オリエント急行の時代: ヨーロッパの夢の軌跡 (中公新書 1881)
- 中央公論新社 (2007年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121018816
作品紹介・あらすじ
一八八三年十月、オリエント急行第一号列車がパリ・ストラスブール駅をコンスタンティノープル目指して発車した。車窓には統一間もないドイツ帝国や世紀末の香り漂うウィーン、東欧の大平原、そして没落の色濃いオスマン帝国。鉄道の実用化から半世紀。複雑きわまる国際関係を超え、人々の夢と憧れを乗せた豪華列車が、時代の大衆化と航空機の登場によってその役割を終えるまでを通して描く、もう一つのヨーロッパ現代史。
感想・レビュー・書評
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19世紀末から20世紀前半、帝国主義の時代にパリ・イスタンブール間を結んだ鉄道「オリエント急行」の興廃に、沿線となった地域、特にハプスブルク帝国とオスマン帝国治下の諸国の歴史を重ねた「学究的な観光案内」といえる書。第一次大戦前及び両大戦間期の中欧・東欧史の入門的機能を果たしている。
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面白かったです。
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私にとっての「オリエント急行」は、アガサ・クリスティーの「オリエント急行の殺人」であり、
一般客を乗せヨーロッパを東に走る豪華な列車と言う、第一次世界大戦後の姿でしかなかった。
つまりは、
その創設や王侯貴族が乗り込んでいた「王者の列車」であったことを知らなかったので、興味深く読んだ。
とはいえ、「オリエント急行」そのものの歴史よりは、オリエント急行が駆け抜けていた東欧からトルコの18世紀以降の歴史が語られており、予想よりずっと東欧史の参考になる本だった。 -
まさに夢の軌跡。過ぎ去った時代のきらめきっていいもんです。
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(趣味用)