人口減少時代の土地問題 - 「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ (中公新書)

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著者 : 吉原祥子
  • 中央公論新社 (2017年7月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024466

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人口減少時代の土地問題 - 「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 土地の所有者不明化問題を中心に据えた課題研究を上梓したもので、政策提案がすぐに行政の変革に繋がらないもどかしさを感じる。現在の土地登記制度が税制と切り離され、相続登記が義務化されていない現状を変えるには、相当な荒療治が必要かと思う。業務用の参考図書を読んできたことで、本書の内容の理解が進んだ。

  • 「明治時代に日本が民法を制定するうえで手本としたフランスは、土地の収用、収益、処分のいずれについても所有者個人の自由であるという、いわゆる絶対的所有権の考え方をとっている。しかし、(中略)個人の所有権に一定の制限を課し、必要な公的利用が円滑に進むよう制度改正が重ねられてきている。たとえば、地方公共団体など公的機関による先買権、すなわち、自治体などが個人より優先的に土地を買うことのできる権利を強化するなどだ。
    土地収用制度も発達しており、先進諸国の中では、収用権の発動がもっとも頻繁に行われる国といわれている。」p.124

    「(中略)『所有者不明化』問題の拡大防止と対応策について、論点は大きく3点に整理できる。①相続登記、②『受け皿』づくり、③土地情報基盤のあり方である。」p.140

    市場の取引では解決できない問題。また、問題があらわになるのはいま現在ではなく将来世代。このような問題こそ行政が解決する必要があると感じる。

  • 相続等で現在の土地所有者が不明な状態が全国的な課題となっている中、本書はそうした状態の生じている背景・理由と解決策を解説した書。現在の土地制度の勉強になるのがまずもってよかったのと、現在の職場で林地台帳の整備の仕事なども関係してくるので、土地所有者不明問題が本当に深刻なんだなということが概観だけでも理解できた。今後、さらに土地の法制度について勉強を深めたい意欲が湧きました。

  • 全国に点在する所有地不明の土地。それが相続による移転登記をしていないことによるものであることは現代の日本社会から予想がつくが、あまりにも拡大し、建築、震災などの災害復旧などに際して権利関係の確認、地権者の了解取り付けがあまりにも大きな負担になっている。それは地方都市で顕著だが、六本木ヒルズの建築に際しても境界調査に4年も要するという大作業だった!同じように不動産登記が対抗要件であるフランスでは、地権者不明の土地はほとんど無いという!公証人制度の充実が大きいとのこと。そして「無主の財産は市町村に帰属する」との仏民法。日本の土地政策の無策を痛感する。解決を急ぐべき課題でありながら、これが社会問題として騒がれることは今後とも無いであろうことが、ますます問題を難しくしているようだ。前橋市総社町の神社の一角の碑が象徴的。「明治19年に54戸の連名登記から119年を経て権利者は380余名になり、沖縄から北海道まで拡散。87.4㎡の提供に際して全員の実印・印鑑証明書・登記申請書を17年の歳月と600万円の経費を要した。総会の結果、… 寄贈していただいた。」とは2004年に記念として建てた碑文。田舎の山林などは当人が相続していることも知らない土地があるのだろう!これからは地方での人口減少が加速化していくことが想像されるだけに急務だと思う。

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人口減少時代の土地問題 - 「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ (中公新書)の作品紹介

持ち主の居所や生死が判明しない土地の「所有者不明化」。この問題が農村から都市に広がっている。空き家、耕作放棄地問題の本質であり、人口増前提だった日本の土地制度の矛盾の露呈だ。過疎化、面倒な手続き、地価の下落による相続放棄、国・自治体の受け取り拒否などで急増している。本書はその実情から、相続・登記など問題の根源、行政の解決断念の実態までを描く。

人口減少時代の土地問題 - 「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ (中公新書)はこんな本です

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