- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121020130
作品紹介・あらすじ
T型フォードの発売からリーマン・ショックまで一〇〇年。自動車の世紀だった二〇世紀が終わり、消費文化は大きな曲がり角を迎えている。大流通グループ「セゾン」を牽引し、無印良品を生み出した堤と、地域の文化の衰退を憂慮する三浦が、消費の未来、日本の将来を語る。「これがいい」ではなく、「これでいい」という「無印」の思想は、企業主導ではない個人主体の生き方を勧めるものである。本当の消費者主権とは何か。
感想・レビュー・書評
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社会
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三浦さんとセゾングループ総帥だった方の対談。さくさくと読める。無印を生み出した背景とか、オルタナティブなものを目指そうとしたとか、ものすごく興味深い対談。堤さんは一昨年(2013年)に亡くなっているようなので、本当に晩年の対談だったのだなと、しみじみ。
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「これから、ポジティブな意味で無印な地方が再評価されるだろう。たいしたものはない、都会にあるものはない、しかしそれて暮らせる、これでいい、十分だという価値観を持った地方が再評価されるのではないか。」p.78
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地元の駅ビルで購入する。正直、期待はずれでした。対話が成立していないのです。両者が、一方的に持論を述べるだけです。何故、こんな対談になってしまったのでしょう。理由は簡単です。三浦さんが企画を練っていないからです。堤さんには、語るべき経験、知性があります。ただし、対談の相手がしっかりしていないと、同じことを繰り返します。また、対談相手に、無意味に迎合します。それを防ぐには、事前に、綿密なシナリオを組むことです。上野先生は、綿密なシナリオを組んで、対談に臨みました。それに対して、三浦さんはアドリブです。これでは、何も出てきません。イオンの問題は、どうも誤解があるような気がします。イオンは、商店街を滅ぼしたかもしれません。同時に、イオンがなければ、その町は滅びたでしょう。イオンすらない町に、若者は住みません。そんな気がします。
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セゾングループの二人なのでノスタルジー対談かな?と思ったが、さまざまな未来提言を含めた読み応えのある内容であった。
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ここのところリンク読みしているセゾン文化もの。今更ながら、堤清二という存在の「深さ」と「軽さ」に興味津々なのです。そういう意味で、本書は辻井喬名で書かれているものに比べ、自己批評性が薄く感じられました。やはり、セゾングループの総帥、堤清二とグループ企業、アクロスの編集者であった三浦展との組み合わせが、ちょっとタテの関係過ぎたのかなぁ…語られている内容はTPP問題で待ったなしになった論点の先駆けていたりして十分、刺激的なのですが、なんか全体としては、モヤッとした感じで…サブタイトルに「20世紀消費社会の終焉」とあるのですが、そう!なんか「20世紀消費社会」のお通夜で交わされる会話みたいに感じました。
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三浦展氏の著作は目を覆いたくなるくらい、基礎知識の不足とデータの意図的な引用が多い。
でも、この本ではインタビュアーとして、堤氏と視点が共有されており、非常に読みやすい。
安易な若者批判がなければ、非常に面白い本。でも、三浦展氏がそれを生業としている以上、切っても切り離せないわけで、この本でも安易な批判に逃げており、残念。 -
面白かった。堤を知るほどこの人の目指した戦後日本の理想を知りたくなる。セゾン崩壊以降の社会はある種の文化空洞化って感じるのは俺世代くらいで終了してると思うけど。