言語の社会心理学 - 伝えたいことは伝わるのか (中公新書 2202)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121022028

作品紹介・あらすじ

私たちは、ことばを「文字どおり」に使っているわけではない。話していないのに伝わることもあれば、丁寧に説明していても誤解されることがあるのはなぜか。社会心理学の視点から、敬意表現や皮肉など、対人関係のことばの謎に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 特筆すべきことは特にないのですが、学術的にまだ未成熟というか、「言語の社会心理学」と呼べるのか?と思えるような内容でした。どちらかというと「言語学」や「コミュニケーション学」という方が近いような気がしました。
    意志伝達の手段としての言葉、送り手と受け手の齟齬について色々述べていて、それはそれで興味深いものでしたが、それが「社会心理学」と呼べるのか……若干疑問に思いました。
    文献は古いですが、『日本人の発想、日本語の表現』の方が衝撃的で知的好奇心を刺激しました。
    僕の評価はA-にします。

  • 一見難しそうなタイトルだが
    読んでみると、
    日常会話を例に取り上げたものが多く
    読みやすかった。

    社会心理学・言語学・コミュニケーション学あたりかなあ…

  • 言語、特に日本語を用いたコミュニケーションについて分析し、わかりやすくまとめた1冊。普段何気なく使っている言葉も、こうやって捉えると実に奥が深いのだと気づかせてくれます。

  • 【目次】
    はじめに i-iv

    第1章 「文字どおり」には伝わらない 001
    1.1 共感が不可欠 002
    1.2 言語と非言語―――コミュニケーションのチャネル 007

    第2章 しゃべっていないのになぜ伝わるのか 033
    2.1 会話をどうやって成り立たせるのか――共通の基盤 033
    2.2 言外の意図をどう伝えるのか――推意 042
    2.3 広告からの思い込み 060

    第3章 相手に気を配る 071
    3.1 相手の「顔」を立てる 071
    3.2 人の呼び方 095
    3.3 感謝するのになぜ「すみません」か――感謝、謝罪、ねぎらい 104

    第4章 自分に気を配る 123
    4.1 自分のことを伝える――自己開示と自己呈示 123
    4.2 本心で謙遜しているのか――自己卑下の特徴 151
    4.3 話しぶりがもたらす印象 161

    第5章 対人関係の裏側――攻撃、皮肉 171
    5.1 人を傷つけることば――言語的攻撃 171
    5.2 間接的攻撃――皮肉の本質 193

    第6章 伝えたいことは伝わるのか 215
    6.1 誤解はなぜ生じるのか――コミュニケーションの失敗 215
    6.2 本当に伝わっているのか――透明的錯覚 225

    終章 伝えたいことを伝えるには? 239


    あとがき 255
    注    265
    文献   277

  • <閲覧スタッフより>
    コトバを科学する。
    私たちは日常会話の中で、どのような状況で言葉を用い、それがどういう意味を生み出すのか?というように、
    言語を科学的に研究する学問を「言語学」と言います。
    そんな「言語学」の基礎知識について学べる資料をご紹介します。

    --------------------------------------
    所在記号:新書||801||オカ
    資料番号:20101228
    --------------------------------------

  • なにげなく言ってしまう
    感謝の気持ちとしての 「すみません」 などの、
    会話のなかにある
    心理学的な要素を
    わかりやすく解説しています。

    普通に毎日使っている会話を
    みなおしてしまいました。

  • 面と向かって、あるいは電話やメールでもコミュニケーションで中心的役割を果たすのがことばである。
    情報だけではなく、自分の気持ち、相手への思いを伝えあうツールだ。
    ことばによって伝わるのは、文字通りの内容だけではない。文字通りとは矛盾するようなもの、言い回し、非言語的コミュニケーションも含まれる。
    私の相方は読解力が絶望的に欠如している。空気を読むとかいう以前に、行間を読むことも文脈も読めない。会話が成り立たないことなどしょっちゅうである。
    「私は、読めないのではなく読まないのよ」が口癖だが、それは相手の意図を推測するという作業をし、相手の視点に立って熟慮を重ねなければ到底出てこないはずのことばだろう。
    とまあ、しばしば発生することばの問題を社会心理学的な観点から捉え直したのが本書である。
    社会心理学は、実験や調査のような実証的手法で人の社会的行動の法則性を捉え、その背後にある心理的な要因を究明しようとする心理学の一分野である。本書は語用論、社会言語学や心理言語学の研究成果を念頭に置いた上で、ことばに対して社会心理学的な立場からアプローチする。
    具体的には、ことばが対人過程の中でどのように発話され理解されるか、またことばの形式的バリエーションが対人関係とどのように関わり合うかについて、さまざまな研究を紹介していく。とくに実験社会心理学の特徴を生かした、変数を統制し、統計的技法を用いた実験、調査からの知見を重点的に扱っている。
    なぜ文字通りにしか伝わらないのか、もしくはなぜ文字通りに伝わらないのか、相手に気を配ったり、対人関係の裏側にひそむ皮肉や攻撃、伝えたいことを伝える方法論、さらには効果的な怒り方、や謝り方、などなど。
    実のところ「あなたは言っていることがよくわからないから、こうやって役に立ちそうな本を買い与えているんでしょ」と、かの相方に言われて読むにいたりましたの。ことばに難があるのは常に私のほうなの。とっても勉強になりました。78点。

  • 2013/05/22

  • 会話でどのように社会心理学が適応できるかという問題である。卒論のテーマとしては、文学でも使える可能性が有る。

  • あああ面白い。ことばの本って好き。条件によっては目上の人に「御苦労さま」も使えるとか、セルフ・ハンディキャッピングとか、人が栄光浴をしたくなるのは自己評価が低いときとか、すらすら読めて興味深い話題いっぱい。鈴木孝夫の本を読んでいるみたいな感じだ。

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著者プロフィール

愛知学院大学心理学部教授

主な著書
ことばの社会心理学 ナカニシヤ出版 2010年
ミス・コミュニケーション  ナカニシヤ出版 2011年
悪意の心理学 中公新書 2016年
なぜ人は騙されるのか 中公新書 2019年

「2023年 『コミュニケーションの社会心理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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