歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書 2189)

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  • 中央公論新社
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感想 : 91
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121021892

感想・レビュー・書評

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  • 1つの話が短いので、隙間時間に読めます。「へぇ~×10倍」くらい初めて知ることがあって楽しかった!忍者関係など。東海道新幹線の楽しみ方、まねします。

  • 最近私は、NHK系列でやっている歴史の番組(ヒストリアや
    BSプレミアムでやってるやつ)をよく見ているのですが、
    そこにちょくちょく著者の磯田さんが現れるのです。

    なんというか、特徴的な話し方(いい意味でマニアな人の
    話し方)に興味がわいて、「この人は誰だろう…」と思い、
    だけどすごくわかりやすく、なおかつおもしろく歴史について
    語っているのを見て、すっかりファンになってしまいました。

    なんと、映画化された「武士の家計簿」の作者だとか。
    そして私は、磯田さんの「殿様の通信簿」をかつて読んだこともあったとは。
    確かにあれもおもしろかった。

    ファンになったので、磯田さんの他の著書も読んでみたいと思い、
    本屋で検索して、興味がわいたこの本を購入。

    「歴史の愉しみ方」というタイトルですが、これは私たちに
    「こうすれば、歴史が愉しくなりますよ」と事細かく教えてくれてる
    本なのではありません。
    磯田さん本人が、歴史にどのように興味を持って、愉しんでいるかを
    読む本です。
    でもその目の付け所がすばらしいし、文章も時々クスっと
    笑えるところもあって、とてもすばらしい読み物になっています。

    特に3.11以降、地震の歴史に興味を持って古文書を調べ始める
    ところはとても興味深かったです。
    確かに、大地震は100年に1度とか500年に一度とか言われてるから、
    その昔の地震がどの程度だったのか、その後地震が続いたのか、
    というのは、古文書を調べなければわからない。

    磯田さんの少年時代のエピソードも、とても素敵。
    ミニ出雲大社や望遠鏡、竪穴式住居を自分で作ったりするなんて。
    こんな子供、素敵だなぁ。
    もしも私に男の子がいたら、磯田さんのような子供になって欲しい。
    それはそれで、ちょっと変わっているかも知れませんが。

    あとやっぱり、最後の「関ヶ原見物作法」がおもしろい。
    東京から新幹線に乗るときは、徳川家康になったつもりで
    乗り込まねばならないのですね(笑)

  • ぶつぎりのつなげた本でもこれだけ読まれているのも、著者の人気の表れ。
    「子どもと歴史の感動」より一文
    「みみずの這ったような字で書かれた古文書の文字のなかに、きらめくような一行があって、だれもしらない真実を見てしまった瞬間がたまらない」
    「愉しみ方」という書名がぴったりくる。
    「学者には一人で日本国を維持する気概がいる」という福沢諭吉の言葉に感動し、今は静岡県で歴史地震の古文書を捜して東海地震のリスクを調べる。

    メモ
    天皇土葬化のきっかけ、子どもと歴史の感動、福沢諭吉と学者の気概、津波ではじけた干拓バブル

  • これはサブタイトルが勝っている本で、開けたらいきなりしばらく忍者の話。面白いのは、なんといっても自分で古文書等を入手して、次々に切り拓いていくところ。忍者の給料や労災死亡率を追い求めたり。道楽的話も多くてお気楽だな〜なんて読み進めていくと、なんと震災関連の話が待ち構えている。ここは我が意を得たり、という内容。花も実もある本だなあ。満足。

  • 近世史に関する面白い話がいっぱいで楽しく読めたが、新聞を中心に連載をまとめたものであり、「読んだ感」はイマイチうすいのが少し残念。。。

  • 新聞に連載していた歴史エッセイをまとめたもの。忍者、戦国時代、幕末等広く日本史全体から興味深いトピックスを紹介している。武士は、ちょんまげを結うために、頭頂部の毛を毛抜きで抜いていた等の恐ろしい話が出てくる。古文書を読む能力が非常に高いようだが、これだけのトピックスを探し出すためにはどれほどの量の史料にあたったのだろうか。地震史の資料探索のために浜松に移住して、震災関連の古文書の探索を進めているそうだ。歴史的史料を防災に生かすという成果が生まれる事を祈念している。

