沖縄イメージを旅する: 柳田國男から移住ブームまで (中公新書ラクレ 287)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121502872

作品紹介・あらすじ

青い海、白い砂浜、穏やかな三線の音。「基地の現実」を一手に引き受けてきた島で、こうした南の楽園像は誰によって、いかにしてつくられたのか。数々の風景を通じて、沖縄のいまを探る。

感想・レビュー・書評

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  • 一流の社会学者の手にかかると、こうも沖縄の景色が変わって見えるのか!

    社会学理論と分析装置を使って、「沖縄」を題材に社会構築学的、歴史社会学的に分析した良書。

    沖縄を愛する人には読んでもらいたいし、何よりウチナーンチュには読んでもらいたいなーと思います。

  • 近代以降の沖縄についての歴史本でありツーリストの視点とは何かが
    書いてある本。内容は親しみやすく、読みやすい。

  • 「イメージは現実を構築する」

  • 東2法経図・6F開架:B1/5A/287/K

  • 旅が好きで、47都道府県のうち未踏県が数えるほどになってきたのですが、沖縄には行ったことがありませんでした。漠然と近寄りがたいような印象を持っていたのですが、その理由がなんとなく解った気がします。今月、初めて訪沖することになりましたので、その印象が鮮明なうちに再読したいと思います。

    …にしても、沖縄について勉強すればするほど「ぐええ」と呻きながら頭を抱える事態になってしまい、どんな顔で「癒しのリゾート」に向かえばいいのかわかりません。何も知らないまま訪沖するよりは良かったと思っていますが…。

    ―観光においても学問・アートにおいても、中央ツーリストの熱烈なまなざしに対し、沖縄は長らく「まなざされる客体」の位置に固定化されてきた。「原日本を映す鏡」にせよ、「国家のため戦争に殉じた乙女」にせよ、「日本最南端の亜熱帯リゾート」にせよ、「のんびりした癒しの島」にせよ、日本側の都合のいい形で、沖縄が繰り返し表層・イメージされてきた系譜をたどるとき、沖縄をめぐる観光と知にも、日本の沖縄に対する政治的・経済的・軍事的な力関係の優位性が、間接的に投影され、書き込まれてきた側面は、やはり否めないだろう。(271P)

  • イメージの沖縄から、
    沖縄について内と外から見方や、戦前の沖縄と、現代の沖縄のギャップなど読むことができた。
    首里城の正殿の奥には沖縄神社があって、無理矢理本土と結び付けられるような、源為朝(みなもとのためとも)という人も祀られているとは知らなかった。本土の人が沖縄を政治利用としたのかな。
    イメージを持つことは勝手だが、イメージを押し付けられるのは嫌なもんだね。

  • ヤマトによる「オキナワ」消費と、まなざされた「オキナワ」の沖縄自身による内面化の歴史。
    いわゆる「方言論争」については、自分自身、表面的な理解しかしていなかったなと反省。

    ただ、Go on as you areからのモンパチリスナーとしては「モンパチが沖縄で認められたのは、全国で売れたからではないのか、という鋭い指摘もある」(p222)は、いささか的を外しているように思えてならない。

  • 来期(11年夏学期)もう一度読む。
    絶対だ。

  • ううむ。いろいろ考えちゃいました。

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著者プロフィール

一橋大学大学院社会学研究科教授
著書に『沖縄イメージの誕生』(東洋経済新報社、2004年)、『沖縄イメージを旅する』(中公新書ラクレ、中央公論社、2008年)、『社会学理論のエッセンス』(学文社、2011年)、『いま、「水俣」を伝える意味』(くんぷる、2015年、共編著)、『社会学理論のプラクティス』(くんぷる、2017年、編著)など。


「2017年 『今何が問われているか 水俣病の歴史と現在』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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