理科系の読書術 - インプットからアウトプットまでの28のヒント (中公新書 2480)
- 中央公論新社 (2018年3月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121024800
感想・レビュー・書評
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"目的を持った読書とすれば、おのずと戦略(読み方)も考え論じられる。
濫読は消費の読書とのこと。
所詮人生は暇つぶしとの人生哲学があれば、それも大歓迎。
まじめな人はそうはいかず、何か生かせる流れを作りたいと考える。
そんな人が読めば、参考になることが見つけられる本。"詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書は、読書が苦手な人向けの読書術と、そこから発展して知的生産のための読書術に関する内容となっています。
読書術に関して比較的合理的だと思いますし、読書を通じて仕事や勉強を効率良く進めるためのヒントが書かれていて役に立つように感じました。
本書は、
第1章 本と苦労なく向き合う方法
第2章 難解な本の読み方
第3章 多読、速読、遅読の技術
第4章 アウトプット優先の読書術
第5章 本の集め方、整理の仕方
第6章 読書メモの取り方
補章 読まずに済ませる読書術
の7章から構成されています。
1〜3章が読書が苦手な人向けの読書術で、読書との向き合い方、難解な本の読み方等を説明しています。
特に、「最後まで読まなくていい」「15分だけ集中」「要素分解」「自分のスタイルを確立する」「読書は知っていることの再確認」あたりはなかなかいい着眼点だと思う。
4〜6章が効率よく知的生産をするための読書術といった感じになっています。
知的生産をしなくても、読書メモの書き方あたりはいつか役に立つかもといった感じでした。
2018/08/14 読了 -
著者・鎌田浩毅は火山学・地球科学の大学教授。本を読むのが苦手な学生を念頭において読書術の指南。第1部「苦手な人のための読書術」,第2部「仕事を効率よく進めるための読書術」。本は必要な情報を(例えば3つ)とれれば途中で読むのをやめてもいい(小説は別),と言われるが,根がしみったれな私は中々そうはいきませぬ。また学者ではないので知的生産には縁がなく,もっぱら知的消費ばかりなのですが(楽しく読んでそれで終わり),理科系的には効率よくやるべし(インプット・アウトプットの比率を考える,解ける問題から取り組む,わからないことはとりあえず不完全でもいいから棚上げ)と。補章の「読まずに済ませる読書術」では,現代はストックよりもフローだろ,蔵書なんか持たずに自分の頭でなんとかせえと言われる。うへえ。
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読書が苦手な人でも、うまいこと苦にならないような読書の方法について書いた本。それぞれの章の最初に、その章で伝えたいキーフレーズが4つ書かれてあり、分かりやすかった。
簡単にいうと、読書はあくまで必要なとこだけ読めばよく、重要なのはアウトプットをすることだ、ということを言いたいのだろうなと思った。実際、最後の章は、「読まずに済ませる読書術」というタイトルとなっている(読書術の本なのに)。
自分の場合、最初から最後まで読むような読書となっているので、うまくいかしきれてないのだろうなと思う。必要なところだけ読むというのはなかなかできないでいる。
なお、ショーペンハウアーという哲学者は「読書は、他人にものを考えてもらうこと」だからほどほどにせよと説いているらしい。むしろ、本を読みすぎると思考能力が落ちていくのだとか。自分も、多くの本を読むことが目標となっている節があるから、ちょっと気を付けていきたい。
それと、著者はトランクルーム10室分になるほどの本を所有していた時期があるらしい。本にカビが生えているのに気づいて処分することを決めたのだとか。
こうやって振り返ってみると、本を読まない人にたいする本というよりも、大量に本を読むだけの人に警鐘を鳴らすための本だったように思えてきた。 -
国語や歴史が不得意で本を読むのが苦行という理系大学生に向けて、楽に本が読める方法を指南。まず必要性を確認し、楽に読書を済ませて最低限のノルマをこなす。次に、仕事や勉強を効率よく進めるための情報処理としての技術。そして、アウトプット優先の読書術。
理系の人たちって論理的だから、システマティックで効率的に読んでいるのだろうと思っていたのですが、苦手だったとはびっくり。 -
京大・鎌田教授の読書術について書かれた本。タイトルの『理科系の〜』については相変わらず深い意味がない模様。同氏の『ラクして成果が上がる理系仕事術』と一部内容がかぶっている部分もあるが、本の読み方についてよくまとめられている。知的生産(アウトプット)を意識した読み方を心がけるというのがポイント。
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最後の補講は、面白かった。
ストックから、フロー。
所有から利用。未来への計画や、過去の否定ではなく、今を生きるために、今あるものを利用する。
本も、そんな使い方が良いのかもしれない。
といってしまうと、本書の本文を補講は、すべて否定しているのだけども。 -
・目的(=知的生産)を持って読書をする。
・必要な箇所だけ読めば良い
・筆者の「フレームワーク」を理解する
・得ない情報を決めておく(取捨選択)
面白かった。読書術のみならず仕事術も紹介されている。