 『信州から考える世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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