サブプライム問題の正しい考え方 (中公新書 1941)

  • 中央公論新社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121019417

作品紹介・あらすじ

世界金融を不安定化させているサブプライム問題。銀行、証券会社などが巨額の損失を計上し、動揺が広がっている。アメリカ経済の減速が明らかになるなか、円高や、原油・原材料の高騰が追い打ちをかけ、日本の経済にも不気味な影が落ち始めた。アメリカの住宅ローンの仕組みに遡って、この問題の根源を洗い出し、影響を拡散させたと言われる「証券化」に関しては、明快な分析を試みた。日本は何を教訓として汲むべきか。

感想・レビュー・書評

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  • (後で書きます)

  • 立場として、日本政府側からのサブプライムローン問題の解説本。淡々とした文章で事実を指摘しつつ、何が起きたのかを詳述した内容。
    初歩から易しく分かりやすく解説しているとは言いきれず、そこそこ知識がないと文章を理解するのに苦戦し何度か挫折してしまった。前提知識がないと最後まで読むのに時間がかかると思う。
    分かりやすくしようと、住宅金融支援機構のデータを用いたり、グラフや図表を多く取り入れている点は理解を助けるのに有益であると感じた。

  • イゴ家から借りパクした本。

    統計データやグラフや表がふんだんに使われていててすごくわかりやすく書こうとしているんだけど、
    逆に分かりにくくなってるっていう可愛そうなパターン。

    2008年4月出版ってことでサブプライム以降の世界的な影響については言及がないけど、
    その分、アメリカの住宅ローン市場の問題については詳しく書かれてると思います。

    あー。。。でも難しく書かれてるんで意味ぷーです。

    残念...orz

  •  著者は旧建設省/経済企画庁出身の住宅計画専門家(現・独協大経済学部教授)と、住宅金融支援機構研究員。後者の小林氏はファニーメイに研修派遣されていたこともあって、いわば日本政府側から見たサブプライムローン問題の解説書。「正しい」かどうかは別にして、誇張や悪者探しなどといった極端を戒めつつ、何が起きたのかを詳述した良書。中立的といえるだろうが、半面無味乾燥でもあるので、ある程度知識がないとついていけずに飽きてしまうかもしれない。
     本書は08年4月の出版で、まだ金融不安が続いている最中であった。にもかかわらず米商務省や住宅金融支援機構のデータを用い、ふんだんにグラフや図表を掲載しているのは立派。書き手に敬意を表したい。

  • 2011.4.12

  • [ 内容 ]
    世界金融を不安定化させているサブプライム問題。
    銀行、証券会社などが巨額の損失を計上し、動揺が広がっている。
    アメリカ経済の減速が明らかになるなか、円高や、原油・原材料の高騰が追い打ちをかけ、日本の経済にも不気味な影が落ち始めた。
    アメリカの住宅ローンの仕組みに遡って、この問題の根源を洗い出し、影響を拡散させたと言われる「証券化」に関しては、明快な分析を試みた。
    日本は何を教訓として汲むべきか。

    [ 目次 ]
    第1章 サブプライム問題とその余波(アメリカ実体経済への影響 日本への飛び火 跳梁する投機資金 銀行経営への影響)
    第2章 焦げ付いたサブプライムローン(アメリカの住宅金融 サブプライムローンの仕組みと拡大の原因 逆転し始めた歯車)
    第3章 国際金融市場への波及(金融機関の損失・破綻の初期症状 証券化と格付けの問題 ヨーロッパへの飛び火と短期金融市場の混乱 アメリカ政策当局の対応と景気の減速)
    第4章 日本の住宅金融システムへの示唆(日本の住宅金融の歴史 望ましい住宅金融システムのあり方)
    第5章 今後の見通しと日本の課題(サブプライムローン不良債権化の今後 アメリカ経済の先行きと日本 日本がしておくべきこと コンパクト・シティと代替エネルギー)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 単なる解説本かと思いきや、作者の意見がしっかり述べられており興味深く読めた。

  • 物価上昇による消費者マインドの悪化があった。
    投機的資金が原油市場などに流入して価格を上昇させ、消費支出や企業収益を圧迫する。アメリカの景気減速がアメリカへの輸出を減少させ、また場合によっては新興国の景気も悪化させて、新興国への輸出も減少させる。
    サブプライムの被害者の多くはヒスパニックや黒人などのマイノリティで、彼らは民主党の政治基盤。

  • ●未読
    ◎「世界金融崩壊七つの罪」p.114で紹介。
     【p. 114【「ABCP」(アセット・バックド・コマーシャル・ペーパー)=短期の資産担保証券の一種。英国のノーザンロック銀行(2007.07のサブプライム問題の取り付け騒ぎで破綻)はMBS(住宅ローン担保証券)やCDO(債務担保証券)を購入してこのABCPをを発行するのが得意だった。
    「SIV」(ストラクチャード・インベストメント・ビークル)=MBSやCDOを担保にABCPを発行する特別目的会社。ノーザンロック銀行は「SIVそのもの」と言われていた。要するに、住宅ローンから派生して生まれた証券を集めて、それを担保にABCPという「コマーシャル・ペーパー」(すぐに換金可能な手形)を発行して設ける特別目的会社が「SIV」で、その業務を大々的に行っていたのがノーザンロック銀行。このビジネスはバランス・シートで言えば、負債の側が短期で利子の低いABCPであり、資産の側が長期で利回りの高いMBSとCDOというわけだから、何も起こらなければ良いビジネスになる。ところが、サブプライム問題の顕在化で、MBSやCDOの信用が下落したために、ABCPの市場は急激に沈滞してしまった。こうなるとSIVはABCPが売れないから回転資金が得られなくなり、MBSやCDOもかWなくなる。SIVは次々と破綻して、SIVに出資していた投資銀行や商業銀行も巨大な損失を被る事になった。もちろんSIVの塊のようなノーザンロック銀行も破綻し国有化されてしまった。】

  • 2008/7購入

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著者プロフィール

獨協大学経済学部教授。1959年生まれ。東京大学経済学部卒業。ケンブリッジ大学大学院土地経済研究科修士課程修了。東京大学博士(工学)。1981年建設省入省。建設省住宅局、新潟大学法学部助教授(出向)、千葉大学法経学部助教授(出向)等を経て2005年より現職。さいたま市空家等対策協議会長等を兼務。専門は公共政策。論文に「イギリスにおける空き家対策」(都市住宅学会『都市住宅学』第80号)等がある。

「2018年 『世界の空き家対策』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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