陰陽師: 安倍晴明と蘆屋道満 (中公新書 1844)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018441

作品紹介・あらすじ

古くから説話や伝説に彩られてきた陰陽師。近年では小説や映画にも登場し、呪術により凄まじい力を発揮する。世界を滅ぼしかねない超人として描かれることも少なくない。では実在の陰陽師たちはいかなる活動に従事していたのか。安倍晴明らが絶大な名声を博したのはなぜか。藤原道長ら同時代の王朝貴族が残した日記を手がかりに、知られざる実像に迫る。さらには、陰陽師を必要とした平安時代の人々の心性をも明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 調べものとしてこの本を読みました。陰陽師についてあまり興味を持ったことがないためか、少し私には難しかったです。古文でたまに見かける物忌みが具体的にどんなものか分かる本だと思うので、そういったことを調べたいときに読んでみるとよいと思います。

  • 第1章 官人陰陽師と法師陰陽師
    第2章 怪異を読む
    第3章 禁忌を告げる
    第4章 災厄を除く
    第5章 生命を狙う
    第6章 安倍晴明と蘆屋道満

    著者:繁田信一(1968-、東京、民俗学)

  • 雨乞いどーん!式神ばーん!呪殺どどどーん!!!みたいな伝承寄りの陰陽師資料探してたのでまぁ、ぶっちゃけイメージと違いましたよね?
    平安中期に実在した安倍晴明を中心に、御堂関白記や小右記メインで現実の陰陽師についてわりと詳しくでも入門書程度のボリュームで、って感じ。
    なんかほぼ物忌みの話しかしてない気がしたのだが気のせいではないだろう……。怪異と物忌みと病気予防の祓えとあと呪詛? きらびやかさなど!!! 幻想ですよ!!!!

  • 第一章 官人陰陽師と法師陰陽師
    1安倍晴明の身分 律令官人 平安貴族 陰陽寮官人 官人陰陽師 安倍晴明の同僚たち
    2蘆屋道満の身分 安倍晴明を殺した陰陽師 「僧道満」と呼ばれた陰陽師 法師陰陽師 多数派の陰陽師

    第二章 怪異を読む
    1物忌と怪異 物忌という習俗 怪異占 鼠の怪異 犬の怪異
    2怪異の諸相 牛、鹿、狐、烏、鷺、植物、虫、音、人工物の怪異
    3物忌の諸相 覆推 「軽き物忌」 「重き物忌」 式占

    第三章 禁忌を告げる
    1日時の禁忌 安倍晴明からの一報 祖父の教え 衰日 偽りの凶日 滅門日 道虚日
    2方角の禁忌 「方違」という習俗 天一神 王相神 大将軍 太白神 方違の呪文
    3禁忌と暦 葬送の日時と方角 「吉日」の選定 暦を造る人々 宿曜師と法師陰陽師

    第四章 災厄を除く
    1病気の治療 病気治療の禊祓 禊祓の効能 「もののけ」と禊祓 病気治療の祭
    2病気の予防 泰山府君祭 病気予防の祭 本命祭 星々に働きかける呪術 六月祓 病気予防の禊祓
    3天災の回避 四角四堺祭 疫病流行防止の祭 旱魃解消の祭 火災防止の祭
    4家内安全 呪符 土公神と宅神 反閇 散供

    第五章 生命を狙う
    1霊託の中の呪詛 菅原道真の霊託 藤原師輔の霊託 呪詛という犯罪 朝敵誅滅の呪詛 政敵排除の呪詛
    2風聞の中の呪詛 権力者の宿命 繰り返される陰謀 呪詛者に対する私刑 「式神の致す所」 「式を付す」
    3生活の中の呪詛 蔵人への、乳母への、成り上がり者への、女房への呪詛

    第六章 安倍晴明と蘆屋道満
    1英雄の誕生 「道の傑出者」 「陰陽の達人」 名人から英雄へ 安倍晴明を超える名人 保憲流賀茂氏と晴明流安倍氏 創出された英雄
    2悪役の誕生 悪逆非道の法師陰陽師 寛弘六年の呪詛事件 道満の呪詛 語り継がれる呪詛事件 濡れ衣の悪役

  • 方違えや物忌みの正しい意味を知るとともに、平安時代の農民とか庶民の暮らしについて分かっていないことが多いと感じた。
    貴族の考え方の基本に呪いがあったのがおもしろい。

  • [ 内容 ]
    古くから説話や伝説に彩られてきた陰陽師。
    近年では小説や映画にも登場し、呪術により凄まじい力を発揮する。
    世界を滅ぼしかねない超人として描かれることも少なくない。
    では実在の陰陽師たちはいかなる活動に従事していたのか。
    安倍晴明らが絶大な名声を博したのはなぜか。
    藤原道長ら同時代の王朝貴族が残した日記を手がかりに、知られざる実像に迫る。
    さらには、陰陽師を必要とした平安時代の人々の心性をも明らかにする。

    [ 目次 ]
    第1章 官人陰陽師と法師陰陽師
    第2章 怪異を読む
    第3章 禁忌を告げる
    第4章 災厄を除く
    第5章 生命を狙う
    第6章 安倍晴明と蘆屋道満

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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
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    [ 参考となる書評 ]

  • 当時の陰陽師の役割やはたらきについて羅列されている。陰陽道そのものは、やはりこの本からはほんの表面的な所だけしか知り得ない。

  • 腰帯に「これが彼らの本当の姿だ」とありあますが、本文203ページのうち92ページ目を読んだ段階では腰帯の「彼ら」は「平安朝貴族」と読んだ方が良いです。陰陽師の姿はほとんど描かれていない。
    論の進め方も乱暴。

  • 伝承ではない陰陽師の成り立ちと、その衰退に興味があり手に取った本だったが、内容は著者があとがきに記しているように「平安時代の陰陽師に関する入門書」だった。陰陽師が全盛の頃のその地位、仕事について、貴族の残した日記を元に書かれてある。意外だったのが「式を伏す」という記述。「式を打つ」とは別の行為なのか、それとも同じことなのか不明だが、ここでは平安貴族にとっては、式神=呪物、伏す=潜ませる、「呪詛の標的の身辺に呪物を埋める事が式神を潜ませることと同じ」だったとある。なるほど、ものをこっそり隠し忍ばせるくらいなら、伝承のような超人陰陽師でなくても、出来そうだと妙に納得した。

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著者プロフィール

1997年東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。2003年神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士後期課程修了、博士(歴史民俗資料学)。神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、同大学外国語学部非常勤講師。著書に『陰陽師』(中央公論社)、『平安貴族と陰陽師』『呪いの都 平安京』(以上、吉川弘文館)、『殴り合う貴族たち』『王朝貴族の悪だくみ』(以上、柏書房)、『天皇たちの孤独』(角川書店)などがある。

「2008年 『王朝貴族のおまじない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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