- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121020208
作品紹介・あらすじ
筆先が紙に触れ、書ができていく。そこに書かれているのは、言葉であり、文字である。文字は単に点と線からなる図形ではなく、筆と紙の接点に生じる力-筆蝕-のダイナミックな現れなのだ。書は、できあがったかたちではなく、その過程を鑑賞する芸術ともいえる。一点、一画が部首を生み出し、文字をつくり、文へと展開する文学なのである。言葉と文字と書の関係を追究し、書の底知れない深みに迫るスリリングな書論・文化論。
感想・レビュー・書評
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我々が物語に感動するのはストーリーや構成よりも、文体や語り口によるところが大きいのだろう。
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[初版]2009年9月25日
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図書館がおくる、「クラブ・サークル向けおすすめ図書」
クラブ・サークル名 書道クラブ
請求記号:C-2020 中公新書
所蔵館 2号館図書館 -
「とめはねっ」を読んで書道に興味を持ったので、マンガの中でも引用されていた石川九揚の本を読んでみた。筆者をして「筆蝕」理論の到達点と言わしむるだけあって、楷書の成立を通して「書は筆による刻である」と喝破している点は興味深いが、ところどころに見受けられる現代文化に対する批判的な言は蛇足。現代の「妙に自己表現とやらを重視する」書道ブーム(?)が、書に対する裾野を広げていることは事実なのだから、素直にその利点に目を向ければいいのにと思う。
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表現力というか言葉の選び方が個性的だと感じた一冊。石川九楊さんは初めて読んでみた。
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書は芸術である。絵画ではない。
正確には書は書である。
既存の分野で考えるならば、書は文学である。
裏側から見た文学である。
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うぬ。ここだけ読むとちょっと意味がわからない。
・筆蝕と呼ぶ力と感覚の芸術、
・プロセスに重きを置く表現である
というのは納得できた。
「書の楽しさは筆蝕上の快感」
そうそう。書いた作品云々を語るより、書いてるその時間が楽しいんだよね。
快感。
今度、書の面白さって聞かれたら、
筆蝕上の快感!ってさらっと答えてみよう、っと。 -
読了。自分の中の価値観とは合わず面白くなかった。
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字は人なり。今まで雑に考えていた。エロティックな字体だなぁと感じるセンス、とっても大切。眼耳鼻舌身意は受動センサーで、最近丁寧に感じながら生活しようと思ったけど、一方、字は簡単に誰でも出来る自己能動表現。つまり、インもアウトも丁寧に生きていこう、と感じた。
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・表は裏であり、裏は表である
・一点一画を、造形的に太いとか細いとかではなく、書き進んでいく触覚として感じ取る
・太いことは深いことの象徴
・起筆は接触、出会いであり、送筆は摩擦。触れあい、そして終筆は離脱、わかれである