心と遺伝子 (中公新書ラクレ 213)

著者 :
  • 中央公論新社
3.09
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121502131

感想・レビュー・書評

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  • 日頃の行動の根底にあるものを著者の専門分野である行動分子遺伝学を以て掘り下げようというもの。
    一見難しそうな内容であるも、全6章のうち、「第1章 浮気してしまうのは、好色遺伝子のせい?」のユルい文体は実に読みやすく興味深いかったが、章を進むつれ、徐々に専門的内容に偏った印象が拭いきれず、文系のワタクシとしては読んでいて中だるみ感があったことは否めない。
    よって★3っ。

  • 著者に山元先生の研究分野は行動分子遺伝学と言うらしい。
    本書ではいろんな性格、本能の類いを主に遺伝子からみて考察している。人間の気になる性格本能がテーマだがまだ人間の遺伝子はそんなに触ることもできないので実験動物での成果を人間に当てはめているのではあるが。

    浮気をしてしまうのは好色遺伝子のせい?では浮気者のアメリカハタネズミを遺伝子治療?でマイホームパパにしてしまう話、
    太る痩せるも遺伝子からはじまるでは、脳が決める食欲をホルモンでコントロールする話。
    母親の愛はどのようにして子供に伝わるのかではラットで面倒見がよい母親とよくない母親を分ける遺伝子があるが、面倒見のよくない遺伝子をもつ娘ラットも面倒見がよい母ラットに里子に出されると面倒見がよい母ラットになる話などなど、決して遺伝子で性格、行動が決まるのでは無く遺伝子の発現の仕方で行動が決まるのであることを教えてくれている。
    少々百花繚乱気味ではあるが、その分興味深く読み進めることができる本である。

  • [ 内容 ]
    浮気・食欲・子育て・睡眠・恋愛…。
    これらの行動は、遺伝子レベルで精緻にコントロールされていた!
    世界レベルの研究者が、最新遺伝学をやさしく解説する。
    21世紀の新常識入門書。

    [ 目次 ]
    第1章 浮気してしまうのは、好色遺伝子のせいか?-DNAとRNAの情報のやりとりには文法がある
    第2章 太る・やせるも遺伝子から始まる-アミノ酸の配列が一つ違うと行動が変わる
    第3章 母親の愛は子供を強くしてくれるのか-ストレスと脳の海馬との密接な関係
    第4章 母親の愛はどのようにして子供に伝わるのか?-四つの塩基が人生を変えていく精緻極まりない仕組み
    第5章 眠りのリズムを刻む遺伝子-環境の変化に応じて生活リズムを巧みに調節
    第6章 脳と遺伝子で見えてくる、男女の差と同性愛-ネジの締め方一つで心の性が変化する

    [ POP ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 子供の幼いころに母親がどのように接したかによって、その子が老齢に達したときの脳のの健硬度が左右される。
    性同一障害は、自分を男と思うか女と思うかという性の自認と肉体の性とがかい離した状態である。これは男を好きになるか、女を好きになるか、ということとは別個の問題である。肉体は女で性の自認は男という人が女性に恋愛感情を抱いた場合、肉体の性を基準に考えると同性愛となり、心(脳)の性に依拠すれば同性愛になる。
    異性愛者と同性愛者で差のある脳内の部位は、他に左右の脳半球をつなぐ神経線維の束である前交連も知られている。前交連は男性異性愛者と比べ、女性と男性同性愛者はいくぶん太いといわれている。性同一障害や性指向性が脳の性分化の異変によって起こるとした場合、その異変をもたらした原因はなにか。人を含めた哺乳類の脳の性分化が、胎児期の性ホルモンの作用に強く依存する以上、母親の妊娠中のホルモンバランスを錯乱する要因によって胎児の性指向性や性辞任が影響を受ける可能性がある。
    男性同性愛者の周囲にいる親族のうち、他に男性同性愛者である人を探してみたところ、最も効率で見つかったのが、本人の兄や弟であった。そして父がたの親戚にはほとんど見当たらないという結果がでた。

  • 【目的】
    遺伝子を知ることで人生を豊かに生きるヒントを得る

    【引用】

    【感じたこと】
    遺伝子によって行動が支配されているとしたら、生れ落ちたときから方向性は決まっているのか。
    自分に正直に生きるということは、遺伝子の欲するままに正直に生きるということか。
    直観を信じたい自分としては、「一目ぼれ」もそれが遺伝子のなせる業と考えてしまうが・・・。

    【学んだこと】
    生存に都合の良いものは保存される。
    「浮気性のある男」を女が選んできたので、その遺伝子を持つ人間が多い。
    遺伝子が行動を支配しているケースが多い。

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著者プロフィール

情報通信研究機構未来ICT研究所室長、東北大学名誉教授、理学博士。1954年 東京都生まれ。東京農工大学大学院農学系研究科修士課程修了。三菱化学生命科学研究所研究員・室長、科学技術振興事業団 山元行動進化プロジェクト総括責任者、早稲田大学教授、東北大学教授などを歴任。

「2012年 『遺伝子と性行動 性差の生物学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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