  • エッセイ風でちょっと期待外れだな、と思いつつ読んだが、案外面白かった。中学生なんかに読ませたら歴史を好きになるんじゃないかな、と思う。「殿様は冬場お湯で顔を洗っていたのか?」「江戸時代、狆はどう飼育されていたか」といった面白い話もあれば、東日本大震災をきっかけに、かつての大地震はどうであったか古文書から読み解くなど、今を生きる者に重要な情報もある。被災地復興の方法など、江戸の役人の方がずっとうまくやっている。地震は100年~500年の周期で考えなければならず、日本は今震活動期に入っているという。科学者だけでなく、歴史学者にも防災、復興、エネルギー開発の計画に参加してほしい。

  • 古文書の達人が伝える歴史の魅力。
    著者は全国をめぐって埋もれた古文書を次々発掘。
    そこから「本物の歴史像」を描き出し、その魅力を
    伝えてくれる。
     第1章 忍者の実像を探る
     第2章 歴史と出会う
     第3章 先人に驚く
     第4章 震災の歴史に学ぶ
     第5章 戦国の声を聞く

    以前、NHKで忍者の特集が放送され著者が研究してい
    たことは知っていたが、番組自体はそれほど面白くも
    なく、本書のベースとなっている読売新聞の連載自体
    も(たまに読んだだけであるが)それほど面白くなか
    ったので、正直あまり期待していなかったのであるが
    予想外に面白かった。ひとにおススメしたいくらい面
    白い。

    気になる点もいくつかある。忍者の先行研究として御
    庭番を上げているが御庭番は忍者では無いという点や、
    大久保忠隣の失脚が本多正信が忠隣を妬んだためとい
    う点。関ヶ原合戦当時の武士は鉄砲を卑怯な道具と考
    えていて足軽に持たしていたという見方など、ものの
    見方、答えの出し方が性急な気がする。(ただし、本
    書が一般向けのエッセイのようなものであるという点
    を考慮する必要はあるかもしれない)

    巻末に人物索引があるのが良い。文献索引もありなお
    良い。東日本大震災をきっかけに、著者は未知の歴史
    地震史料を調査し発見するべく活動の場を茨城から静
    岡に移す。今後の活動にも期待したい。

  • 2013年の読書初めはこの新書。
    硬すぎず、やわらかすぎず、ウィットに富み、かつ読みやすい。おもしろい、としか言いようのない、歴史についてのあれこれ。歴史系の新書を読んで思わず笑っちゃったのは初めてかもしれない。
    磯田氏の頭にふと浮かんだ「?」をもとに、いろいろ突き詰めていくんだけど、その「?」がいちいちおもしろい。その発想の源泉が知りたいです。
    個人的にツボだったのは、忍者関連と関ヶ原見物作法。 東日本大震災を契機に、歴史書から過去の災害をひもときこれからの災害対策の研究を進めていく様は、これからの日本人は必読だと思う。
    私が高校生だったら、間違いなく静岡芸術大学を受験しただろうな。

    図書館で借りたけど、手元に置いて読み返したいので明日にでも買いに行ってきます。

  • 磯田道史『歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ』中公新書、読了。『武士の家計簿』の著者が資料と足をもとに「歴史は面白い!」を実感させてくれる。忍者の実像、江戸のペット事情……。暗記すべきゴシック体の後ろに存在する息吹をたのしく紹介してくれる歴史エッセイ。歴史は苦手な方にお勧め

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著者プロフィール

磯田道史
1970年、岡山県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。茨城大学准教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、2016年4月より国際日本文化研究センター准教授。『武士の家計簿』(新潮新書、新潮ドキュメント賞受賞)、『無私の日本人』(文春文庫)、『天災から日本史を読みなおす』(中公新書、日本エッセイストクラブ賞受賞)など著書多数。

「2022年 『日本史を暴く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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